2/6(月)から5回にわたって放送の青春アドベンチャー『マクロプロスの処方箋』、主演の大空ゆうひさんからのメッセージをご紹介します。
【大空ゆうひさん メッセージ】
NHKのオーディオドラマに初めて参加させて頂いたときに、プロデューサーさんと「いつか悪女をやりましょう!」とお話したことが今回実現しました 笑
エミリアはとても魅力的で謎の多い女性。
周囲の人たちを、翻弄しながらも惹きつけていく…。
そんな彼女の真実に迫りながら、人生の意味や芸術の意味を私自身も考えさせられました。
最後に彼女は何を思うのか、登場人物たちと一緒に謎をときながら聴いて頂ける素敵な作品になっていると思います。お楽しみに!
カレル・チャペックの戯曲『マクロプロスの処方箋』をオーディオドラマ化してお届けしようという企画は、今回の脚色の鈴木アツトさんの劇団で上演された、チャペックの評伝を題材にした舞台を拝見したことが直接のきっかけでした。
ただ、原作は舞台上演を前提とした戯曲で、そのまま演じても主題が伝わりにくいものになってしまいます。概ねの設定は変えずに音声ドラマとして現代のリスナーに届けるべくアダプテーションの形を探り、戯曲の翻訳をされた阿部賢一先生にもご教示をいただきながら、鈴木さんと脚本を仕上げていきました。
問題は果たしてエミリア・マルティという謎めいたヒロインの存在感を担っていただける演者さんがいるのだろうか、ということでした。どこか孤高で謎めいた影があり、やんちゃな悪戯心と知性も垣間見え、人生で何を経験してきたのか容易に想像がつかない、とびきりチャーミングな人物……。
何度考えても大空ゆうひさんの声が聴こえてきたので、それに導かれながら完成に至りました。
『マクロプロスの処方箋』、いよいよ2月6日(月)からの放送です。ぜひ音だけの世界でエミリア・マルティと出会って下さい。
『マクロプロスの処方箋』(全5回)
~エミリア・マルティ。あなたには何か秘密がある……!~
【NHK FM】
2023年2月6日(月)~2月10日(金)午後9時15分~午後9時30分(1-5回)
★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)
【出演者】
大空ゆうひ 音くり寿 鈴木壮麻
石橋徹郎 大久保祥太郎 林次樹
【原作】
カレル・チャペック
【訳】
阿部賢一
【脚色】
鈴木アツト
【音楽】
日高哲英
【スタッフ】
技術:林晃広
音響効果:野村知成
制作統括と演出:藤井靖
【あらすじ】
1922年プラハに現れ、人々を魅了するオペラ歌手エミリア・マルティ(大空ゆうひ)。エミリアに憧れ、自らも歌手を志すクリスティナ(音くり寿)は、ある100年に及ぶ裁判をきっかけに、彼女の秘められた過去に興味を持つが……。
もし死を克服して長命を可能にする不老不死の技術を手にすることができたとしたら、それは人間の存在に何を突きつけるのか? 『山椒魚戦争』など寓意的な想像力に富んだ作風で知られ、『ロボットRUR』ではロボットという概念を創唱したチェコの国民的作家カレル・チャペック(1890-1938)による先駆的な戯曲をベースに、劇作家・鈴木アツトによるオリジナル脚本でオーディオドラマ化。