ワールドカップカタール大会から3か月。大会後初の強化試合にむけて日本代表メンバーが発表され、カタール大会の時から26人中11人が入れ代わるフレッシュな面々となりました。その中から中澤佑二さんがボナライズしたのが、前回大会で選ばれながらもピッチに立つことができなかった町野修斗選手です。ワールドカップでの悔しさを胸に今シーズンにかける決意を語りました。(2023年3月19日放送)
ついに再始動
中川キャスター:新生日本代表が新たな船出です。特に入れ代わりが目立つのがディフェンス陣。吉田麻也選手、長友佑都選手といったベテラン勢に代わり、新たにベルギー1部リーグの町田浩樹選手、Jリーグからバングーナガンデ佳史扶選手、半田陸選手が初めて招集されました(※その後、角田涼太朗選手はけがのため不参加に。藤井陽也選手が追加招集)。
上原浩治さん:中澤さん。森保監督の狙いはどんなところにあるのでしょうか?
中澤佑二さん:実力的にはこれまでのディフェンス陣と比べてまだまだな部分があると思いますが、3年後の大会に向けて、新しい選手の代表でのレベルをはかる絶好の機会だと思っています。ここでしっかり結果を残して、今後代表の中心になってもらいたいなと思いますね。
豊原キャスター:一方で中盤から前線にかけては、初招集されたのはオーストリア1部リーグの中村敬斗選手のみ。スコットランドで今シーズン公式戦26ゴールをあげている、古橋亨梧選手は選ばれませんでした。その中で森保一監督がメンバー発表会見である選手についてこう言及しました。
森保監督「町野(修斗)選手のことですけど、期待してます。前線で非常に得点に絡むという部分に幅が広がって、存在感も大きくなっているかなと。」
中澤さん:町野選手はカタール大会では1度も試合に出場することはできませんでした。どんな思いで今シーズンに臨んでいるのでしょうか。
町野選手が考える代表に定着するために必要な条件とは
町野修斗選手:ワールドカップは皆さん言いますけど、とりこになる大会なので、僕もそうなりましたし。絶対リベンジをピッチの上でしたいなと思います。
ベスト8に肉迫した日本代表。しかし全4試合、町野選手はピッチに立つことはできませんでした。ベンチで感じたのは、世界を勝ち抜くストライカーたちの圧倒的な個の決定力。
町野選手:1人で局面を変えられたり、1人でシュートまで行けたりっていう選手もたくさんいたので、僕もそういうふうにならないといけないなと思ったし、多少無理をしてでも1人で行く場面もあってもいいと思いますし。それがストライカーだと思うので。
中澤さん:僕が感じた日本と世界との差もまさにそこなんです。ピッチには立てなかったけれど、町野選手はそれをしっかりと肌で感じてきてくれたのは、それだけでもワールドカップに行った意味はあったのではないかなと思います。
悔しさと学びを胸に挑む今シーズン。2戦目で早くも結果に結び付けました。
中澤さん:シュート上手かったですね。相手ディフェンスに囲まれているけど、しっかりとシュートのイメージを持って、思い切りよくシュートを打てましたね。なのでディフェンスに当たったけど、ゴールになっていますよね。これが成長だと思いますね。
さらに今シーズン光るのが状況判断の的確さ。
中澤さん:自分でも前に持ち運べるけど、左側に味方が走っているのを見て、しっかりとそこで切り替えてスルーパスを出してゴールにつなげると。味方をいかすプレーもできます。
町野選手:より僕に対するマークや相手がかなり意識をしているのは感じる。その中で空いている周りの選手が見えるので、簡単に使うところと自分で仕掛けながら使うところを意識しながらやっています。
見据えるのはリーグ得点王、そして3年後のワールドカップです。
町野選手:“得点王”は代表に定着するためには必要な条件なので、成し遂げたいなと思います。背番号の18ゴール以上とりたいなと思っています。
中川キャスター:新生日本代表に改めてどんなことを期待しますか?
中澤さん:ワールドカップでファン・サポーターの皆さんの目も肥えていますから、最低限そのプレーをしなきゃいけないと思いますし、今回選ばれた選手は責任を持ってプレーしてもらいたいなと思います。逆に選ばれなかったとしても、まだまだチャンスがあります。引き続き頑張ってもらいたいと思いますね。