木梨憲武「“小学校3年生”に戻りたい」

NHK
2022年12月12日 午後11:20 公開

「とんねるず」のメンバーとして、斬新な発想でお笑いの歴史を切り開いてきた木梨憲武は、お笑いだけではなくアートや音楽など様々なジャンルで活躍。特に、32歳で本格的に始めた画家・芸術家の道はプロの域に。日本だけではなく、ニューヨーク、ロンドンで個展を開き、合わせて122万人を動員した。

還暦を迎えて、ますます精力的に活動するマルチプレイヤーの木梨が今、求めているものはさらなる“ピュア”だ。

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木梨:今、いろんなことやらせてもらっていて、例えば子ども達のアートの審査員とかも。子ども達から刺激もらって、インスパイアされて「なんか描きたい」ってどんどんなってる。小学校低学年の子たちのたくさんの絵を見てると、色と線で絵の具でうわーってなってく、なんの迷いもなく。
 

細川:すごいわかります。ピュアな状態ですよね。
 

木梨:ピュア。もう、ピュアになりたい…。笑
 

細川:わかります。
 

木梨:つまり、小学校3年に戻りたい。えー60だからだいぶ今もう(離れてる)。
 

細川:すごいわかるっす。僕も40なんで知り過ぎてて。土の色は茶色だとか当たり前のことがもう入ってる。でも、子どもの絵って土が紫だったり、ああいうその純度100みたいな絵は多分、もう僕は一生描けないやろうなと思いながら、なんか左手で描いて、“ぽいの”ぐらいしか描けない。
 

木梨:線がヨレたりとかね、元気が出る線と色とか。
ここにある絵の具をつかんだ色からスタートしてみようってよくやるんだけど。
 

細川:僕も目をつむってとったりします。
 

木梨:一緒なんだ!ほらあ。そん時、結構刺激的だよね!
 

細川:それぐらいじゃないと、マネできないと思ってます。
 

木梨:マネから、自分のオリジナルになってメッセージを伝えるっていう作業が大変であったり、…大変とは思わないんだけど面白かったり。あ!これやってみようっていうのが。
 

細川:はい…すごいわかります、それ。

細川:今後、ほかにノリさんがやりたいことはあるんですか。
 

木梨:いやいや、やりたいものがあったらあってほしいなと思う。んーあってほしいなっていうか、どうせキョロキョロキョロキョロしていくと思うんだけど。
 

細川:そうですよね。何か生きてて見つける感じですもんね。普通に生活しながら。
 

木梨:早く、さっきも言った小学校3年、年齢的にはおじいちゃん赤ちゃんになりたいのかもしれないね。俺はもう60歳だから。じゃあ(寿命が)80歳にしましょう。あと20年ですよ。毎日楽しむしかないから、もったいないのよ!もう。90歳にしても同じなのよ。だから早く“おじいちゃん赤ちゃん小学校3年”に戻りたいんだよね。で、表現が出来ていたいね。
 

細川:できたらすごいでしょうね。本当に。
 

木梨:できたら本物だろうね。歌がうまいとか、このアートがどうだこうだとかじゃない。そこに行けたらメッセージが人に伝わんのかなとか、もっと伝わるのかなとか。
 

細川:そうですよね。
 
 

2022/12/12スイッチインタビュー「木梨憲武×細川雄太」EP2より