演出の吉田です。
9月3日(土)から始まりましたFMシアタ-『ヘルプマン -俺たちの介護物語- 』。
このシリーズはFMシアター「初」の連続5回!
10月8日(土)まで若き介護士たちが「理想の介護」を目指し、巨大社会福祉法人マンモス・ケアとたたかいます(聴き逃し配信は10月15日まで)。
お楽しみに!
今回は、介護への思いは人一倍熱く、周囲からの信頼も絶大! 小池桃代役を演じていただいた瀧内公美さんからのメッセージをお届けします。
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【瀧内公美さん メッセージ】
ことしのゴールデンウィークは「ヘルプマン」一色でした。
お芝居のお稽古のようにみなさんと毎日集まって本読みをしながら、ああでもないこうでもないとお話をたくさんさせてもらった記憶があります。
先輩方が教えてくださる介護体験や、介護指導でついてくださった鈴木さんのお話を頼りにみなさんと丁寧に作り上げました。脱線していくお話こそこの物語をお届けする"大切なこと"がたくさん詰まっていたのだと思っています。
演出の吉田さんの熱いご指導でひっぱっていただきながら、私が演じている小池桃代のキャラクターはときに吉田さんのようでいいんだと感じたことも覚えています。
常に周りをみて声をかけてくださり、場を明るく楽しく導いてくださった浅利さんがいてこその「ヘルプマン」でした。どんどん高まっていったチームワークの良さが声だけでお伝えするラジオドラマでもお届けできると信じています。
最後のキャスト紹介までこだわって作りましたのでぜひ聞いてくださいね! よろしくお願いします!
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介護職員のみなさんは厳しい状況で頑張っています。
たとえば特別養護老人ホームでは入居者さん100人に職員33人(三交代制なので10人にひとり)で対応しなければならない。今は、さらにその数が削られそうな趨勢です。
入居者さん一人一人に「個別ケア」で対応したくても、できない。
そんな中、介護の現状が何も分かっていない恩田百太郎(浅利陽介さん)が現われる。
桃代は「だからそれは夢なんだよ! 夢なんか見るな!」
そう繰り返し、桃代は百太郎に、ひいては自分自身に言い続ける。
僕はこの桃代さんが介護の現場で働く方々に最も近い、共感を得る存在だと思っています。
その桃代を瀧内公美さんが演じられる。
瀧内さんは全身全霊で役に取り組まれる俳優です。
第2回で、桃代が、かつて自分が看護学校時代に介護を志すきっかけとなった出来事を語るシーンがあります。それを聞く介護スタッフたち。疲れ切った彼らは夢に向かって再び歩き出す……。
スタジオでその瞬間が訪れた時、お芝居が終わっても、僕はカットをかけられなかった。
心が震えて、声が出せなかった。
スタジオの休憩時間、瀧内さんとお話ししました。
富山にいらっしゃるおばあちゃんのことを思い、セリフを言われたのだとか。
「夢は手を伸ばした5cm先にあるのかもしれない」
夢を諦めてはいけない、手を伸ばした5cm先にあるのかもしれない。秋元康さんの言葉です。
全身全霊で役に取り組む瀧内さん演じる小池桃代さん連続5回の旅。
第4回では百太郎と共に「ヘルプマン」となり、最終回ではマンモス・ケアと対決する。
最終回のセリフにまた僕は泣きました。演出は酔いしれてはいけない。自画自賛になる。
俯瞰して見ていなければならないのに、心を突き動かされた。
演出を失格に追い込む瀧内さんのお芝居は、5cm先の夢でした。
FMシアター「ヘルプマン-俺たちの介護物語-」(全5回)
~ひとは最後まで輝き続ける~
【NHK-FM】
2022年 9月 3日(土)よる10時~10時50分(第1回「ヘルプマン覚醒!」)
(第1回と第2回の間のみ1週間あきます)
2022年 9月17日(土)よる10時~10時50分(第2回「希望は、あるか?」)
2022年 9月24日(土)よる10時~10時50分(第3回「極楽へ行こう!」)
2022年10月 1日(土)よる10時~10時50分(第4回「告発」)
2022年10月 8日(土)よる10時~10時50分(最終回「そして、夢へ」)
★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)
【原作】
くさか里樹
【脚色】
井出真理
【介護指導】
加藤忠相(第1回~第3回)
鈴木真(第4回・最終回)
【ホストクラブ指導】
手塚マキ
【スタッフ】
制作統括 : 藤井靖
技術 : 山賀勉 大塚茂夫 山田顕隆 木本耕平
音響効果 : 菅野秀典
選曲 : 石原慎介
演出 : 吉田浩樹
【出演】
浅利陽介 渡部豪太 瀧内公美
かたせ梨乃 高田聖子 小手伸也 左時枝
高橋長英 市毛良枝 津田寛治 片岡礼子
大方斐沙子 藤本沙紀 蔵下穂波 渡部紗弓
梅沢昌代 朝倉伸二 永嶋柊吾 小山剛志
野村昇史 名取幸政 有福正志
高間智子 福井裕子 三沢明美 元井須美子
園山敬介 外崎友亮
【あらすじ】
介護に「夢」を持つ若き3人の介護士、恩田百太郎、神崎仁、小池桃代が「理想の介護」を目指し、介護のマニュアル化を進めるマンモス・ケア・グループと闘う連続5回シリーズ。
介護の現場は慢性的な人手不足……その問題を解消するため、社会福祉法人マンモス・ケアは食事・入浴・排泄の三大介護の「完全マニュアル介護」を推し進める……食事・入浴は個別に対応せず、トイレ誘導拒否なら紙オムツ。
しかし、それで利用者さんは幸せなのか? 利用者さんに喜んでもらわなければ、俺たちだってツマんねぇだろうが!?
デイケアで、特別養護老人ホームで、そして在宅介護の各現場で、若き3人の介護士は、利用者さんひとりひとりの希望をかなえる「個別ケア」で「理想の介護」を目指す。
ホストのヘルプから介護のヘルプマンへ。百太郎たちの介護物語が始まる。