WBC・ワールドベースボールクラシックのメンバーが発表され、プロ野球のキャンプインも間近!球春到来が待ち遠しい方も多いのでは?そこでサンデースポーツ野球班は、様々な場所で野球を愛する皆様から質問を集めました。集まった質問は50問以上。その中から厳選した質問を落合博満さんにぶつけてみました。大谷選手の起用法から、今シーズンの中日の戦い方まで様々な質問に答えていただきました!(2023年1月8日放送)
中川キャスター:まず「お正月太りはしましたか?」という質問がありましたが?
落合さん:いや、それはないです。
中川キャスター:現役の頃はどうでしたか?
落合さん:オフになると体を動かさないので、そんなにお腹が減るって事もない。オフに太るって事はほとんどなかったですね。
豊原キャスター:では早速質問にお答え頂きますが、今年なんといっても多かったのは、WBCに関してです。
Q:落合さんが侍ジャパンの監督だったら、4番バッターは誰にしますか。
落合さん:現状では鈴木誠也、村上宗隆、大谷翔平。この3人の中からだろうと思います。
豊原キャスター:それは最終的にどのように決めますか?
落合さん:大会前に練習試合ありますよね。そこの状態を見ながら、今の状態はどうなのかというのを見極めて、それでメンバーは構成していくと思います。
豊原キャスター:状態がいいか悪いかは何で見極めますか?
落合さん:ちゃんとしたタイミングでボールをとらえているか。あとは結果ですよね。数字に表れてくるものが、その人の今の実力だろうと思うし。それで、メンバーは決めていくと思います。
Q:大谷翔平選手の起用法は?日本は勝てますか?
中川キャスター:大谷選手の起用法について栗山監督はまだ明言していませんが、落合監督だったら先発なのか抑えなのか、または打者専任なのか、どうでしょうか?
落合さん:エンジェルスとの契約の中で、どういう状態でこのWBCに参加していいかという条件はあると思うんですよ。それがまだ公表されていないですが、起用法としては、どちらかというと先発で使いたいなというのはありますね。
中川キャスター:それはなぜでしょう?
落合さん:先発しかやったことないピッチャーですから。ゲームに合わせる感覚というのかな。それはやっぱり、中継ぎ抑えではないだろうと思います。
村上茉愛さん:私からも質問です。ずばり、日本が優勝できる可能性はどれくらいありますか?
落合さん:50%と言っておくのが一番無難なのかな。
中川キャスター:ポイントになって来るのはどんな所ですか?
落合さん:日本が勝ち上がった場合、準々決勝の相手はおそらくキューバか台湾だと思う。どちらもあなどれないチームなんでね。そこをどうやって勝ち上がっていくかだと思います。それとアメリカとドミニカのメンバー見ると、発表されているメンバーがそのまま来るか分かりませんが、強烈なメンバーです。だから、それに太刀打ちできるかどうか。日本の野球を目指す上では、ピッチャーを中心とした守り勝つ野球。打撃戦にはならないだろうと思う。だから少ないチャンスでどうやって点数を重ねていくかということが、勝負の決め手になってくるのではないのかなと思います。
豊原キャスター:そこは日本得意なところですよね。
落合さん:ええ。
中川キャスター:続いてはこのチームについての質問です。
Q:今年の中日ドラゴンズ、いい選手をたくさんトレードで出したけど大丈夫ですか?
豊原キャスター:シーズンオフに選手が大幅に入れ替わった中日への心配の声。主力級だった阿部寿樹選手や京田陽太選手を出して、代わりに入団したのはピッチャーが中心。昨シーズンを見ると攻撃面が1つ課題だった中日だと思いますが、落合さんその辺りいかがですか?
落合さん:バッターを出してピッチャーを取ったということは、今年やる野球はピッチャーを中心とした、守りの野球を目指しているんだろうと思います。防御率3点台を2点台にしていくという方向性でやっているんだろうと思いますけどね。それと打撃陣に関して言えば、2011年の我々(中日)が戦った野球を見ると、チーム打率は2割2分台です。それで優勝できたんだから、いかにしてその無駄なランナーを出さないで、少ないチャンスをものにして、その点数を守りきっていくかという野球に専念できれば、そこそこの順位にはいくとは思いますけどね。
豊原キャスター:打撃を強化するのではなく、より一層投手中心に、守れるチームにしようという意図が見えるという事ですね。
落合さん:そのためのピッチャーのトレードだろうと思いますからね。
Q:日本ハムの清宮幸太郎選手、何をすればもっと活躍できる?
落合さん:練習あるのみです。振って振って振りまくって、もう体力の続く限り。練習は嘘をつかないという名言がある通りで。まだまだ練習が足らないんだろうと思います。だから極限を超えてまでやるっていうことが大事だろうと思います。
Q:10年以上ロッテファンで、今季から投手出身の吉井理人監督になりますが、野手出身の監督とで選手の起用はどういった差がある?
落合さん:ピッチャーという職業は野手の事は分かりませんから。ピッチャーの監督は、打撃、守備面に関してそれなりのコーチをそばに置いて、事あるごとに相談をしながら、というようなやり方をしていくだろうと思います。ピッチャーの監督ってピッチャーに厳しいんですよ。野手の監督は、野手に厳しい。その辺をどうやって使い分けていくかということ、あとは選手との話し合いですよね。監督が自分の目指す野球というものを前面に出して“こういう野球をやるんだ”というのをコーチ、選手に浸透させて戦っていくというのが大事なんだろうと思います。
豊原キャスター:今年のロッテの場合は、福浦和也ヘッドコーチが重要になってくるという事ですね。
落合さん:そう思います。
豊原キャスター:そして、今シーズン監督が変わる球団が4チームあります。落合さんが気になる監督はいますか?
落合さん:(阪神タイガースの)岡田彰布監督ですね。
豊原キャスター:岡田監督ですか。どんな所が?
落合さん:優勝経験があるという事と、長年監督をやっていましたからね。どう戦っていったら勝てるかというのを知っている監督だけに、去年までの阪神タイガースのいい部分をどうやって伸ばしていくか、足りない部分をどうやって補っていくかというのは、今までやってきた経験の中で、選手を作り上げていくことはできると思うんで。阪神タイガースが一番の台風の目になるんじゃないかなと思います。
豊原キャスター:どんな野球をしてくると思いますか?
落合さん:オーソドックスな野球でしょうね。以前監督をやっていた時は、JFK(ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の3人の頭文字)という、とてつもない強力な投手陣を持っていて、6回までに勝っていなければ、阪神とのゲームは勝てないというくらいの野球をやっていたんでね。だからって何か奇抜なことをやってくるというタイプの監督ではない。普通の野球を普通にやってくる。そういう印象のある監督ですね。だから、去年も投手力が良かっただけに、それに輪をかけてより良い投手力を作り上げてくる可能性はあると思います。
豊原キャスター:阪神ファンの皆さん、お聞きになりましたでしょうか!
中川キャスター:高校生のピッチャーからも質問が来ています。
Q:コントロールの安定したピッチャーが嫌なのかなと自分は考えているが、現役の時対戦していてどういうピッチャーが苦手だった?
落合さん:荒れ球のピッチャーが嫌いでした。コントロールのいいピッチャーは大体自分の予想したとおりの配球をしてきてくれる。どっちかと言えば待ちやすくて打ちやすかったというのはある。キャッチャーが例えばインサイドを要求して、このボールはインサイドで来るんだろうなという中で、そのまま荒れて外に来たり、というのが一番手に負えなかったですね。
中川キャスター:実際に現役時代はどういう投手が苦手でしたか?
落合さん:広島の川口和久投手。
豊原キャスター:サウスポー。
落合さん:これには手を焼きました。思ったところに来てくれないんですよ。だからキャッチャーのサインどおりには投げてくれない。待ちづらいピッチャーでしたね。
豊原キャスター:どのように対応していたのでしょうか?
落合さん:その日の状態がよければ対応できる、悪かったら対応できないという割り切り方です。
豊原キャスター:その持ち味を生かして川口投手は活躍をされたということですが、落合さんが監督時代にはそういう持ち味のある投手をあえて起用することもありましたか?
落合さん:ありましたよ。中田賢一投手は、その最たるものだと思います。彼は球数を投げる事を苦にしていないので、だいたい70球、80球くらい過ぎてから、本来のボールを投げてくるというようなピッチャー。それとコントロールがいいようで悪い、「暴れ馬」というあだ名をつけたくらいですから。自分が嫌なら、相手のバッターも嫌だろうということで。ボールに力がありましたから。それとフォークがよかったということで、使い勝手はよかったですよ。
豊原キャスター:コントロールが今あまりよくないピッチャーでも、それを持ち味だと思えばいいという事ですね。
落合さん:そうです。みんながみんなコントロールがいいという事じゃありませんから。コントロールが悪いのをどうやって自分の持ち味にしていくか、というのは大事なんだろうと思います。