8月29日(月)からの青春アドベンチャー『軽業師タチアナと大帝の娘』、現在は音の作業の日々です。放送までのあいだ、キャスト全13名の皆さまからのメッセージを連日お届けしています。
今回は朝夏まなとさん演じる主人公タチアナがシベリアで出会う女祭司プラスコーヴィアと、ロシア帝国を統べる女帝アンナの二役を演じていただいた塩田朋子さんです。
【塩田朋子さん メッセージ】
「軽業師タチアナと大帝の娘」
んー、タイトルを見るだけで何だかワクワクしてきませんか?
しかも主演は朝夏まなとさん、お相手には野々すみ花さん、そして愛月ひかるさん、桜咲彩花さん。そしてミュージカルで大活躍の石川禅さん、藤岡正明さん、渡辺大輔さん、栗原英雄さん、川口竜也さん、上口耕平さん!
ね、ワクワクしないわけありませんね(笑)
私はタチアナが旅の途中に立ち寄る里の長老(女ですが笑)、そしてアンナ女帝(愛月さんの若い、アンナではありません笑)の二役。
共演は初めての方ばかりでしたが、緊張感のある、笑いの絶えない収録でとても楽しかったです。
きっと聴いて下さる皆様にもそのチームワークの良さがお分かりになると思いますよ。
18世紀のロシア。
女軽業師タチアナがビロン公爵の宴に呼ばれる所から物語は始まり、暴政に巻き込まれやがて王朝の中枢にまで関わってゆく…。
スピーディーな展開!個性的な登場人物!
是非映像を思い浮かべながらお聴き下さい!
メッセージで今回のドラマのタイトルに触れていただきました。
どこか古い素朴な民話のような題名、あるいはライトノベルのファンタジー架空歴史ものにありそうだな…と思われた方もいらっしゃるかもしれません。これまでの並木陽さんオリジナル作品の系譜と少し異なるテイストのタイトルですが、18世紀ロシアの実在人物も登場する時代ロマンです。
塩田朋子さんは舞台でもご活躍でいらっしゃいますが、その声を聴いたことがない人はいないのではないかと思われるくらい外国映画やドラマのアテレコの第一線で名立たる名優の吹き替えをなさっています。NHKオーディオドラマでも古今東西の設定を問わず、そしてナレーションも含めて、大いに頼りにさせていただいています。
物語の中盤から登場するアンナ・レオポルドヴナ(配役:愛月ひかるさん)の叔母に当たるのがアンナ女帝。史実に基づいた王朝ものでは、似た名前の人物が登場しやすく、たとえばハプスブルク家を描く時は、フランツとカールとヨーゼフだらけになったりしがちで悩ましいです。
腐敗したロマノフ宮廷を象徴するようなアンナ女帝と、思慮深く静かな佇まいの女祭司プラスコーヴィア……対照的な塩田朋子さんの二役、どうぞお楽しみに!
『軽業師タチアナと大帝の娘』キャストボイス、次回は川口竜也さんからのメッセージをお届けします。
『軽業師タチアナと大帝の娘』(全15回)
~陶酔に身を委ね、大地に渦巻く精霊たちの力を借りて跳べ!~
【NHK FM】
2022年8月29日(月)~9月2日(金)午後9時15分~午後9時30分(1-5回)
2022年9月5日(月)~9月9日(金)午後9時15分~午後9時30分(6-10回)
2022年9月12日(月)~9月16日(金)午後9時15分~午後9時30分(11-15回)
【出演者】
朝夏まなと 野々すみ花
藤岡正明 渡辺大輔 愛月ひかる 石川禅
上口耕平 栗原英雄 川口竜也 塩田朋子
桜咲彩花 廣田高志 大河原爽介
【作】
並木陽
【音楽】
日高哲英
【スタッフ】
演出:藤井靖
技術:浜川健治 林晃広
音響効果:今井裕 柴田なつみ 横山健太
【あらすじ】
18世紀ロシア。亡きピョートル大帝が西への窓を開き、新たな風を取り入れようと築いた都ペテルブルク。急速な西欧化の一方でロシアの伝統を蔑ろにした暴政に対する不満も燻っていた。そんな世相もどこ吹く風、黒革の仮面で顔を覆う軽業師タチアナの陽気な口上が響く。「紳士淑女の皆様、太陽の沈まぬ夏の夜のつれづれに、この一時はあらゆる憂いを忘れ、我らが妙技に酔いしれられませ!」
古い技を受け継ぐ芸能者スコモローフの末裔が、腐敗した権力者の気まぐれから思いがけない危機に陥り、人々との出会いを重ねながらシベリアと帝都を股にかけた冒険を繰り広げ、やがて陰謀渦巻くロマノフ朝の中枢に関わっていくグランドロマン。