大相撲春場所初日 秀ノ山親方が徹底解説!

NHK
2023年3月15日 午後1:35 公開

4年ぶりに観客数の上限を無くしての開催となった春場所。
先場所優勝した大関・貴景勝が綱取りを果たすのか、注目が集まります。
そんな春場所初日の取組を、元大関・琴奨菊の秀ノ山親方が解説してくれました。

注目取組その①綱取り目指す大関 貴景勝vs.“スピードでかく乱”小結・翔猿

先場所優勝し、今場所での綱取りを目指す大関・貴景勝。初日の相手は小兵ながら素早い動きで相手を翻弄する小結・翔猿です。貴景勝にとっては二場所連続で敗れている難敵。大事な初戦の結果は!?

結果は翔猿の勝利。貴景勝は初日、いきなり土をつけられてしまいました。

秀ノ山親方:初日ということもありちょっと気負いが感じたような相撲内容でしたね。

秀ノ山親方:勝ちたい気持ちが強すぎて上体が前にいっても足が出ていない。どんどん足を出して間合いをつめれば自分の相撲を取れるんですけども、相手との距離を潰せずに最後の突き落としを食らった。しっかり自分の形の相撲を築けば貴景勝は強いですから、自分の立ち合いを信じて相撲を取ってもらいたい。

横綱昇進には二場所連続の優勝を原則とすることなどが内規で定められています。
そんな重圧がかかる中、この20年で横綱昇進を果たしたのはわずか6人。
いずれも、全勝か1敗を守っています。

秀ノ山親方:いろんなプレッシャーに押しつぶされそうになりますけども、貴景勝は自分の強みを自覚して、立ち合いで圧倒するような相撲内容になっていけば白星がついてくると思います。

初日敗れた貴景勝へアドバイスは?

秀ノ山親方:今までも気迫ある立ち合いで結果を出してきたので、色々考えることなく自分の立ち合いだけに集中して、どんな相手も馬力勝負で自分の流れを立ち合いから作ってほしいと思います。

注目取組その②“つかみどころが無い”新関脇・霧馬山vs.突き押し得意の前頭2枚目・阿炎

優勝争いが予想される力士のなかで親方が注目する新関脇・霧馬山。大関昇進の足場固めを目指す今場所初日の相手は、強烈な突き押しが持ち味の前頭2枚目・阿炎です。

結果は霧馬山の勝利。勝負の決め手になった霧馬山の強さとは?

秀ノ山親方:“相手の相撲をさせない強さ”です。

秀ノ山親方:阿炎のもろ手に対して、しっかり霧馬山が下からひじを持ち上げて相手の圧力をそいでいる。霧馬山の対応力がこの後の流れにつながっていきます。

秀ノ山親方:下から阿炎のもろ手を押し上げて距離を詰めることで相手の良さを打ち消した。相手としてはつかみどころが無いような柔らかさでやりづらい。上位の経験が豊富になって身体も大きくなり、どんどん前に出る相撲が増えてきたから持ち味をしっかりと出せている。今場所の活躍、大いに期待できると思います。

秀ノ山親方は3月19日のサンデースポーツにも出演予定!中日を終え後半戦へと向かう春場所、注目の取組を徹底解説していただく予定です。