2/6(月)から5回にわたって放送の青春アドベンチャー『マクロプロスの処方箋』、今日は石橋徹郎さんからのメッセージをご紹介します。
【石橋徹郎さん メッセージ】
最近あらためて考えるのは、イメージをいかにしてより豊かに広げられるか、そしてそれをどれだけ楽しむことができるかということです。シェイクスピア作品なども俳優が宇宙のような長〜いセリフを語りますが、舞台美術などがあまり具体的だとその世界を狭めてしまうことがありますよね。その点、オーディオドラマはかなり自由な世界に入り込むことができます。それは作り手にとっても演じ手にとっても同じです。独特な楽しみがあります。今回の作品もとても面白い人間ドラマがあります。その時その人たちはどんな目をしているのか、相手に対してどのような姿勢でいるのか、自由に想いを巡らせてもらえたらと思います。
イメージを豊かにすることが作品を楽しむことにも、もしかしたら思いやりや平和にもつながることがあれば。
青春アドベンチャーには、2021年夏の『1848』以来のご出演になります。その時いただいたメッセージも実に味わい深いエッセイの趣がありました。
石橋徹郎さんにおいでいただいての収録現場は、いつも独特のグルーブ感に満たされます。
「イメージをいかにしてより豊かに広げられるか、そしてそれをどれだけ楽しむことができるか」、とお書きになっているとおり、いつも慌ただしく進む収録の中でも、脚本が持つ可能性を最大限に押し広げようと想像力のファイティングポーズを崩さないのが石橋流なのです。
そんな石橋徹郎さんが演じるアルベルト・グレゴルは、生きること楽しむことへの意欲にあふれた男。大空ゆうひさん演じるオペラ歌手エミリア・マルティの出現で大きく運命を変えられていきます。
『マクロプロスの処方箋』キャストボイス、次回は鈴木壮麻さんのメッセージをお届けします。
『マクロプロスの処方箋』(全5回)
~エミリア・マルティ。あなたには何か秘密がある……!~
【NHK FM】
2023年2月6日(月)~2月10日(金)午後9時15分~午後9時30分(1-5回)
【出演者】
大空ゆうひ 音くり寿 鈴木壮麻
石橋徹郎 大久保祥太郎 林次樹
【原作】
カレル・チャペック
【訳】
阿部賢一
【脚色】
鈴木アツト
【音楽】
日高哲英
【スタッフ】
技術:林晃広
音響効果:野村知成
制作統括と演出:藤井靖
【あらすじ】
1922年プラハに現れ、人々を魅了するオペラ歌手エミリア・マルティ(大空ゆうひ)。エミリアに憧れ、自らも歌手を志すクリスティナ(音くり寿)は、ある100年に及ぶ裁判をきっかけに、彼女の秘められた過去に興味を持つが……。
もし死を克服して長命を可能にする不老不死の技術を手にすることができたとしたら、それは人間の存在に何を突きつけるのか? 『山椒魚戦争』など寓意的な想像力に富んだ作風で知られ、『ロボットRUR』ではロボットという概念を創唱したチェコの国民的作家カレル・チャペック(1890-1938)による先駆的な戯曲をベースに、劇作家・鈴木アツトによるオリジナル脚本でオーディオドラマ化。