演出の松浦です。今週、4月8日(土)放送のFMシアター『コクハラ』、主演の篠山輝信さんからメッセージをいただきました。『コクハラ』は”告白ハラスメント”の略。部下に恋をし、彼女に告白をしてよいのか悩みに悩む上司の役です。
【篠山輝信さん】メッセージ
もしも会社の上司が部下に恋をして告白したら、それは告白ハラスメントになってしまうのか?相手に嫌な思いをさせたくないという気持ちも、誰かを好きになるという感情も、どちらも人にとってとても純粋な想いです。この作品では、それらがぶつかり合い、悩み、葛藤を抱える人物たちが織り成すドラマが描かれています。現在、この社会で生きる多くの人が、ハラスメントを無くしたい、と様々なことに配慮しながら日々を過ごしています。このドラマの登場人物たちも、そのようにそれぞれが真面目に真剣に考え、悩み、怯えています。そうして右往左往する彼ら彼女の姿はどこか愛おしく、ときにはいささか滑稽にも見えます。それは決してハラスメント防止への取り組みを茶化しているのでも、皮肉っているのでもなく、相手のことを真剣に考え、向き合い、不器用にも前に進もうとしている、今の社会で懸命に生きる私たちへの作者からのエールなのだと思います。
「あさイチ」リポーターとして生中継で全国を飛び回り、”アッキー”の愛称で知られる篠山さん。今回もその誠実な人柄がにじみ出る熱演。文章からも伝わります。篠山さん演じる新井は、セクハラやパワハラとは無縁の実直な気の弱い上司。そんな新井が部下に恋をしてしまったら…。どこまでが役作りで、どこまでが本当の篠山さんかわからなくなるくらい、役になりきって演じていただきました。このドラマの中心は「新井の恋物語」ですが、同期の女性社員との居酒屋などでの軽妙なやり取りも聴きどころです。真面目だけど茶目っ気にあふれ、真剣に悩めば悩むほどなぜか滑稽にも思えてくる。そんな篠山さんの好演をぜひお聴きください。