『軽業師タチアナと大帝の娘』 野々すみ花さん

NHK
2022年8月22日 午後3:00 公開

来週8月29日(月)から始まる『軽業師タチアナと大帝の娘』、キャスト全13名の皆さまの声を連日お届けしていますが、いよいよ残すところお二方となりました。

【野々すみ花さん メッセージ】

私の身の回りには、画面から目に飛び込んでくる情報というものが、じっとしていても、何も考えなくても、滝のように流れ込んできます。

そんな中で、私にとってラジオというものは神経を集中させてくれますし、ぼーっとしていたら動かずに眠ってしまうような、心の中の繊細な感覚を奮い立たせてくれるのが、そう、このラジオドラマです。

リスナーとなって聴いている時はワクワクしますが、いざ自分が収録に臨むとなると、話が違います。とってもオソロシイです。声そのものに、自分のコンディションや積み重ねてきたもの、心の状態まで全て反映されてしまいますし、嘘がつけない状態です。

今回は時代も越えて、国も越えて、人の生死まで左右してしまうような責任ある立場の人物、しかも性格も全く違う、二人の女性の人生を体験させていただきました。

微細な声の調整や、音楽をゼロから創ってくださるプロの方々のお仕事も相まって、きっとみなさまに愉しんでいただける時間になると思います。ラジオドラマだからこそ体現できる世界。平日夜のお供になれば幸いです。

野々すみ花

朝夏まなとさんとの本格的な共演は十数年前、宝塚歌劇団花組の『黒蜥蜴』、『アデュー・マルセイユ』新人公演での相手役までさかのぼります。その後、それぞれに宙組に組替えされましたが、時期は重なっていません。

スタジオ収録初日の朝、再会された瞬間の悲鳴にも似た歓喜の声が耳に残っています。

青春アドベンチャー『帝冠の恋』のゾフィー役で初めてご一緒してから5年、もう幾度となく“オソロシイ”思いをしてもらっています。若い研鑽の時代に苦楽をともにされたお二方の関係には及ぶべくもありませんが、オーディオドラマを創る上で、勝手ながら野々すみ花さんには“同志”と呼ばせてもらいたくなるような信頼と尊敬の念を深めています。

ちょっとした声の色合いの変化、息づかいのひとつひとつに意識を行きわたらせつつも、決して説明的になることなく、あくまで生きた人間の言葉として役を体現しようと攻める姿勢。繊細さに裏打ちされた思い切りの良さ、どんな声が飛び出してくるかわからない大胆さに、毎回ゾクゾクさせられます。

野々すみ花さんが演じる18世紀ロシアに生きた二人の女性が、どう軽業師タチアナと関わってくるか。物語の展開とともに、どうぞご注目下さい。

『軽業師タチアナと大帝の娘』キャストボイス、いよいよ次回は朝夏まなとさんからのメッセージをお届けします。

『軽業師タチアナと大帝の娘』(全15回)

~陶酔に身を委ね、大地に渦巻く精霊たちの力を借りて跳べ!~

【NHK FM】

2022年8月29日(月)~9月2日(金)午後9時15分~午後9時30分(1-5回)

2022年9月5日(月)~9月9日(金)午後9時15分~午後9時30分(6-10回)

2022年9月12日(月)~9月16日(金)午後9時15分~午後9時30分(11-15回)

【出演者】

朝夏まなと 野々すみ花

藤岡正明 渡辺大輔 愛月ひかる 石川禅

上口耕平 栗原英雄 川口竜也 塩田朋子

桜咲彩花 廣田高志 大河原爽介

【作】

並木陽

【音楽】

日高哲英

【スタッフ】

演出:藤井靖

技術:浜川健治 林晃広

音響効果:今井裕 柴田なつみ 横山健太

【あらすじ】

18世紀ロシア。亡きピョートル大帝が西への窓を開き、新たな風を取り入れようと築いた都ペテルブルク。急速な西欧化の一方でロシアの伝統を蔑ろにした暴政に対する不満も燻っていた。そんな世相もどこ吹く風、黒革の仮面で顔を覆う軽業師タチアナの陽気な口上が響く。「紳士淑女の皆様、太陽の沈まぬ夏の夜のつれづれに、この一時はあらゆる憂いを忘れ、我らが妙技に酔いしれられませ!」

古い技を受け継ぐ芸能者スコモローフの末裔が、腐敗した権力者の気まぐれから思いがけない危機に陥り、人々との出会いを重ねながらシベリアと帝都を股にかけた冒険を繰り広げ、やがて陰謀渦巻くロマノフ朝の中枢に関わっていくグランドロマン。