3週間お休み中の「青春アドベンチャー」、8月29日(月)から始まる新シリーズ『軽業師タチアナと大帝の娘』のキャスト全13名の皆さまからのメッセージを連日お届けしています。
※以下、物語の結末に触れることは避けるつもりですが、いわゆる「ネタバレ」を厳密に避けたい方は、ドラマ聴取後にお読み下さい。
今日お届けするのは、アンナ・レオポルドヴナ役の愛月ひかるさんからのメッセージです。
【愛月ひかるさん メッセージ】
今回、初めてオーディオドラマに挑戦させて頂きました!
宝塚卒業後初めてのお芝居。女役。自分にとって課題も多く素晴らしい共演者の皆様の足を引っ張らないかとドキドキしながら当日を迎えました。「声だけで伝える」初めての経験でしたがこんなにも表現には無限の可能性があるのかと改めてお芝居の楽しさを感じた時間でした。テスト収録から演出家の方のアドバイスを受けて、本録へ挑むあの緊張感と心が震えるお芝居が出来た時の胸の高鳴り。忘れられません。私が演じたアンナ・レオポルドヴナは物語でいうとラスボスだと演出家の藤井さんはおっしゃいました。宝塚時代ありとあらゆるラスボスを演じてきた私ですが女役では初挑戦です。並木陽さんの壮大な物語の中で彼女が何を見て何を感じたのかその生き様が皆さまに伝わったら嬉しいです。
ぜひオーディオドラマでしか味わえない想像の世界で物語をお楽しみください!!
『神々の土地』のラスプーチン役、『黒い瞳』のプガチョフ役。ロシアを舞台にした作品とのご縁が深く、宝塚歌劇の男役スターとして数多の名演技で勇名を馳せた愛月ひかるさん。
まずもって、声だけで女性役を演じることへの意欲を感じていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
アンナ・レオポルドヴナは、ロマノフ王朝の激動の渦中に生きた実在の人物。この作品においては、主人公タチアナの運命に大きく関わるという意味で物語の展開のキーパーソン、“ラスボス”的な存在と言って良いでしょう。
「権力」という魔物に翻弄されながらも果敢に向き合い真摯に生きようとする、品格にあふれた公女様。叔母である女帝アンナと権力者ビロン公爵の思惑によって孤独に育てられた彼女が内に秘めた静かな熱情を、愛月さんが繊細に体現して下さいました。
収録の際、脚本の台詞の裏の心情について意見を交わし、その微妙な綾を即座に次のテイクで声に乗せて下さったこと、そしてその手応えを愛月さんと分かち合えたことは感に堪えない喜びです。
アンナ・レオポルドヴナ役としては物語が少し進んでからのご登場になりますが、それ以前の回でも別人の兼ね役をお願いしています。どうか声のお芝居の第一声をお聴き逃しなく。
『軽業師タチアナと大帝の娘』キャストボイス、次回は渡辺大輔さんからのメッセージをお届けします。
『軽業師タチアナと大帝の娘』(全15回)
~陶酔に身を委ね、大地に渦巻く精霊たちの力を借りて跳べ!~
【NHK FM】
2022年8月29日(月)~9月2日(金)午後9時15分~午後9時30分(1-5回)
2022年9月5日(月)~9月9日(金)午後9時15分~午後9時30分(6-10回)
2022年9月12日(月)~9月16日(金)午後9時15分~午後9時30分(11-15回)
【出演者】
朝夏まなと 野々すみ花
藤岡正明 渡辺大輔 愛月ひかる 石川禅
上口耕平 栗原英雄 川口竜也 塩田朋子
桜咲彩花 廣田高志 大河原爽介
【作】
並木陽
【音楽】
日高哲英
【スタッフ】
演出:藤井靖
技術:浜川健治 林晃広
音響効果:今井裕 柴田なつみ 横山健太
【あらすじ】
18世紀ロシア。亡きピョートル大帝が西への窓を開き、新たな風を取り入れようと築いた都ペテルブルク。急速な西欧化の一方でロシアの伝統を蔑ろにした暴政に対する不満も燻っていた。そんな世相もどこ吹く風、黒革の仮面で顔を覆う軽業師タチアナの陽気な口上が響く。「紳士淑女の皆様、太陽の沈まぬ夏の夜のつれづれに、この一時はあらゆる憂いを忘れ、我らが妙技に酔いしれられませ!」
古い技を受け継ぐ芸能者スコモローフの末裔が、腐敗した権力者の気まぐれから思いがけない危機に陥り、人々との出会いを重ねながらシベリアと帝都を股にかけた冒険を繰り広げ、やがて陰謀渦巻くロマノフ朝の中枢に関わっていくグランドロマン。