プロ野球座談会2023パ・リーグ編 “WBCの次は俺たちの番だ!”

NHK
2023年4月8日 午後1:48 公開

毎年恒例のプロ野球座談会。第1弾はパ・リーグ編。今年は各球団からさらなる活躍・ブレークが期待される10~20代半ばの選手たちにお集まりいただきました。キャラ全開で予測不可能…。チームの垣根を超えたトークバトル、開演です!(2023年3月19日放送)

メンバー紹介

ソフトバンク・・・板東湧梧(ばんどう・ゆうご)投手。球団もお墨付きの甘いマスク。6人の中で最年長27歳。昨シーズン、クライマックスシリーズで先発を任されるなど大きく飛躍しました。

西武・・・髙橋光成(たかはし・こうな)投手。獅子のようにたなびく髪がトレードマーク。選手会長も務めるチームの大黒柱。3年連続で開幕投手を務めます。

オリックス・・・宗佑磨(むね・ゆうま)選手。俊足巧打で日本一に貢献。3連覇を目指すチームを引っ張ります。

楽天・・・辰己涼介(たつみ・りょうすけ)選手。ダイナミックな守備が持ち味。縦横無尽に球を追う、ダイナミックな守備が魅力。今シーズン狙うは、3年連続となるゴールデングラブ賞です。

ロッテ・・・松川虎生(まつかわ・こう)選手。今回最年少の19歳。去年は、高卒新人捕手として規格外の活躍。佐々木朗希投手の完全試合をリードし、一躍その名を知らしめました。

日本ハム・・・清宮幸太郎(きよみや・こうたろう)選手。去年初めてシーズンを通して1軍に定着、中心選手への成長が期待されています。自己最多の18本塁打を放ちました。

座談会スタート

~座談会開始10分前~

髙橋投手:人見知りで緊張します。

板東選手:しゃべったことある選手があんまりいないんで。頑張ります。

松川選手:一番下なので緊張しますけど、楽しめればなと思います。

中川キャスター:パ・リーグ選手座談会2023をはじめます。みなさんよろしくお願いします。早速ですがトピック1つ目はこちらです。

Qこのメンツ、どう?

宗選手:難しくないっすか?笑

清宮選手:なんでこの6人なのかなとは思いました、めちゃくちゃ。

板東投手:このメンツ・・・。

髙橋投手:MC助けてくださいよ。MC・・・。

辰己選手:このメンツはねえ、ほんまに野球界を背負っていくようなメンツやと思うんで、僕もそうですけど。選ばれし者なので、もうちょっと堂々といっていいんじゃないですか。

なにやら悟ったような雰囲気の辰己涼介選手が場を和ませます。

髙橋投手:自分は同級生2人いるのでやりやすいっすね。

板東投手:この中やったらたぶん自分が一番上なんで。松川君は1番若いよね?今何歳?

松川選手:19歳です。

板東投手:清宮は?

清宮選手:僕23(歳)です。

Q松川選手から質問「好きな遠征先は?」

中川キャスター:最年少19歳の松川選手から質問ということで、きょうは先輩たちに聞きたいことを用意してもらいました。

松川選手:野球とは関係ないですけど好きな遠征先を教えてほしいです。

板東投手:僕はもう北海道一択っすね。北海道はとにかく食事がおいしい。

宗選手:僕も北海道なんですけど、やっぱ新鮮なのでおいしいっすよね。

清宮選手:僕は福岡ですね。

髙橋投手:自分も福岡っすね。

清宮選手:すごいお寿司がおいしい印象があって。僕寿司が大好き!

板東投手:えっ、北海道よりも?

清宮選手:北海道もおいしいですけど。

松川選手:ありがとうございます。辰己さん、お願いします。

辰己選手:僕は立川っすね。

髙橋投手:ええ?

宗選手:珍しくない?

辰己選手:東京に憧れているので。東京なんでもあるから。

辰己選手があげた“立川”とは西武の本拠地「ベルーナドーム」からおよそ8キロ。ビジターチームが宿泊する場所です。

髙橋投手:ホテルと球場めっちゃ混まない?あそこらへん。

辰己選手:いや、混むからよくて。移動がゆっくりできる、試合行くときは気合い入れられる、帰りは寝れる。そこがすごくいいところだなと思います。立川一択です。

宗選手:一択なの?

中川キャスター:松川選手、先輩たちのお話聞いてどうですか?

松川選手:本当に北海道とか福岡だったり。立川一択でいきたいなと思います。

辰己選手:一択じゃないよそれは!

Q身だしなみ、どれぐらい気にしてる?

豊原キャスター:宗さん、オリックスはファッション誌に登場したりしていましたけど。

宗選手:そうなんですよ。4・5年前くらいに、雑誌に僕含め選手4人くらい出させてもらったんですけど。僕だけテイストが全然ちがくて、ラッパーみたいな格好を最初から。「宗くんはこれ」みたいな感じで。

中川キャスター:いつもはどういう感じのファッションなんですか?

宗選手:色使いとか僕うまくないので、とりあえずシャツとか上着は白か黒か。

中川キャスター:髙橋投手は何かありますか?

髙橋投手:球団によってロン毛禁止とかってあるんですか?ロン毛を増やさないですか?各チーム。

髙橋投手こだわりの長い髪。2年前のシーズン序盤、髪が伸びると同時に成績も伸びていったことから、験担ぎで伸ばし始めたそう。

板東投手:ホークスはたまに(身だしなみについて)言われるかな。

髙橋投手:板東さん伸ばしてくださいよ。

板東投手:自分も伸ばしたいけど、無理やね。笑

髙橋投手:ロン毛推しておいてください、各チームで。

清宮選手:うちはポンセがいますよ。ポンセがすごく長いです。

こちらも長髪が自慢の日本ハム、コディ・ポンセ投手。去年8月にはノーヒットノーランを達成するなど、先発ローテーションの一角を担っています。

髙橋投手:ポンセ(髪)縛ってるよね?

清宮選手:縛ったり縛んなかったり。

髙橋投手:ポンセをまねして1回シーズン中に縛ったんだけど、あれは点をとられたら変える的な?

清宮選手:いや全然。気分じゃないですかね。試合中にも縛ったり縛らなかったりしてますからね。

髙橋投手:聞いといてよ、今度。

清宮選手:なんでやったのか聞いときます。

髙橋投手:聞いたら教えて。

清宮選手:わかりました。

今シーズン「うちの○○を見ろ!」

豊原キャスター:ここからは、皆さんに今シーズンの見所をプレゼンしていただくコーナーに入っていきたいと思います。題して「うちの○○を見ろ!」。まずは去年チャンピオンのオリックスからいきましょう。

宗選手:「ベンチワーク」。下にちっちゃく“辻コーチも”って書いてあるんですけど。なんなら辻コーチが一番ふざけているんじゃないかっていう声を出してくれるんですよ。

オリックスの名物となっているのが選手以上に喜ぶ辻竜太郎コーチのパフォーマンス。勝利の流れを一気に引き寄せます。

宗選手:選手とかも結構ふざけた声とか、真剣にはやってますけど、その中で自身たちで盛り上げるような声かけとか独特な声かけをしてるので、そういうところを見てたらまた面白いんじゃないかと思うので。

シーズンオフの選手の入れ替わりを受けて注目ポイントを書いたのは、ソフトバンクと楽天。

板東選手:新加入した近藤さん、嶺井さん、新外国人のホーキンス、アストゥディーヨ、ピッチャーは有原さん、ロッテからオスナ、阪神からガンケル。というすごいメンツが入ってくるので、その中で競争するというか、メンバーがすごいのでそこを注目してもらえたら。

大型補強を行ったソフトバンク。中でも注目を集めるのがWBCでも大活躍!元日本ハムの近藤健介選手です

豊原キャスター:清宮選手に伺いましょうか。ソフトバンクに近藤選手がいきましたけどどうですか?

清宮選手:今まで味方だったので、まだ敵という実感が湧いてないというか。今まで散々助けていただいていたので、これから散々被害を被るのかと思うと、ちょっとヒヤヒヤしているんですけど。抜けた穴は僕たちでなんとかするしかないので、より一層僕たちで頑張らなきゃというところ。

そして楽天の辰己選手があげたのは、中日から加入した阿部寿樹選手。打ってよし、守ってよし。“マスター”の愛称で慕われるユーティリティープレイヤーです。

辰己選手:同一リーグやったらある程度どういった実力を持っているのかは、それなりに細かく分かってたんですけど、セ・リーグから来て他球団はこの阿部さんをいかに抑えるかが重要になってくるんじゃないかなと思っています。

豊原キャスター:対戦する側として髙橋投手、セントラルから実力者、力のあるバッターが加わった楽天についてはどうですか?

髙橋投手:対戦(したこと)が無いので探り探りですね。何が苦手なのかとか。データはあると思うんですけど、対戦してみてここかなっていう部分を探しながら、本当探り探りですね。

そんな髙橋投手があげたのは「躍動感あるプレー」。松井稼頭央新監督のもと、12球団で唯一、1週間遅れでキャンプインした西武。選手の自主性を重んじるチーム作りが進められてきました。

髙橋投手:キャンプ中からみんなで活気ある声かけだったり、プレーはすごくみんな意識してやっていたと思いますし、シーズン中もそこを見てもらいたいです。

中川キャスター:清宮選手はやっぱり?

清宮選手:はい、「新球場」です。

日本ハムの新球場、エスコンフィールド北海道。高さ70メートルのガラスの壁に、寒さに強い天然芝。大リーグを参考に作られ、総工費はおよそ600 億円とも言われています。

清宮選手:本当に世界基準、メジャーリーグの球場でプレーしてるかのような球場で、本当にこんなところで僕たちがやってるというのがすごい不思議な感覚になりました。いろんな仕掛けがあって、選手にもすごく優しい球場だと思いますし。(選手のお風呂が)天然温泉になるんです。ホームだけですけど。

板東選手:ホームだけ?

清宮選手:ビジターは普通のお湯です。

板東選手:せっかくならやって欲しかった。

そして、規定より短いとして問題視されたホームベースからバックネットの距離。投球を後ろにそらしたとき、ボールをとりにいかなければならないキャッチャーの松川選手は。

松川選手:狭い方がうれしいですね、キャッチャーからしたら。でも(パスボール)そらさないように頑張ります。

髙橋投手:僕、札幌ドームがすごい相性悪かったので(昨季札幌ドーム0勝2敗)、ありがたいですね、そういった面でも。何か流れが変わるというか、いろんないいことが起きそうな気がしますけど。

辰己選手:外野手はほぼ観客なんで、ファンと同じような感覚で野球を楽しみたいなと思います。

中川キャスター:辰己選手が話し始めると、もれなく宗選手がにやにやし始めるんですけど。

宗選手:今日も辰己らしさ全開だなと思って。楽しく見ています。

中川キャスター:普段から同い年ということもあって仲良いんですか?お三方(髙橋・宗・辰己)は。

宗選手:光成は、勝手に光成とか呼んでるんだけどさ。

髙橋投手:全然。でもあんまり話したことないかもね。

宗選手:なんならしゃべるの初めてぐらいの感じじゃない?

髙橋投手:今日ピースしたね、一緒に。

宗選手:見てた?

髙橋投手:見てた見てた。じゃあどっかでご飯いこう。

宗選手:そうだね。いけたらいいね、行こうね。

辰己選手:俺は?

宗選手:行く行く。笑

髙橋投手:誘うよ。ごめんごめん、辰己誘ってなかった。笑

そして松川選手があげたのは、声出しが戻ってくる「応援」。中でもロッテは、ファンの幾重にも重なる大きな声量と手拍子が魅力。チームを後押しするその応援は、相手チームをも包み込みます。

宗選手:コロナでできてなかったですけど、ロッテの拍手の応援はやっぱ見ていて迫力がすごいし、かっこいいなって思ってました。マッちゃん知らないんだもんね、多分それ。

松川選手:はい、知らないです。

新型コロナの規制がある中でルーキーイヤーを送った松川選手。待ちわびていた応援です。

松川選手:僕も肌で感じたことがないので。すごい応援だと聞いていますし、それをしっかりプレーで結果を出せるように、そこを見てもらえればなと思います。

辰己選手:ZOZOマリン(スタジアム)の音響がいいところが羨ましいです。身震いするというか、体の芯のほうから盛り上がってくる感じがします。

中川キャスター:辰己選手は好きな曲はありますか?あがる曲とか。

辰己選手:演歌ですかね。

中川キャスター:演歌!演歌の中で好きな曲はありますか?

辰己選手:・・・ジェロ。

一同:(爆笑)。

王者オリックスをとめるチームは現れるのか

シーズンを占う上で、やはり気になる存在はリーグ連覇中のオリックス。中でも2年連続4冠王に輝いた絶対的エース・山本由伸投手をどう攻略するのか。

豊原キャスター:松川選手はいかがですか?オールスターではバッテリー組まれたんですよね?

松川選手:はい。本当にまっすぐ強かったですし、変化球はちょっとだけ投げてたと思うんですけど、すごい変化球だったので。すごかったです。

清宮選手:僕もヒットたぶん打ったことないんで。何打席だったかはちょっとわからないんですけど、今年は1本でも打てたらと思うんですけど。打ちます、今年は。

板東投手には個人的に期する思いがあるそうです。

板東投手:昨シーズンの大事な終盤戦に2回連続山本由伸くんと投げ合いになって、どっちも負けてしまってすごい悔しかったので、今シーズンはそれを含めオリックスに負けたくないという気持ちもありますし、優勝絶対取りたいなと思うので負けないように頑張ります。

豊原キャスター:同じ投手ではありますけど、髙橋投手はどうですか?

髙橋投手:本当オリックスは打線も強くて。実際相手ピッチャーと戦うわけではないので、本当にいつもどう抑えようかって考えるのに必死で。いつも宗がキーなんですよね、戦う時に。いつもいいところで打つから。宗を何とか抑えたいですね、今年は。

宗選手:いや、やめて欲しいっすね。逆に光成からヒット打った記憶あんまりないんだよね。去年1本ホームラン打ったくらい。

髙橋投手:そうだよね。1本目だったよね、たしか?

宗選手:1本目。確か8月ぐらいに(2022年8月2日西武vs.オリックス)。もう今年ホームラン打てないと思って、バットの長さ変えちゃおとか思って変えたら打ったんだよ、たまたま。光成の時に変えたの。

髙橋投手:まじで?変えんなよ。笑

宗選手:それぐらいしか印象ないけどね。

豊原キャスター:追われる立場で宗選手、改めて今年いかがでしょうか?

宗選手:3連覇というのは意識しないですね、たぶん。挑戦者という気持ちを持って全員やっていくと思うので、ことし他球団もとても強いですから、そういうところで負けないように全員でやっていきたいなと思います。

中川キャスター:ありがとうございます。さきほど辰己選手「らしさ全開」と言われていましたけど、最後この会を締めるひと言を辰己選手からいただいてもいいですか?

辰己選手:そうですね、皆さんと比べて背景が楽天イーグルスは完全に羽ばたいているんで。他球団の素朴な背景とは違って、僕らはもうそういうところからやる気が違うので、優勝しかないと思います。頑張ります。

中川キャスター:きょうはお疲れのところありがとうございました。

座談会をおえて

松川選手:普段通りはしゃべれてないですけど、すべてが印象に残ったんで、楽しかったです。

髙橋投手:話したことがない人が多かったので緊張しましたけど、最後のほうはみんなで話せたので楽しかったです。

辰己選手:今回で「こいつ呼ばんどこ」ってなってると思うんで、最後の出演となりますが、ありがとうございました。

板東選手:辰己選手の独特のコメントにやられました。

宗選手:板東さんがかっこよくて、辰己がやっぱり面白かったです。そういうところもプロだなと思いますね。

清宮選手:こういうは機会なかなかないので、これを機に球場とか行ったらお話しできるかしれないので参加できてよかったです。