6/19(月)から2週にわたって放送の『ラングドックの薔薇』、出演者の皆さんからのメッセージをお届けしています。
【秋山エリサさん】メッセージ
並木陽さんの描かれたこの物語は、広大で自然豊かな情景から、華やかな社交界へと誘われ、気持ちよくワインに舌鼓をうっていたのも束の間、どんどんと個人の内面深くへ導かれ、他人ごとではない気がして、読み手の私自身が樽の中で熟成されていくような気分になるほど心揺さぶられるものでした。
以前参加した『また、桜の国で』を思い出したりもしました。これからの生き方を模索しながらも懸命に今を生き抜こうとする若者たちに涙しました。
今回も頂いた役を通して、より深く作品を咀嚼し感じ入ることができ、幸せに思います。
収録現場では終始和やかで、休憩時間は、先輩方から過去~現在公演中のミュージカルや稽古の様子を伺ったりしながら過ごしました。あぁ、最高!
日高哲英さんの音楽も入った今作の完成をとても心待ちにしています。
この物語で生きる主人公たちのさらにその先も気になっちゃう! 聴き終わったあとの想像の世界まで一緒に楽しみ尽くしましょう♪
主人公ペイレと親友ギレムが思いがけない危険な旅をする中で出会う女性、ユゲット役を演じてもらいました。人情味に厚くエネルギーにあふれたユゲットを、さてどなたにお願いしたものかと思案している時、浮かび上がってきたのが秋山エリサさんの声でした。
ミュージカルを中心に幅広い舞台でご活躍、たしか最初に拝見したのは別役実さんが『星の王子さま』から着想を得て創られた『夜と星と風の物語』という舞台。その後、何度もオーディオドラマにご参加いただいています。
とにかくお芝居や創作への情熱の塊のようなお人柄が、このメッセージの文面からもご想像いただけることと思います。ユゲットは物語の中盤のご登場になりますが、第1話ではペイレに思いを寄せる令嬢サンシアを演じていただいていますのでご注目下さい。
『ラングドックの薔薇』キャストボイス、次回は木下祐子さんからのメッセージをお届けいたします。
『ラングドックの薔薇』(全10回)
~俺にはとっくに、騎士を名乗る資格などない。~
【NHK FM】
2023年6月19日(月)~6月23日(金) 午後9時30分~午後9時45分(1-5回)
2023年6月26日(月)~6月30日(金) 午後9時30分~午後9時45分(6-10回)
★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)
【出演者】
海宝直人 廣瀬友祐 坂本真綾 彩乃かなみ
音くり寿 石川禅 今井朋彦 川口竜也
桜咲彩花 廣田高志 秋山エリサ 木下祐子
【作】
並木陽
【音楽】
日高哲英
【スタッフ】
技術:大塚茂夫
音響効果:菅野秀典
制作統括と演出:藤井靖
【あらすじ】
地中海と大西洋に挟まれピレネーの山並みを望む南フランス、ラングドック地方。長きにわたりフランス国王の支配の外で独自の文化と繁栄を誇ってきたが、その豊かな領土を欲した国王による「異端」討伐を名目とした軍勢によって、諸侯は屈服させられていた。
戦いが止んで数年を経た1237年。没落貴族の子弟ペイレ(海宝直人)と幼なじみのギレム(廣瀬友祐)は、“ラングドックの薔薇”と謳われる地方領主マルケジア(坂本真綾)が催す宴席で再会。二人して思いがけない危険な旅に巻き込まれる羽目になる……。
時代の変化に呑まれゆく土地で育った“その後の世代”の若者たちが、迷いながらも自分の道を見つけ出していく姿を描く時代ロマン。