5月20日(土)夜10時から放送のFMシアター『扉を開ければ そこは』、出演者の皆さまの声をお届けしてまいります。まず今日は主演の平埜生成さんからのメッセージです。
【平埜生成さん】メッセージ
コロナ禍が始まった2020年、ぼくのラジオライフが始まった。あまりにもキツい現実から逃げるように“音声の世界”に飛び込む。それは必然的な行動だったのかもしれない。
耳から聴こえてくる世界に身を浸すと、現実世界のリンカクがボヤけていき、何気ない日常の景色が、パーソナリティが生み出す豊かな世界に彩られた。
その人が笑えば、ぼくまで笑う。
その人の感情が自分に流れ込んでくる。
ラジオを聴くほど、心が柔らかくなっていくような、不思議な体験だったことを今でも覚えている。
ラジオドラマを演じる時は、自分がそんな“パーソナリティ”になることを目指しています。
今回演じる「礼文」は、あの頃のぼくとリンクする部分が多かったかもしれません。
「礼文」の気持ちが聴いて下さる皆さまの心に届くように。そして、あの頃のぼくに届くように。精一杯演じました。
人との触れ合い、そして大自然との出会いを、音声を通じて味わって頂きたいです!
舞台や映像でご活躍の平埜生成さん、すでに「青春アドベンチャー」では主演作もあり、すでにお馴染みですが「FMシアター」でご一緒するのは初めてです。
今回の主人公・礼文は、傷ついた心を抱えて自宅の離れのプレハブ小屋に閉じこもって暮らすナイーブな青年。複雑な心の襞を繊細に演じて下さいました。
細見大輔さんのオリジナル脚本は2020年より前に書かれた原稿がベースになっていますが、世の中の多くの人々がコロナ禍で経験した、やりきれない思いをどうすることもできず寄る辺ない気持ちと重なるところがあるかもしれません。
『扉を開ければ そこは』キャストボイス、次回は鈴木壮麻さんからのメッセージをお届けします。
『扉を開ければ そこは』(全1回)
~世界は俺を置き去りにして、どんどん先へと進んでいく。~
【NHK FM】
2023年5月20日(土)午後10時~午後10時50分(全1回)
★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)
【出演者】
平埜生成 鈴木壮麻 毬谷友子 奥田一平
中村彰男 細見大輔 常住富大 岩男海史
【作】
細見大輔
【音楽】
木原健太郎
【スタッフ】
技術:増子留偉
音響効果:太田岳二
制作統括と演出:藤井靖
【あらすじ】
2年前、プロジェクトのリーダーを任されたものの思うように結果を出せず、皆の前で上司に罵倒されたことをきっかけに会社を辞め、自宅の離れのプレハブ小屋に閉じこもるようになった礼文(平埜生成)は、もう2年もオンラインゲームに明け暮れる毎日。ゲームで一緒に闘うメンバーが、今の人間関係のすべてだ。
息子のことを案じながらも、どうすることもできず見守る父・則夫(鈴木壮麻)と、小屋に食事を運び続ける日々を嘆く母・雅美(毬谷友子)。この現状を抜け出すため則夫は、ちょっとフツウじゃない家族旅行を計画する……。「第36回NHK名古屋放送局 創作ラジオドラマ脚本募集」で佳作入賞した脚本をオーディオドラマ化。