いよいよ来週明け6/20(月)から10回にわたって放送の青春アドベンチャー『黒い瞳のボヘミアン』、主演の華優希さんからのメッセージをお届けします。
【華優希さん】メッセージ
今回、初めてオーディオドラマに挑戦させて頂きました。
"この瞬間を声だけで伝える"という難しさに自分の中で多くの課題を感じながらも、オーディオドラマにしかない、映像や実体がないからこそ、どこまでも無限に広がる世界に心の底からわくわくしました!!
そして、海宝直人さん始め、素晴らしい共演者の皆様から多くのことを学ばせて頂き、皆様と心を交わしてお芝居をさせて頂けた時間が夢のようで、心から幸せに思います。
19世紀末パリ。夢やロマン、信念に溢れ、その一方でまた多様な差別が普遍的に溢れる時代。それぞれの立場の人々が自分の生きる希望を見出して、歩んでいく、山谷典子さんの描かれる素敵な物語の中で、ローズが出会っていくもの、見つけた光、皆様にも一緒に体感して頂ければと思います。
関向弥生さんの音楽や、様々な音がどんな相乗効果となって作品が出来上がるのか、私自身とても楽しみです!
素晴らしい世界に出会わせて下さった演出の藤井さん、スタッフの皆様に感謝致します。
ありがとうございました。
華やかな舞台でスポットライトを浴びてトップ男役とともに組を率いるトップ娘役として、ある面では苛烈とも言える宝塚歌劇の世界を駆け抜けた華優希さんに、今回の主人公ローズを託させてもらいました。
ちょうど2021年5月、本拠地・宝塚大劇場での上演がストップし、大切な千秋楽が配信のみの無観客上演になってしまってから1年。ひとつひとつの場面、台詞に心を動かし、共演者の皆さんと心の受け渡しを重ねながら、ローズ役に命を吹き込んでいく華優希さんとご一緒できたことは大きな歓びです。
上の写真のように、いつもは穏やかで柔らかい雰囲気の華さんですが、演技に入った時の、どこか獰猛なネコ科の動物でも潜んでいるような瞳が印象的です。インタビューなど拝見すると、ずっとご自身に課した高いハードルに挑み、乗り越え続けてきた、求道的とも言える強さに気圧されそうになります。
また、よく「人の目を見ることを心がけている」というお話をされていたのもあって、今回の収録でも、声だけのお芝居を録る現場だからこそ、アイコンタクトによる意思疎通を心がけました。
19世紀末パリの街角に生まれた出会いを描く『黒い瞳のボヘミアン』、耳を傾けていただければ幸いです。
『黒い瞳のボヘミアン』(全10回)
~まなざしが、世界を止める。あたしを向こう側へ解き放つ。~
【NHK FM】
2022年6月20日(月)~6月24日(金)午後9時15分~午後9時30分(1-5回)
2022年6月27日(月)~7月1日(金)午後9時15分~午後9時30分(6-10回)
【出演者】
華優希 海宝直人 海宝直人 桜咲彩花
sara林次樹 村井成仁 大滝寛
皆本麻帆 鍛治直人 金沢映実
井手柚花 安藤紬
【作】
山谷典子
【音楽】
関向弥生
【スタッフ】
技術:今井雄基 林晃広
音響効果:野村知成 新井未央
制作統括と演出:藤井靖
【あらすじ】
舞台は19世紀末のパリ、“ボヘミアン”と呼ばれる貧しい芸術家たちが集うキャバレー・パピヨンルージュ。安酒と絵の具の臭いと欲望にまみれた街。倦怠、退廃、新しい芸術の息吹が混然一体となって毎夜ばか騒ぎが繰り広げられる。新入りの踊り子ローズ(華優希)は、男たちの視線を浴びて激しく踊ることで、たった一人の最愛の妹を貧しさと病気で喪った過去を胸に押し込め、虚しさをやり過ごしている。以前は空中ブランコのスリルで紛らわせていたが、落下事故が元でサーカスを辞め、この店に来た。そんなローズのモノクロームの世界が、日本人青年カズタカ(海宝直人)の出現によって大きく動き出し、鮮烈な色彩を帯びていく……。