5/23(月)から2週にわたって放送の『青髭公の五番目の花嫁』、真彩希帆さん演じる主人公リリアナの父親ジャン・フロレスク役の鈴木壮麻さんからのメッセージをお届けします。
【鈴木壮麻さん】メッセージ
この度僕は、豊かな自然に恵まれた国モルダヴィアで診療所を営む医師として、この物語に参加させて頂きます。種々の薬草や蜂蜜等を的確に用いて人々の健康に寄与することが僕の役目。更に、愛する娘リリアナが心を尽くして医療の仕事を手伝ってくれるのですから、父親冥利に尽きると言うものです。そして、多分、診療所内に響くリリアナの美しく清らかな声、それこそが一番の特効薬なのかもと…。モルダヴィアの人々の暮らしぶりをハーブの香りとともにお届け出来ればと思っております。
声と音だけを頼りに登場人物の一挙手一投足を体感するスリルに満ちた現場であり、番組。それがこのオーディオドラマ!喜怒哀楽を細やかに描写して丁寧に物語を紡いで行く真彩希帆さんの清らかな声、どこか憂いを帯びた奥行きのある加藤和樹さんの声をはじめ、様々な魅力溢れる声に誘われ、17世紀のモルダヴィアを是非、ご堪能ください!
今回の物語は、作者の吉田小夏さんが、青髭公の物語や吸血鬼をめぐる伝説から着想したオリジナル作品。舞台となる地域のモデルとして、東欧のトランシルヴァニア、現在のルーマニアのマラムレシュ地方、モルダヴィア(モルドバ)付近の風土をイメージしています。歴史上さまざまな勢力が交錯を繰り返し、幾度となく凄惨な痛ましい出来事が起こってきた土地です。
そんな村に住む人々を癒す診療所を営むのが、鈴木壮麻さん演じるジャン・フロレスク。その穏やかで深い声によって安心感を与えるお医者さんです。
診療所の場面は収録の中でも心なごむ時間でした。収録終了後、鈴木壮麻さんと真彩希帆さんが“父娘の別れ”を惜しむ微笑ましい姿には、胸にせまる感慨がありました。
ここ数日で音の仕上げの作業を進めているのですが、キャストの皆さまの声のお芝居と日高哲英さんの音楽と効果音の組み合わせで、だんだんこの架空の村や青髭公の城に身を置いているような感覚が高まっています。この体感をリスナーの皆さまと共有できる日が楽しみでなりません。
『青髭公の五番目の花嫁』キャストボイス、次回は香寿たつきさんからの声をお届けいたします。
『青髭公の五番目の花嫁』(全10回)
~命とひきかえに、どんな約束でも守ると誓えるか?~
【NHK FM】
5月23日(月)~27日(金)、5月30日(月)~6月3日(金)
21時15分~21時30分
【出演者】
真彩希帆 加藤和樹 香寿たつき 鈴木壮麻
伊礼彼方 桜一花 大久保祥太郎
末次美沙緒 原康義 上野黎也 sara
丸山厚人 大河原爽介
【作】
吉田小夏
【音楽】
日高哲英
【スタッフ】
技術:林晃広
音響効果:澁谷花奈 金本美雨
制作統括と演出:藤井靖
【あらすじ】
この土地には、青髭公の噂を知らない者はいない。深い森に囲まれた城に住む青髭公は、過去に4人の妻を娶ったが、女たちは次々に死んだ。噂では、この土地に古くからある風土病で死んだとか、あるいは青髭公の一族の先祖は吸血鬼で、妻たちが死んだのはそのせいだとか……。
その隣国の町外れで、診療所を営む父を手伝っているリリアナ(真彩希帆)は、ある日、幼い義弟とともに国境の川にかかる橋を渡り、深い森に彷徨い込む。そこで狩りに訪れていた男と出会う。その男こそ、青髭公と呼ばれる領主、ガデル・マグダヌール公爵(加藤和樹)だった。
数々の芸術作品のモチーフとなってきた青髭伝説の新たな扉を開く現代のゴシック・ロマン。