東京サントリーサンゴリアス尾﨑晟也 ラグビートライ王 “ポスト福岡へ”

NHK
2023年3月15日 午後0:10 公開

日本代表が悲願のベスト8入りしたラグビーワールドカップ日本大会から4年。ことし9月にはフランス大会が開催されます。ベスト4以上を目指す日本ですが、激しい競争が行われているポジションの1つがウイングです。前回のワールドカップで4トライをあげた福岡堅樹さんがおととし医師を目指すため現役を引退。福岡さんのあと日本代表のウイングは誰が務めるのか。今回注目したのがリーグワンでここまでトライ数トップを走っている東京サントリーサンゴリアスのウイング尾﨑晟也選手です。”ポスト福岡”へアピールを続ける尾﨑選手を中川安奈キャスターが取材しました。(2023年3月5日放送)

なぜトライを量産できるのか?

試合4日前の練習に訪れた中川キャスター。そこで尾﨑選手が入念にチェックしていたのが両足首でした。

中川キャスター:しきりに足首を動かしているように見えましたが、それにはどんな意味が込められているのでしょうか?

尾﨑選手:普段から足首を捻挫してケガしたり、ステップを切ったあとになかなか(走りに)パワーが伝わらなくて良いランニングができなかったりというのがあったので、そこの予防だったり強化というのをやっています。

大学生の頃から慢性的に足首を捻挫しやすかったという尾﨑選手。弱点を克服するため去年から取り組み始めたのが足首を鍛える独自のトレーニングです。1回1回かかとを高く上げることで強い負荷をかけます。

尾﨑選手が最大の目標として掲げるのがワールドカップ出場です。前回大会は、一時代表候補に入りながら最終的には選ばれませんでした。先月の試合ではジェイミー・ジョセフヘッドコーチの目の前で3トライ。猛アピールを続けています。

尾﨑選手:日本大会(2019年ワールドカップ)を見て日本が結果を出した喜びもありましたけど、半分以上はやっぱり悔しい気持ちの方が大きかったので、23年の(フランス)大会は絶対自分が出たいと思っていますし、日本を勝利に導けるようにプレイヤーとして活躍していきたいなと思います。

尾﨑選手が目指すヒーロー像とは?

中川キャスター:尾﨑選手に聞きたいことがもう1つ。プロフィール欄の”子供の頃の憧れ”に書いたことは覚えていますか?

尾﨑選手:何書いたっけ?ウルトラマン?

中川キャスター:そうです!

尾﨑選手:憧れていたっていうか好きだったんで、昔写真撮る時とかポーズが全部これ(シュワッチ)だった。

尾﨑選手:ヒーローってやっぱり子供の憧れだと思う。今プロラグビー選手としてやっているので、子供たちに自分がヒーローと思ってもらえる選手になりたいなと常に心掛けています。期待に応えられるよう頑張ります。

代表入りにむけての手応えとワールドカップへの思い

3月5日の試合では鍛えてきた足首で加速しトライ。さらに自らのキックをキャッチし、ここでも加速。華麗なプレーを見せました。尾﨑選手が作ったチャンスが味方のトライにつながりキックも決まりました。

尾﨑選手:ステップをきったあとのスピードだったり、次の動き出しがはやくなったので相手を抜いたあと次の再加速に繋がっているかなと。

中川キャスター:子どもたちが憧れるような場面は作れたのではないかなと思いましたがどうですか?

尾﨑選手:そうですね。本当に1つ1つのプレーに思いを込めて一生懸命プレーしていますし、そういったところが少しでも多くの子どもたちに伝わればいいかなと思うので、毎試合毎試合、一生懸命プレーするっていうのを心がけてやっています。

中川キャスター:尾﨑選手がボールを持つと何か起こるのではないかとわくわくしますし、実際に会場の皆さんも盛り上がっているのを感じました。ワールドカップ開幕まであと半年、ウルトラマンのようなヒーローになれるのでしょうか。尾﨑選手の代表入りへの挑戦は続きます。