9月9日(土)午後10時から放送のFMシアター『セッション』、出演者の皆さまの声をお届けしています。最後はミッチ役、藤本もあ菜さんからのメッセージです。
【藤本もあ菜さん】メッセージ
『セッション』は私にとって初めてのお仕事でした。
一緒の空間にいることが信じられないような方々と共演でき、最初は夢かと思いました。
緊張でいっぱいでしたが、共演者の方々に収録頑張ってねと声をかけていただき、とても貴重な経験をさせていただきました。
今回初めてジャズに挑戦しました。
普段歌っているミュージカル曲などとは違い、自由に歌うジャズは難しかったですが、飯嶋ももこ先生が寄り添ってジャズの歌い方や発音などを丁寧に教えてくださり、ジャズの楽しさにも気づくことができました!
収録は緊張しましたが、生バンドで収録することがとっても楽しく、ちょっと大人っぽく、ミッチらしいジャズが歌えたと思います!
高校生4人のジャズバンドのボーカル担当ミッチ役を演じていただきました。つまり朝夏さん、七海さん、鳳さんの同級生の役ということになります。ミッチが名曲「All of Me」を大人顔負けに歌う声が、物語の大事な要素として登場する、とだけお伝えしておきましょう。
今回の『セッション』の制作過程をパズルにたとえるなら、藤本もあ菜さんと出会えたことで最後のピースがはまった、と感じています。通常は声だけの演技であれば、もっと実年齢が高く歌唱の経験も豊富な方にお願いするのが定石かもしれません。でも、生きる歓びにあふれたフレッシュな声であることも、ミッチ役として絶対に譲ることのできない条件でした。やや幼さも残りながら芯のある彼女の声資料を聴かせてもらい、堂々とした歌いぶりにミッチを感じました。そこから彼女の熱く長い夏が始まります・・・。
ジャズといえば大人っぽくて技巧的にも難しい音楽・・・という一般的なイメージを吹き飛ばすような、パワフルで明るい飯嶋ももこ先生のレッスンで、歌唱の技術はもちろんのこと、スウィングの楽しさ、型にはまらない自由な歌唱の面白さを追求していく藤本もあ菜さんの姿には心躍らされました。
そして、二か月。つい先日、バンドと合わせての歌録音を終えたあと、ほどなく上記のメッセージを書いてくれました。今はミュージカルを中心に歌や演技のレッスンを重ねているそうですので、将来大きな舞台に立たれる時には、きっと『セッション』と過ごした夏を思い出してくれることでしょう。
以上、キャストの皆さまの声をお届けしてまいりました。放送は9月9日(土)午後10時から10時50分、「聴き逃し」配信(放送から1週間)もございます。
『セッション』(全1回)
~20年ぶりに会って、あんなこと言われる筋合いないから!~
【NHK FM】
2023年9月9日(土)午後10時~午後10時50分(全1回)
★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)
【出演者】
朝夏まなと 七海ひろき 鳳真由
久留飛雄己 華雪りら 藤本もあ菜
【作】
丸山智
【音楽】
川田瑠夏
【ジャズ歌唱指導】
飯嶋ももこ
【スタッフ】
技術:大友美友紀
音響効果:菅野秀典
制作統括と演出:藤井靖
【あらすじ】
町の貸しスタジオの一室。有希(朝夏まなと)が来るのを待ちながら、梨花(七海ひろき)はドラムを叩き、愛子(鳳真由)はギターを鳴らしている。高校時代にジャズバンドを組んでいた同級生3人、久しぶりの集合だ。彼女たちの青春の思い出には、欠けたピースがあった。ボーカル担当だったミッチが、ジャズ・フェスティバル直前に、若くして事故で帰らぬ人となっていたのだ。遅れて到着したものの、一向にピアノの前に座ろうとしない有希の態度に、梨花は痛烈な言葉を浴びせる・・・。
ともに過ごした季節から長い時を経た今、それぞれの人生の悩みを抱えながら、再び音を合わせようとする心のセッションを描く。