大相撲夏場所初日 元横綱 鶴竜親方がサンデースポーツ初解説!

NHK
2023年5月17日 午後3:37 公開

優勝6回、技能賞7回受賞の鶴竜親方がサンデースポーツに初登場!
両ひざの手術から再起をかける照ノ富士、大関昇進を目指す霧馬山など注目力士の取組を解説してくれました。

注目取組① 4場所連続休場からの復帰 横綱 照ノ富士vs. 大関経験者 正代

親方の採点ではパワー・メンタル・四つ相撲が満点評価の照ノ富士、対するはパワーが持ち味の小結 正代です。
結果は正代に押し込まれながらも照ノ富士がすくい投げで勝利。

この取組、親方はどう見た?

鶴竜親方:4場所ぶりの本土俵ということで多少緊張感もあったと思いますし、立ち合いは当たっていった。その後の正代が作戦通りなのかわからないが左からおっつけて前に出ている。ただ正代は押し相撲ではないので最後までうまく攻めることができずに横綱が右を差してすくい投げ。そういう意味では押されましたけど今日は落ち着いて対処したのではないかと思います。

長期の休場明けの場所で初日白星。この先への影響は?

鶴竜親方:まず初日勝つという意味では一つよかったと本人は思ってるのではないかと思いますね。明日からという意味で場所の流れをつかむということが大事になる。

15日間戦う上ではどのあたりが大切になる?

鶴竜親方:ひざの状態というのは本人しか知らない、痛みがどれくらいあるのか。ただ出ている以上は横綱ですから責任を果たすという強い気持ちを持って土俵に上がっていると思いますので、1日1日こなしていく上で自分の土俵の感覚を取り戻していくっていうのが一番大切。

注目取組② 大関昇進を目指す霧馬山 vs. 先場所初日から10連勝 翠富士

今場所もう一つの注目が、大関昇進を目指す霧馬山。初場所で11勝、春場所では12勝で初優勝。大関昇進の目安とされる三役として直近3場所の勝ち星の合計33勝に今場所で10勝すれば届きます。
鶴竜親方の指導も受ける霧馬山、初日の結果は?

土俵際に追い込まれながらも肩透かしで霧馬山の勝利!
この肩透かしがなぜ決まったのか親方に実演を交えて解説してもらいます。

鶴竜親方:まずは立ち合いから説明します。最初はもろ手で行ってこれはよかったと思います。ただその後どうしても勝ちたいっていう気持ちが強かったのか、翠富士の圧力があったのか本人に聞いてみないとわからないですけど引いてしまったんですよね。これがちょっと見てて「あっ」と思いました。

けれどその後押されたときに思い出して得意の左手を差した。これが最後まで大事なところになった。左手が入ることによって体を土俵に残すこともできたし相手にも圧力をかけることができた。 翠富士は右手で抱えて一気に出ようとするんですけど左手が入っている分、押し込むことができずに、自分の両足もそろってしまった。さらに霧馬山の圧力に足が流れてしまってバランスが崩れたところで霧馬山の肩透かしが決まった。 翠富士は霧馬山の左手で体を起こされてしまうと絶対にダメだと思って全身で力を入れているわけですから、そうすると肩透かしについていくのは難しい。あとは翠富士の足が揃って後ろに流れてしまったのが大きなポイント

左手を差していなければ押し切られていたかもしれない?

鶴竜親方:左が入っていなければ、翠富士は霧馬山の脇に手をあてがうはず押しで一気に押されて負けてしまったと思う。

大関昇進がかかる今場所 霧馬山の今後のポイントは?

鶴竜親方:今日も見ていて少しは勝ちたいという意識が強かったと思いますので、いかに平常心で毎日の一番に稽古場でやっていることを本土俵の上でやれるかというのが大事になる、そういうメンタルを鍛えるのも自分自身なので、土俵上がったら自分ですから。自分と戦ってそれに勝つっていうのがすごく大事になってくると思いますので、相撲に集中していってほしいなと思います。 いろんな声が耳に入ってくると思いますけどそれを気にせずに相撲にしっかり集中していってほしい。

注目取組③ 先場所優勝争い大栄翔 vs. 先場所2桁勝利 錦富士

初日の取組の中で親方が非常によかったと語ったのが先場所優勝争いを演じた、関脇 大栄翔。

押し相撲を得意とする大栄翔、一旦は四つの形になってしまった。ただ錦富士が投げをうってきたタイミングでうまく差し手を切って距離を取り得意の押し相撲にもっていった。さすがの対応力を見せ、今場所も期待できる。

サンデースポーツで初解説していただいた鶴竜親方、本当にありがとうございました。
サンデースポーツでは大相撲夏場所、中日も特集します!