『失われた夢を求めて』
~誰が何と言おうと、あなたは聖母ですよ。私の愛する母さん。~
【NHK FM】
2023年6月24日(土) 午後10時~午後10時50分(全1回)
★「聴き逃し」サービス ※配信期間は放送から1週間
演出の小見山です。
脚本家の竹山洋さんとは、今回のオーディオドラマが3本目になります。
いずれも三田佳子さんの主演です。竹山さん自身の60年代大学ジャズ研の青春や、コロナ禍で今までの生活が破綻した夫婦の葛藤を描きました。
そして今回のドラマには、三田さんを始め、竹中直人さん、篠田三郎さんに出演してもらいました。いずれも竹山さんの作品に縁の深い皆さんです。
(スタジオ収録中の三田佳子さんと竹中直人さん。)
4月。脚本の決定稿をいただいた後、10日余りで竹山さんは亡くなりました。本来であれば、この日、一緒にせりふ収録をするはずでした。残念でなりません。
今、私の手元に、竹山さんからいただいた自筆の原稿があります。
竹山さんは、万年筆で原稿用紙に脚本を書かれます。
ほとんどの作家がパソコンで執筆する時代に、もはや稀有な存在だったかもしれません。でも、その独特な字体や推敲した跡を残す生原稿からは、作家の思いの丈がずしんと伝わってきます。まさに、脚本家・竹山洋さんの思いの丈が詰まったオーディオドラマとなりました。ドラマの中で、「さようなら、そして、ありがとう」という言葉が出てきます。竹山さん、さようなら、そして、ありがとう。
(演出・小見山佳典)
【出演者】
三田佳子 竹中直人 篠田三郎 冠野智美
【作】
竹山洋
【音楽】
小六禮次郎
【あらすじ】
8月15日。それは戦争が終わった日ではなく、自分の存在が決められた日だった。終戦の日に、ヨシ子(三田佳子)は、海軍上等兵の国木新一(篠田三郎)にトマト畑で求婚され、結婚した。だが、その結婚は長くは続かなかった。新一の不倫相手が妊娠し、二人の結婚生活は破綻した。
それから70余年。春。桜が満開だった。母のヨシ子が別れた夫のお墓参りがしたいと言い出した。父の新一が亡くなって22年。一度も母は父の墓に手を合わせることはなかった。母は90歳。息子の私(竹中直人)は67だ。母親の車椅子を押しながら、母の記憶をたどる。人が生きる上で大切な“記憶と感情”。これは、ある記憶をめぐる母と息子の物語。