『昼も夜も彷徨え』渡辺大輔さん

NHK
2023年2月20日 午後5:30 公開

3/6(月)から二週にわたって放送の『昼も夜も彷徨え』、出演者の皆さんのメッセージをご紹介しています。

主人公モーセ役の成河さん、ヒロインのライラ役の咲妃みゆさん、モーセの弟ダビデ役の入野自由さんに続いて、エジプトの書記官ファーディル役の渡辺大輔さんのコメントをお届けします。

【渡辺大輔さん】メッセージ

オーディオドラマ『昼も夜も彷徨え』に出演させていただきました渡辺大輔です。

まだ2回目の参加ですが、毎回感じる緊張感と高揚感は拭えません。笑

そして、今回も素晴らしいキャストの皆様とスタッフの皆様と少ない日数の中で素敵なドラマが収録できたと感じました。

魂と魂のぶつかり合いといいますか、、初のセッションが本番収録になるところも魅力ですし、その緊張感がいいドラマを生むのかもしれません。

『昼も夜も彷徨え』では、エジプトの有能な行政官であり腐敗した王朝を鼻で笑いつつ国家の未来を諦観しているファーディルという人物を演じさせていただきました!

前回同様、スタジオへ行き収録が始まるまで悩んでいる役作り。

落ちついている人物なのか、

心の広い人物なのか、

それとも力強い人物なのか、、、

大抵は口調でその人物の"人となり"が、なんとなーくわかりますよね?

王朝を鼻で笑いつつ未来を諦観している人…。

ちょっと大人で落ち着いている人、、?

頭がキレて少し嫌味な人、、?

いや、王朝を変えようと野心をもつ人、、、

とまあ、色々な人を想像しますが、、

演出家さんとのやりとりの中で役柄の悩みは解消され、楽しくドキドキしながら収録できました!

今作品も色々な方と収録させて頂きましたが、

特に成河さん演じるモーセとの熱の入ったやりとりにも注目して見ていただけたら幸いです。

そして!お久しぶりの共演となりました、

咲妃みゆちゃんと入野自由!Wみゆ!!笑

素敵で実力あるお二人の劇中のやりとりも、

なんというか、、はい、もう色々と心動かされました!

詳しく話せないのでもどかしいですが、

このお二人とさらにモーセを加えた三人の関係性や、それを取り巻く様々な人物に注目しつつ放送日を楽しみにお待ち頂ければと思います!


原作小説『昼も夜も彷徨え -マイモニデス物語-』をお読みになった方には同意いただけることと思いますが、ファーディルは極めて印象的な登場人物です。メッセージで渡辺大輔さんもお書きになっているとおり、いろいろな方向性の役作りが考え得る、複雑な奥行きを備えているところが魅力的です。

ちょっと腹の底が見えにくいところもありつつ、でも人一倍熱いものを持っているデキる男。感情が高ぶると「エジプト方言」でまくし立てるのですが、そこは気風のいい江戸っ子風べらんめぇ口調で表現されます。終盤には主人公モーセとの長いシーンもあり、まちがいなく物語を担う大事な役……。

ファーディルを渡辺大輔さんに演じていただけると決まったとき、文字どおり小躍りしました。

「青春アドベンチャー」には昨夏の『軽業師タチアナと大帝の娘』に続いて2度目のご出演。

前回はコサックの頭目イラリオンの他、いくつかの兼ね役を演じていただきましたが、今回も第1話の冒頭で別の役をお願いしています。ファーディルの登場は物語が少し進んでからになりますが、渡辺大輔さんのファンの皆さま、どうぞ楽しみになさっていて下さい。

『昼も夜も彷徨え』(全10回)

~僕はいつも、兄さんを守れるのは僕だけだって思ってた。~ 

【NHK FM】

2023年3月6日(月)~3月10日(金) 午後9時15分~午後9時30分(1-5回)

2023年3月13日(月)~3月17日(金) 午後9時15分~午後9時30分(6-10回)

★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)

【出演者】

成河 咲妃みゆ 入野自由 渡辺大輔

川口覚 土井ケイト 塩田朋子 清水明彦

今泉舞 大滝寛 外山誠二 粟野史浩

福長里恩 野地祐翔

【原作】

中村小夜(『昼も夜も彷徨え -マイモニデス物語-』)

【脚色】

並木陽

【音楽】

関向弥生

【スタッフ】

技術:大塚茂夫

音響効果:太田岳二 横山健太

制作統括と演出:藤井靖

【あらすじ】

時は12世紀半ば、十字軍の時代。北アフリカ、マグリブ地方では異教徒にイスラーム教への改宗を強要するムワッヒド朝の下、ユダヤ教徒たちが息を詰めて暮らしていた。高名なラビの息子である若き学者モーセ(成河)は、医学や様々な学問に興味を持ち、父や妹たちを呆れさせているが、弟ダビデ(入野自由)は兄を深く理解し、彼が学問に専心できるよう心を砕いていた。心の拠りどころとなるはずの宗教が弱い立場の者を抑圧する矛盾に、強い意志と知の力で闘いを挑むモーセが放つ言葉は、やがて地中海を超え一人の傷ついた少女ライラ(咲妃みゆ)のもとに届き……。中世の精神史に大きな足跡を刻んだ学者の精神の彷徨を想像力豊かに描く。