大相撲初場所 大関・貴景勝が3回目の優勝

NHK
2023年1月25日 午後8:26 公開

2020年11月の九州場所以来の優勝を果たした大関・貴景勝がサンデースポーツに生出演。

貴景勝関と村上茉愛さん、実は共に平成8年8月5日生まれ!

村上:すごい!うれしいです。みんなに自慢しようと思います。

貴景勝:びっくりしました。

――優勝インタビューの第一声が「結婚してから初めての優勝なのでうれしい」
家族の顔が一番に浮かんできた?

貴景勝:そうですね、やっぱり男の社会なので、あんまり言葉は交わさないんですけど普段食事とかいろんな面で支えてもらっているので、こういう場で言える時は言おうと思っていました。

――結婚されてから考え方に変化はあった?

貴景勝:自分の夢のためにやっているんですけど、その夢が家族の夢にもなってきているので責任感というのはさらに強くなったなというのは思います。

優勝をかけた千秋楽は埼玉栄高校の後輩 琴勝峰関と3敗同士の対戦

――頭で当たって左を差してのすくい投げ
いつもの突き押し相撲とは少し違った取り口に見えた

貴景勝:しっかり自分の立ち合いをして先手をつかんでから、何でもやれることをやっていこうという風に思いました。差していくのは頭になかったが、そういう稽古は少しずつしていて体が勝手に反応してくれた。

――今場所は小手投げでの勝利も二番あった

貴景勝:突き押しだけでやっていくのが理想なんですけど、どうしてもそれができなかった時にも勝っていかないといけないので、そういう部分での対応力というのを練習してきました。今場所は初めて少し出てくれたような気がします。

ここで登場したのが貴景勝関の高校時代の恩師、埼玉栄高校相撲部の山田道紀監督

実は貴景勝関、終盤戦で首を痛めていたと明かしました

山田監督:琴ノ若としたときに首を、けい堆をケガしていたから。本当に歩くのがやっとくらいの、それでもみんなに見せないように我慢して本当にプロとして命をかけている。相撲協会を引っ張る覚悟はすごいなと思いますね。貴景勝、優勝おめでとう。また体を治して頑張ってくれ、また飯食いにこいよ。

貴景勝:山田監督は自分がいい時も悪い時も本当にいつも支えてくれているので、いい時に支えてくれる人はたくさんいたんですけど、自分がどん底に落ちたときも支えてくれたので、本当に自分の一番の恩師です。

――どんな思いで首の痛みを誰にも言わず戦った

貴景勝:相手に弱い弱点を見せるっていうのは相撲をやっている以上は見せたくはない。やっぱり僕だけじゃなくてみんなどこかケガをしているので、あとは痛い格好をするのも格好悪いので、ただそれだけです。

首を痛めた11日目、翌日の12日目と連敗を喫し、迎えたのが同世代のライバル阿武咲戦

首の不安があった中、頭から思い切り当たる相撲で勝利 再びトップに並んだ

貴景勝:山田監督と相談して最善の治療をさせていただいて、13日目はトップから後退してしまったので逆に吹っ切れたというか、今場所は気合で乗り切ろうと思って吹っ切れた一番でした。

今場所、ただ一人の大関として場所を引っ張った貴景勝
中日には元横綱白鵬・宮城野親方にその強さを解説していただきました

宮城野親方:攻めすぎず、守りすぎず。この中間ができるのが横綱・大関。時には大関は“間”を作る、相手をしっかり見て、これが今場所の結果につながっている。やはり横綱、大関に頑張ってもらいたい。貴景勝にこのまま引っ張って優勝してほしいと思います。

――宮城野親方が解説した“間”はご自身でも意識している?

貴景勝:自分が目指しているのは“四つのような突き押し相撲”。歩幅や足幅というのは“四つ”のお相撲さんを参考にして取り組んでいます。やっぱり突き押しの歩幅と勢いというのも大事なんですけど、それだけでは安定感に欠けてしまうのでそういう意味では四つのように稽古しています。

――“間”とは空間的なもの?あるいはタイミング?

貴景勝:タイミングもあるんですけど、自分の呼吸の力を入れるときと抜くときのタイミングというのは自分の中で大切にしています。ずっと力をぐっと入れっぱなしだと相手に崩されやすくなってしまうので、また息を入れて止めて、吸わないように呼吸するように相撲を取っています。

――優勝後のインタビューでは「重圧を感謝に変える」とお話された
何がきっかけでそう思えるようになった?

貴景勝:なかなか大関という立場は成績を上げないと評価してもらえない番付なので、その時に自分の近くで応援してくれている山田監督、両親などいろんな人に「誰もが経験できる重圧ではないのだから感謝して楽しむようにやれ」と言ってもらい、確かにそうだな意識の変え方だなと思って、この重圧は誰でも経験できることじゃないんだ、自分がやれることをやればいい、そういう風に考えたときに少し気持ち的に楽になりました。

――最後に 横綱昇進への思いを聞かせてください

貴景勝:小学校の頃、相撲をやり始めた頃からの相撲を始める条件が横綱を目指すという条件だったので、まだ自分の親子の夢は果たせていないので、最後の番付に向かって一生懸命頑張っていきたいです。