新型コロナ 市民と専門家の緊急対話(前編)

NHK
2021年9月22日 午後3:37 公開

(2021年9月19日の放送内容を基にしています)

日本で新型コロナウイルスの感染者が確認されてから1年8か月。今、日本のコロナ対策は、新たな局面を迎えています。国民の半数が2回目のワクチン接種を終える中、行動制限緩和の議論がスタート。一方で、デルタ株などの出現で、いつ収束に向かうのか先行きは見通せません。今回、1000人規模の緊急アンケートを実施。長引くコロナ禍にどう向き合っていくのか。市民と専門家が本音で語り合いました。参加したのは、新型コロナの後遺症患者や飲食店の経営者など9人。その声を受け止めるのは、感染症や経済などを専門とする政府の分科会のメンバー。3時間に及んだ緊急対話。未来への道筋を探ります。

<いつまで続く?“狙い撃ち”はなぜ? コロナ対策への疑問ぶつけます>

鎌倉千秋アナウンサー「新型コロナ 市民と専門家の緊急対話。皆さん徹底的にいろいろな思いをぶつけ合っていただければと思います。市民の皆さん、いちばん、専門家の4人の方々に聞きたいこと、あるいはぶつけたい思いとは、何でしょうか?」

中村 聡さん(沖縄でホテル経営)「われわれはコロナ禍で給料がどんどん減っています。従業員も給料が減っています。公務員、偉い先生方、たぶん給料変わっていないでしょう。この差が、判断、危機感に差が出てきているのも事実だと思います。出口が全く見えない状態が続いています」

藤本真帆さん(大阪でこども食堂運営)「今、子供たちはいろいろな行動制限がかかっていて、それこそ職業体験できていない、体育祭、文化祭もできなくなっている中で、子供たちとコロナについていろいろと伺いたいと思っております」

橋本(仮名)さん(コロナ後遺症で通院中)「私はコロナに感染して軽症だったのに後遺症の方がひどくなって、会社も退職することになって先行きが全く見えない。『感染を抑えるために自粛してください』とか『ロックダウンになります』というときには、受け入れるという気持ちはありますが、そのためには発信力が足りないというのはあると思います」

政府分科会 委員 小林慶一郎さん(マクロ経済学が専門)「先が見えないというのが皆さんに共通しているストレスというか、問題だと思います。これから話題にもなると思いますけれども、これから先、数か月あるいは1年、どうなっていくのかということについて、われわれ分科会の中、あるいは専門家、経済の専門家も将来のシミュレーションなどをやっていますので、そういう情報をしっかり市民の皆さんと共有していかなくてはいけないということを感じました」

佐々木チワワさん(歌舞伎町に詳しい大学生ライター)「私は大学生という若者としての当事者と、歌舞伎町の研究をしていて、そこで働いている方々に話を伺う機会が多いんですが、当事者たちの気持ちは『すごくスケープゴート(身代わり)にされている』という部分があったと思うんです。満員電車と人数は同じくらいなのに、夜の時間帯でなぜコロナが区切られるのかという不満や、どうして『夜の街』が普通の街よりも危険だと考えているのか伺いたいと思います」

山下春幸さん(飲食店を経営)「今年に入ってまともに営業できたのが22~23日。東京では1週間ほどしか営業ができていないです。僕たちとしては、仕事をしたいのに仕事ができない。どうして飲食業をターゲットにして集中的に策を講じられるのか伺いたいと思います」

政府分科会 会長 尾身 茂さん「われわれのいろいろな疫学情報を見ると(当初は)飲食の場を中心に、飲食を介して感染が広がったというのは間違いなくあるんです。ところが、(人々が感じているのは)それ以外のほかの職場だとか、家庭だとか、いろいろなところに感染が広がっているのに、『なぜ飲食店だけが』という不満だと思うんです。やはりこれからは、ありとあらゆるところに感染が広がっているので、人々の行動も少しは協力してもらうのだけど、それ以外の検査だとか、ワクチンだとか、飲食店における感染対策を取り組む店が報われるように、これから出口をどうするかというコンセンサスを作っていったらいいと思います」

<「ワクチンパスポート」日本でも? 社会活動どう再開させる?>

国民の半数が2回目のワクチン接種を終える一方で、デルタ株の脅威が続く日本。社会活動をどう再開させていけばいいのか。先行するアメリカでは、ワクチンの接種証明書、いわゆる「ワクチンパスポート」の活用が進んでいます。劇場や飲食店などにチェックを義務付けています。違反した事業者には、11万円から55万円の罰金が課せられます。

同じような考え方で、日本で導入が検討されているのが「ワクチン・検査パッケージ」です。「ワクチンの2回接種」や「PCR検査などでの陰性」が確認された人について、制限を緩和するというものです。

この仕組みでは、例えば、「医療機関などでの面会」「県境を越える出張や旅行」などの制限が緩和できるとしています。一方で、「大人数での会食」や「冠婚葬祭の後の宴会」などについては検討が必要だとしています。

鎌倉アナウンサー「今回、SNSを通じて全国15歳から69歳の男女1200人にアンケート調査を行っています」

科学文化部 藤原淳登デスク(医療取材が専門)「国内のサービス利用時などに、いわゆる『ワクチンパスポート』を提示する仕組みが導入されるとしたら、どう思いますかという質問をしてみました。その結果、『導入したほうがよい』という人は49.2%。『どちらとも言えない』という人が41.4%。そして『導入しないほうがよい』という人が9.4%という結果になりました」

政府分科会 委員 小林さん「この『ワクチン・検査パッケージ』の使い方は、市民の皆さんの側からアイデアをもらって、政府にすぐに実験しましょうというようなことを提案できるといいのではないかというふうに思っています」

山下さん(飲食店を経営)「業界と先生方が考えていること、ずれがありまして、例えば、ワクチン・検査パッケージに関して、業界団体としては猛反対しています。なぜかというと、年配の方はワクチン普及率が高いですが、若者は全然進んでいない。そうすると、それを導入することで、若者の行くお店はお客さんが入らなくなるということで、業界分断がいま強く起こっていて、業界としては現時点では90%以上反対です」

政府分科会 委員 武藤香織さん(感染症と社会の関係を研究)「店舗の経営者の方々にとっては、これは新しい制約もしくはトラブルの元になるような側面もあるのではないかと私は危惧しています。まずどういう場所だったら皆さんが満足して導入できるのかという場所探しを一生懸命みんなで考えていくというのが、とても大事なことだというふうに思いました」

佐々木 淳さん(医師 自宅療養に対応)「私はワクチン接種完了した方、PCR検査で陰性だった方は、飲食・旅行に対する制限を外してもいいと思いますし、逆に推奨してもいいんじゃないかと思っています。その思いは何かというと、私、このコロナ禍で400人ぐらいのコロナの患者さんを診てきましたけど、重症化する人でワクチンを打っている人は、ほとんどいないです。感染をゼロにすることは難しいかもしれないけれども、重症化しなければ医療に対する負担は、そんなに大きくはないはずだと思うので、であれば、『感染ゼロ』ではなくて『重症者ゼロ』を目指す。その中でであれば、もしかすると経済と両立できるのではないかなと思っています。『ワクチンを打てない』と言っている人たちの中には、『実際には打てるけど打ちたくない』とか『打つふんぎりがつかない』という人もかなりたくさんいるのではないかと思うので、そういう人たちがワクチン接種を真剣に考えるきっかけになるのではないかと思っています」

中村さん(沖縄でホテル経営)「沖縄県では、今こういうものを出しています。これはワクチン接種をされた方とPCR検査陰性の方に無償で提供しています。これを(手首に)はめることによって、ホテルで特典を付与したり、飲食店でビールをプレゼントしたり、そういった形の中で、若い人たちにワクチンを接種して、もしくは陰性を証明した中で、『沖縄にお越しください』ということでやっておりまして。行政で動かないから、われわれの方も独自で動き始めているんですけれども、いろいろな手法があると思います」

政府分科会 委員 小林さん「実は私も同じようなことを考えています。いろいろ差別の問題が起きないように注意はしなければいけないんですね。しかし、経済を回しながら医療のひっ迫も避けるというためには、現状ではワクチンの接種率アップしかゴールはない。今、普通に希望者だけワクチン接種すると、たぶん日本人の70%とか75%の人しかワクチンを打たないということになるんですけれども、ワクチンを打つか打たないか迷っている方で、医学的にワクチンが打てないというのではない人は、なるべくワクチンを打ちたくなるような政策を、政府がしっかり考えるべきだと思います」

加藤 梅造さん(都内でライブハウス経営)「音楽の方は、いろいろな海外の情報を調べていて、例えば、イギリスが7月19日に規制を全面解除したと。ナイトクラブとスタジアム、レストラン、カフェ、全部、全面解除のニュースを聞いて、なんでそういうことがイギリスとか、あるいはアメリカが、今週からブロードウェイを再開するとか、なぜ外国はこういうことをできるのかなというのを、日本でなぜできないんだろうとずっと考えています」

鎌倉アナウンサー「なぜ日本は遅いんでしょう?」

政府分科会 会長 尾身さん「まずは日本がまだワクチンの途上にあって、ただ、今かなりのスピードでイギリスなんかにもうすぐ届くと思います。実証実験のことは、日本でも、私は今、始めた方がいいと思います。それは政府にも申し上げて、実際にいくつかの大きなイベント会場とかで始まっていますので、ライブハウスというのは若い人にとっては非常に関心のあるところですから、そういうところも早めのうちに、全部いっぺんにやるんじゃなくて、実証をしたらいいんじゃないかと思います」

藤本さん(大阪でこども食堂運営)「私は基本的に子供たちと一緒にいることが多いんですけれども、そもそも12歳以下はワクチン接種ができないという中で、ワクチン・検査パッケージばかり進むよりは、子供たちの対策が、今後広がっていくのかも気にかかります」

藤原デスク「イギリスですとかイスラエル、アメリカなんかの状況というのが伝わってきますけれども、そういったところでは、この問題をどういうふうに扱ってるのかという情報はありますか」

政府分科会 委員 鈴木 基さん(感染動向を調査・分析)「例えばイギリスでは比較的早期の段階から子供を対象とした検査、それはPCRだけではなくて、抗原キットを使った検査を積極的に導入して、一つの社会実験という形で導入されてきたということは承知しています。クラスターの発生を予防するために検査を積極的に活用していきましょうという流れにはなってきていますけれども、新しい研究とかを積み重ねることで知見を得なくてはいけないということで、なかなか、まだまだ分かっていないことが多いというのが現状です」

中村さん(沖縄でホテル経営)「尾身会長も鈴木先生にも言いたいんですけど、『いったい何やってるんですか』という話だと思います。知見が出てきて、それをずっと検証して、そんな時間かけてて、経済ここまで落としてしまってる中で、どうやって復活させるんでしょうか。ウィズコロナという言葉がいつの間にか消えていって、コロナを撲滅しなきゃいけない感じになってきているんですけれども、そんな悠長なことを言っていられる状態なんでしょうか。日本では海外がやったあとに『考えてみましょう』っていう、こんな状態では、とても経済は救うことはできないと思います。ぜひともご検討いただきたいと思いますし、それに対しての、もし反論があるんだったらお伺いしたく思います」

政府分科会 会長 尾身さん「これは本当に、中村さんの気持ち、よく分かります。私たちは“ゼロコロナ”の発想は全くないです。残念だけどコロナはこの12月までにゼロにすることは絶対にできません。感染をゼロにすることを目的にすると破綻します。これは幻想ですから。ある程度医療のひっ迫がないようなレベルの感染は、許容しなくちゃいけない。そういう中で、いまワクチンもあり、抗体検査もあり、医療の強化もするということで、中村さんの言ったような旅行も少しずつできるようにして、経済へのダメージをなるべく少なくする方向にかじを取る時期にきて、そういうことを、いま政府に提言をしているところで」

<ワクチン接種できない人は? 検査は無料にできない?>

鎌倉アナウンサー「感染症と社会の関係を研究していらっしゃいます武藤さん、このワクチン・検査パッケージというものをこれからどう考えていくか、どんな視点が必要だと思いますか」

政府分科会 委員 武藤さん「逆側の影響も考えなければいけないと思います。それは、ワクチンを接種できない人、人にそれを示すことがなかなか難しいという立場の方もおられるので、一般的に差別や不利益を与えることはよくないというのが基本的な考え方です。どこまでの部分が、ワクチンを接種した方々にとってメリットがある形にしてもいいかという、すごくセンシティブな難しい議論を、私たちは勇気を持ってやっていかないといけないと思います」

鎌倉アナウンサー「そのあたり、ご意見いかがですか。大久保さん」

大久保 健一さん(脳性まひ 車いすで生活)「ワクチンを受けられない人には無料で検査が受けられることは担保してほしいと思います」

政府分科会 会長 尾身さん「大事なご指摘ありがとうございます。実は、分科会の方は、われわれは提案ですから最終決定は政府がしますけど、今、ワクチンを打てない人、あるいは打ちたくない人が不利益になるといけないから、打てない人は検査をやっていただきたいということだと思うんです。少なくともそういう公共というか、地域の感染防御というものの役割もあるので、最低一部は、国の税金が入るということ。全額ということが理想かもしれませんが、最低一部は『検査費用の負担』を考えてもらいたいということは国に申し上げたいと思っています」

大野 舞さん(先月までフランスで生活)「今の話につながるかもしれないんですけど、PCR検査とか抗原検査についてお伺いしたいんですが、私がいたフランスでは、近所の薬局で抗原検査なら誰でも無料で受けられるようになっていたんです。私も実際、例えばクリスマスに家族で集まりたいとなったときに、それぞれがPCR・抗原検査を受けて会う。そういったことで安心していろいろな人に会えるというようなことができていたんです。なので、日本でももっと気軽に無料でできるようになればいいのにと思うんですが」

政府分科会 会長 尾身さん「今度また新しい政権ができる。ここにお願いしたいのは、検査というものはずっと言われている。国が『全力でやる』ということで、初めて一般の人も納得するんで、そのことは強く政府には申し上げたいと思います」

<制限緩和はどこまで? 私たちが目指す社会とは>

鎌倉アナウンサー「私たちの議論は、ワクチン接種が進んだ前提で行動の制限を緩和していく、それがどういうことができるのかという話を、今、進めてきているんですけれども、ただ藤原さん、行動を緩和しますと再び感染が広がるリスクというのは当然出てきますよね」

藤原デスク「ワクチンの接種が進んだ際に今後どうなっていくのか。政府の分科会が示したシミュレーションがあるんです」

今月、尾身さんたち分科会は、制限をどこまで緩和するべきか、シミュレーションを発表しました。現在、人との接触は、コロナ前と比べて、およそ70%減とされています。これを20%減まで緩和し、「移動の自粛」「時短営業」などを全面解除した場合をシミュレーションすると、重症者の数は年に3回、3000人ほどに上り、その度に、緊急事態宣言などの対策が必要になります。一方、人との接触を40%減にした場合、重症者の増加は緩やかで、緊急事態宣言などは年に1回に抑えられるとしています。

政府分科会 委員 鈴木さん「対策あるいは接触の削減を強くすれば、確かに重症者や死亡者数を減らすことができる。ただ、そうすると感染対策を強くしなくてはいけないので、『経済的な損失』というのも発生してしまいます。一方で、対策を緩めれば、社会経済的なロスは比較的抑えることはできるんだけれども、一方で『重症者・死亡者 増』となる。どちらがいいのかというのは、それこそ政治家や専門家が、どっちが理想的なんだということを勝手に選ぶことはできません。ですから、みんなでどういった社会をわれわれは作っていきたいのか。こういったことを議論していく必要があるんだろうと考えています」

佐々木さん(医師 自宅療養に対応)「医療か経済かみたいな議論になってしまって、二項対立みたいなのがどうしても解消しないんですけど、ただ、医療を守れというのも別に医療を守ることが目的ではなくて、やっぱり命を守るのが目的なんですよね。経済を守れというのも命を守るのが目的だし、実は、われわれが目指している目的は、本当は一緒なんだと思います。重症者が増えれば亡くなる人が増えていく、だけど抑制を強めれば経済活動が厳しくなって不利益を被る人が増えていく。どの辺でバランスを取るのがいいのか、やっぱり誰かがイニシアチブ(主導権)を取ってくれないといけないと思うんです」

加藤さん(都内でライブハウス経営)「コロナとどう共存していくかを考えた場合、前に(分科会の)武藤さんがテレビに出ていたときに、すごく印象に残った言葉があって、『ウイルスの流行はまた絶対起きる。ただそのときに二度とバッシングされる人が出ないように、ウイルスを受け入れる寛容さを、私たちは社会で作っていかなきゃいけない』みたいなことをおっしゃっていた。ライブハウスも、すごくバッシングされたので、すごくその言葉は刺さったんですけれども。そこをどう今後発信していくか、いろいろな人が発信していかないといけないと思うんです。政治家はもちろん専門家の方々も、社会すべての、あらゆる職業の人が意見を言っていくっていうのが、そういう議論ができる場は大事だと思います」

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鎌倉アナウンサー「まず、対話の前半をご覧いただきました。スタジオには尾身さんです。尾身さん、改めて対話を振り返ってどんなことを感じますか」

政府分科会 会長 尾身さん「例えば飲食店の関係者の方が、自分たちだけがターゲットにされているという感覚を持っているということは頭の中では分かっていましたけれど、今回、生の意見を聞いて、より理解が深まったような気がします。それと同時に、私たちの今まで考えてきたことを申し上げたら、少し分かっていただいたような気がするので、これは双方向の対話だったということでよかったんじゃないかと思います」

鎌倉アナウンサー「もうひと方、リスクコミュニケーションがご専門の奈良由美子さんです。奈良さんは、感染症のリスクについて専門家と市民がどう情報を共有していくべきか、研究を続けていらっしゃいます。奈良さんはここまでの対話、どうご覧になりましたか」

放送大学 教授 奈良由美子さん「私は今回の会話はリスクコミュニケーションの一つの姿だというふうに見ています。また、今回の対話には、専門家と市民がお互いの科学の知と現場の知、これを出し合って互いの限界を補完し合う、そういう可能性を秘めていたなとも見ています。専門家の役割というのは、科学的手法を用いて、リスク評価を行って、そしてそれを踏まえて提言を行うことです。しかし、専門家はすべてを知っているわけではない。とりわけこれまでは、専門家が市民に向けて一方向に情報発信をしてきて、それにはかなりの成果があったと思うんですが、今は専門家も答えが出せないような、そういうフェーズに入ってきていると思うんです。コロナ禍にあっては、やはりそれを教えてくれるのは市民だと思うんですね。対話によってリスク問題を共に考えて、そして、より現場の実態に即した、より納得しやすい、より実効性のある、そういった政策に近づくんではないかというふうに考えています」

鎌倉アナウンサー「ますます市民の力が必要になってくる中でですけれども、今回、番組では、広く市民の意見を聞くために1200人にアンケートを行っています。」

「新型コロナ・緊急アンケート」(詳しい内容はこちらをクリック)

鎌倉アナウンサー「そのアンケートの一つ、自粛の度合いに変化があるのか、去年4月に出された最初の緊急事態宣言のときと比較して尋ねましたところ、『変わらない』が54.0%と最も多く、『当時より自粛するようになった』が26.6%。一方、『当時ほど自粛しなくなった』は19.4%という結果になりました。全体のおよそ8割の人は去年の緊急事態宣言のときと同じくらい、あるいは、それ以上の自粛を続けているという、そういう実態も見えてきたんですが、尾身さんはこの結果どう受け止めますか」

政府分科会 会長 尾身さん「『これ以上の自粛はもうごめんだ』というふうに多くの人が思っていると思っていたので、私はこの数字を見て、驚きと同時にちょっと感謝したい気持ちもあります。しかし、これからだんだんワクチンの接種率が上がったり、治療薬も出てきたりするので、今までと同じことを繰り返すのはなかなか難しくなってきているんじゃないかと思います。新たな協力の形とも呼ぶべきものをみんなで考えるフェーズにきたんじゃないかと思います」

鎌倉アナウンサー「後半の対話では感染対策のあり方を巡って、これまでにない踏み込んだやり取りが交わされました」

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