演出の吉田です。
9月3日(土)から始まりましたFMシアタ-『ヘルプマン -俺たちの介護物語- 』。
このシリーズはFMシアター「初」の連続5回!
10月8日(土)まで若き介護士たちが「理想の介護」を目指し、巨大社会福祉法人マンモス・ケアとたたかいます(聴き逃し配信は10月15日まで)。
お楽しみに!
第4回からケアマネ事務所「愛ワーク」の沢口所長を演じられている片岡礼子さんからメッセージをふたたび頂戴いたしました。
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【片岡礼子さん メッセージ】
**役について悩んでいる時のエピソードです。
私が演じる沢口と小手さん演じる寺田事務長とのやり取りで、寺田の理不尽さに怒って沢口が敵意をあらわにしているかと思えば、居酒屋でいる時は二人の距離が近く感じ、演じていてひっかかっていました。
するとディレクターの吉田さんが「原作上では、過去、この2人がお付き合いしている時期があったんですよ」と、そっと教えてくださりました。
台本と同時進行で楽しく読み進めておりましたヘルプマンの原作では、私はまだその部分まで追いついておらず、このヒントに疑問が解消されて演じやすくなりました。小さなことかもしれませんがとても大切な情報交換をしながら大切に作り上げたヘルプマンです!**
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マンモス・ケアの寺田事務長(小手伸也さん)と片岡さん演じる「愛ワーク」の沢口。
何の接点もないはずのこのふたりですが、神崎仁(渡部豪太さん)が「愛ワーク」につとめることになってすぐに「密談」を始める。
このふたりの関係が、新居正美・元理事長(かたせ梨乃さん)の「謎」と深い関係があったことは、井出さんのストーリー運びの妙でだんだんと過去に遡上し、最終回のラストシーンで語られることになります。
普通、前置きされるはずの「過去」が時系列として後に来る流れは俳優には相当な力量が求められます。後から追うようにやって来る「過去」に合わせ、ある意味、逆算で「現在」を演じなければならない。
今あるセリフを言いながら、「過去」をにじませる。その「過去」についての片岡さんの役についての深い読み込みは、沢口というキャラクターをグッと深いものにしてくださいました。
そして迎える最終回のラストシーン……片岡さんの「あたたかい」というセリフの何とも言えない余韻に、僕は胸を熱くしました。
FMシアター「ヘルプマン-俺たちの介護物語-」(全5回)
~ひとは最後まで輝き続ける~
【NHK-FM】
2022年 9月 3日(土)よる10時~10時50分(第1回「ヘルプマン覚醒!」)
(第1回と第2回の間のみ1週間あきます)
2022年 9月17日(土)よる10時~10時50分(第2回「希望は、あるか?」)
2022年 9月24日(土)よる10時~10時50分(第3回「極楽へ行こう!」)
2022年10月 1日(土)よる10時~10時50分(第4回「告発」)
2022年10月 8日(土)よる10時~10時50分(最終回「そして、夢へ」)
★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)
【原作】
くさか里樹
【脚色】
井出真理
【介護指導】
加藤忠相(第1回~第3回)
鈴木真(第4回・最終回)
【ホストクラブ指導】
手塚マキ
【スタッフ】
制作統括 : 藤井靖
技術 : 山賀勉 大塚茂夫 山田顕隆 木本耕平
音響効果 : 菅野秀典
選曲 : 石原慎介
演出 : 吉田浩樹
【出演】
浅利陽介 渡部豪太 瀧内公美
かたせ梨乃 高田聖子 小手伸也 左時枝
高橋長英 市毛良枝 津田寛治 片岡礼子
大方斐沙子 藤本沙紀 蔵下穂波 渡部紗弓
梅沢昌代 朝倉伸二 永嶋柊吾 小山剛志
野村昇史 名取幸政 有福正志
高間智子 福井裕子 三沢明美 元井須美子
園山敬介 外崎友亮
【あらすじ】
介護に「夢」を持つ若き3人の介護士、恩田百太郎、神崎仁、小池桃代が「理想の介護」を目指し、介護のマニュアル化を進めるマンモス・ケア・グループと闘う連続5回シリーズ。
介護の現場は慢性的な人手不足……その問題を解消するため、社会福祉法人マンモス・ケアは食事・入浴・排泄の三大介護の「完全マニュアル介護」を推し進める……食事・入浴は個別に対応せず、トイレ誘導拒否なら紙オムツ。
しかし、それで利用者さんは幸せなのか? 利用者さんに喜んでもらわなければ、俺たちだってツマんねぇだろうが!?
デイケアで、特別養護老人ホームで、そして在宅介護の各現場で、若き3人の介護士は、家事・内職はじめ、利用者さんの希望をかなえる「個別ケア」で「理想の介護」を目指す。
ホストのヘルプから介護のヘルプマンへ。百太郎たちの介護物語が始まる。