3 月5日の有明コロシアム。バレーボール1試合の会場の入場者数としてデータを取り始めた2006年以降、過去最多の8,142人を記録、歴史的な日となりました。どのようにして集客することができたのか。ファンと選手が生み出す熱い試合会場と選手の思いに元体操選手・村上茉愛さんが迫りました。(2023年3月5日放送)
「リーグを活性化させる」東京グレートベアーズが仕掛けた演出とは
試合開始3時間前の11時ごろ。有明コロシアムの前に長蛇の列ができていました。V リーグ男子に今シーズンから参入した東京グレートベアーズのホームゲームです。
エントランスには女性向けの企業ブースがズラリ。皆さん袋いっぱいにサンプルをもらっています。
試合開始直前、会場の雰囲気が別世界に。コンサート会場を思わせる音響とライティング。華やかな雰囲気の中、選手が入場します。
試合も白熱。最終第5セットにもつれ込み、1点を争う展開に観客も一喜一憂。試合はフルセットの競り合いを制して東京グレートベアーズが勝利しました。
豊原キャスター:盛り上がっていましたし、ショーもすごかったですね。
中川キャスター:すごいですよね。Vリーグのここ30年の入場者数の推移ですが、90年代半ばは5000人に迫る年もありましたがその後は下がっていき、近年は3000人に満たない状況が続いています。リーグを活性化させることが課題となっている中、今回の演出を仕掛けたのが、今シーズン新規参入した東京グレートベアーズです。村上さんが取材に行かれたんですよね。
村上茉愛さん:はい。私も体操競技をどう広めていくのか、選手の頃からずっと考えていました。新規参入1年目でこの記録を塗り替えたというのはとてもすごいことだと思います。どのようにして実現できたのか、取材してきました。
SNSにのせた選手たちの熱い思い
村上さん:試合の準備が行われている会場に来ました。見てください、この超デカい熊さん。今すぐ写真撮りたいです。かわいいですね。
村上さん:イベントに来てるという感覚になるエントランスになっているなと思いますね。
私(村上)が訪ねたのは試合2日前。ド派手な演出を予感させるものがありました。
村上さん:おお、すごい!ミラーボールがあるじゃないですか。そういったのがあるお店以外は見たことないですよ。こんな近くから見るのは初めてです。
会場を埋め尽くすファンを獲得するため、チームが力を入れてきたのがSNSを使ったPRです。480万人のチャンネル登録者を抱える人気ユーチューバーとコラボ。バレーボールの上達法を選手たちが伝授しました。
さらに選手自身のTikTokでパンケーキと呼ばれる床スレスレでボールを拾うプレーの動画を投稿。選手自らも積極的に競技の魅力を発信しています。
こうしたファン獲得作戦を引っ張ってきたのが野瀬将平選手です。チームとファンをつなぐため、毎日のようにツイッターを投稿。きめ細かい情報を発信してきました。
野瀬将平選手:今までのバレー界、スポーツ界にはない形でというのは一つ意識したポイントかもしれないですね。取り組んでないようなことにチャレンジする。バレーボール界としてそこが課題でもあったので。
キャプテンの古賀太一郎選手もこうした取り組みに手応えを感じていました。
村上さん:ファンを増やすということに対しての気持ちの変化や今までと何か違うものはありますか?
古賀太一郎選手:今はSNSという形で毎日温かいコメントだったり“応援しています”という後押しをしていただけるので、僕たちの発信がファンの皆様に良い形で伝わっているなと。
村上さん:ありがとうございます。これはもう体操界も負けてられないですね。
古賀選手:ともに頑張りましょう。
村上さん:頑張りましょう。ありがとうございます。
中川キャスター:いろんな発信、面白いですね。村上さん、今回のmy推しポイントお願いします。
村上さん:私の今回のmy推しポイントはこちらです。“ファンなくして発展なし!”です。ファンの存在、試合でいうとお客さんの存在によって私たちもやる気も出ますし、パフォーマンスも向上していくと思います。体操もファン層を広げるのが今も課題になっているので、今回インタビューをしていて参考になることばかりでした。