『シャドー81』 小山剛志さん

NHK
2023年3月31日 午後0:00 公開

演出の吉田です。

4月3日(月)から始まる青春アドベンチャー『シャドー81』。

まず放送開始が、よる9時30分、と変わります。どうぞご注意ください。

物語はベトナム戦争の時代、新型の戦闘機TX75Eがロサンゼルス空港を飛び立った旅客機PGA81便をハイジャック。原子力潜水艦との戦いあり、F-4ファントムとの戦いあり、原作を思い切りパワーアップしたアクションが全10回、炸裂(さくれつ)します。

主人公、グラント・フィールディングの敵役(かたきやく)国防総省大将、ローレンス・ハーモン役・小山剛志さんからメッセージをいただきました。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

【小山剛志さん メッセージ】

台本一式頂いた時、そこには演出の吉田さんからのメッセージも添えられておりました。

「ローレンス・ハーモンは完全に小山さんありきで本を作らせていただきました。」

役者としてこれほど意気に感じる言葉、他にございますでしょうか?

勿論どの現場も、自分が出来る事を一生懸命やるに決まっているのですが、吉田さんは役者のやる気をもう一段引き上げるのが本当に上手い。

グラント、そしてエンコ。この主役2人の敵役というべきローレンス・ハーモンという役。

声を張るシーンも結構多いのですが、今日一旦潰れてもいいやぐらいの気持ちで演じさせて頂きました。

多彩なキャスト陣とのカラミも面白く、特に業界の大先輩、ニクソン大統領役の銀河万丈先輩とのカラミのシーンはこれぞ役者の醍醐味と申しますか、演じててワクワク致しました。

そんな素敵な役者達、そして吉田さんを始めとしたスタッフ陣の努力の結晶、この「シャドー81」、存分にお楽しみください!

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

このドラマでは1972年10月28日8時15分にハイジャック事件が発生しますが、その日時には理由があります。

8時15分は、そう1945年8月6日。あの日を忘れることはできません。

そして、その10年前の1962年10月28日はキューバ危機の最終日でした。

ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設していることに端を発し、1962年10月16日から、米ソ間で核戦争寸前にまで達した13日間。

「もはや核戦争は避けられない。今なら勝てる!」と攻撃の急先鋒だったのは空軍参謀総長カーティス・ルメイ。そのルメイと対峙(たいじ)したのは国防長官ロバート・マクナマラでした。

第二次世界大戦中は、ルメイの部下であり、日本への無差別爆撃計画に抗しきれなかったマクナマラは、百万もの人命を奪ったことに苦しみ、その無念を晴らすかのように20年後のキューバ危機ではルメイの爆撃案を押しとどめ続けました。

そのお声に圧倒的存在感のある小山さんが演じたローレンス・ハーモン大将のイメージ・キャラクターは、まさしくルメイ。主人公グラント・フィールディング大尉は、マクナマラの意思を継ぎ、ベトナム戦争の早期終結を目指しますが、その前にハーモン大将が立ちはだかります。

しかし、ただルメイを演じるだけでは何も面白くない。このハーモン、小山さんの生き生きとしたお芝居の力で、戦争に狂った大将というだけではなく、この番組におけるコメディリリーフとしても全くオリジナルのキャラクターとなりました……愛すべきその「すっとこどっこい」ぶり、ぜひお楽しみください。

青春アドベンチャー「シャドー81」(全10回)

【NHK-FM】

4月 3日(月)よる9時30分~ 第1回「プレイボール」

4月 4日(火)よる9時30分~ 第2回「即時、停戦せよ!」

4月 5日(水)よる9時30分~ 第3回「誇りのために」

4月 6日(木)よる9時30分~ 第4回「季節外れのサンタクロース」

4月 7日(金)よる9時30分~ 第5回「原子力潜水艦、浮上せよ」

4月10日(月)よる9時30分~ 第6回「待ち伏せ」

4月11日(火)よる9時30分~ 第7回「サンタクロースの正体」

4月12日(水)よる9時30分~ 第8回「ファントム・アタック」

4月13日(木)よる9時30分~ 第9回「ドッグ・ファイト」

4月14日(金)よる9時30分~ 最終回「ラスト・ダンス」

【出演者】

落合モトキ 陰山泰 朝倉あき 小山剛志

銀河万丈 古河耕史 千葉雅子 山崎たくみ

朝倉伸二 政岡泰志 澤田育子 福森加織

児島功一 伊達暁 小坂幸乃

【原作】ルシアン・ネイハム

【脚色】三上幸四郎

【音楽】和田貴史

【軍事考証】菊池雅之

【スタッフ】

制作統括 : 藤井靖

技術 : 山田顕隆 浜川健治

音響効果 : 菅野秀典

時代考証 : 大森洋平

演出 : 吉田浩樹

【あらすじ】

ベトナム戦争末期1972年10月、ロサンゼルスからハワイに向かう旅客機PGA81便がハイジャックされた。犯人が乗るのは米空軍の最新鋭戦闘機TX75E。コールサインはシャドー81。だがその戦闘機は旅客機の死角に入り、決して正体を現さない。

ハイジャック犯の要求は、ベトナム戦争の即時停戦。地上ではシャドーの仲間がサンタクロースの扮装で銀行、宝飾店を襲撃し、ニクソン大統領はじめ政府、軍、FBIを翻弄、やがてサイレントマジョリティーであったはずの民衆が反戦への声を上げ始める……。

戦争停戦のため、シャドー81は原子力潜水艦、F4ファントムと死闘を繰り広げ、その先に意外な事実が浮かび上がる。

国家による戦争への痛烈な批判とともに息詰まるサスペンスが全10回展開される!