『ラングドックの薔薇』 川口竜也さん

NHK 写真@染谷洸太
2023年6月8日 午後5:00 公開

6/19(月)から2週にわたって放送の『ラングドックの薔薇』、出演者の皆さんからのメッセージをお届けしています。

【川口竜也さん】メッセージ

大好きな声の仕事、大好きなラジオドラマ、大好きな青春アドベンチャー‼️

『軽業師タチアナと大帝の娘』でもやらせていただきましたが、並木先生の脚本は今回も面白く、その時代の歴史を調べるだけでも大変勉強になりました‼️

ほぼ一回だけ読んで録る一発勝負の緊張感たるや‼️

誇張とリアルの狭間、自分が作ってきた役作りをどこまで声だけで表現出来るのか⁉️

そんな所を演出の藤井さんと話しながら楽しくやらせていただきました。

特に今回は久しぶりの海宝君との場面があり、その場での即興のような絡みを堪能出来ました。

そこをぜひ楽しみに聞いていただけたら嬉しいです‼️


中世の南フランスが舞台となる今回の物語。川口竜也さんに演じていただくのは、北からラングドック地方に進駐してきて軍功を上げ、王から広大な所領を任されて権力を恣にする代官シャルル。主人公の敵役というか、そのものずばり悪役です。残忍な支配者としての恐ろしさの中に、どこか憎み切れない可笑しみや悲哀も漂う人間臭い悪役は、川口さんの真骨頂と申し上げて良いでしょう。

実は今回、収録の日程的には、ちょうどミュージカル『ジキル&ハイド』で真彩希帆さん、佐藤誓さん、栗原英雄さん、塩田朋子さんといった、NHKオーディオドラマでもお馴染みの皆さまと共演の最中ということで、到底ご出演は叶わないと思っていたのですが、地方公演のわずかな間隙を縫って、一日だけスケジュールをいただくことができました。

シャルルが欲望と野心に燃えて独白の長台詞の最後に笑う場面が何度かあり、もし大きな劇場であれば間違いなく、ピンスポットを浴びながら客席が振動するほどの高らかな重低音で空間を支配するようなシーンなのですが、オーディオドラマでは逆に、胸の内に深く響くような抑えた表現で、シャルルの心情を色濃くマイクに乗せて下さいました。

『ラングドックの薔薇』キャストボイス、次回は桜咲彩花さんからのメッセージをお届けいたします。

『ラングドックの薔薇』(全10回)

~俺にはとっくに、騎士を名乗る資格などない。~

【NHK FM】

2023年6月19日(月)~6月23日(金) 午後9時30分~午後9時45分(1-5回)

2023年6月26日(月)~6月30日(金) 午後9時30分~午後9時45分(6-10回)

★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)

【出演者】

海宝直人 廣瀬友祐 坂本真綾 彩乃かなみ

音くり寿 石川禅 今井朋彦 川口竜也

桜咲彩花 廣田高志 秋山エリサ 木下祐子

【作】

並木陽

【音楽】

日高哲英

【スタッフ】

技術:大塚茂夫

音響効果:菅野秀典

制作統括と演出:藤井靖

【あらすじ】

地中海と大西洋に挟まれピレネーの山並みを望む南フランス、ラングドック地方。長きにわたりフランス国王の支配の外で独自の文化と繁栄を誇ってきたが、その豊かな領土を欲した国王による「異端」討伐を名目とした軍勢によって、諸侯は屈服させられていた。

戦いが止んで数年を経た1237年。没落貴族の子弟ペイレ(海宝直人)と幼なじみのギレム(廣瀬友祐)は、“ラングドックの薔薇”と謳われる地方領主マルケジア(坂本真綾)が催す宴席で再会。二人して思いがけない危険な旅に巻き込まれる羽目になる……。

時代の変化に呑まれゆく土地で育った“その後の世代”の若者たちが、迷いながらも自分の道を見つけ出していく姿を描く時代ロマン。