【放送10年目・300組】『スイッチインタビュー』ができるまで

NHK
2022年6月6日 午後11:20 公開

2013年4月から放送を始めたスイッチインタビューは10年目に突入。そして、ことし6月には300組を迎えました。ここまで続けられたのも、視聴者の皆様のおかげです。ありがとうございます!
 

これまでにも

アントニオ猪木(格闘プロデューサー) × 天野篤(心臓外科医)←記念すべき本放送初回!
渡辺謙(俳優)×山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長)
阿川佐和子(作家・エッセイスト)×ふなっしー(ご当地キャラ)
糸井重里(「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰)×芦田愛菜(女優)
 

など、異色の『スイッチインタビュー』が実現してきましたが、せっかくですのでこちらのブログでは「企画立案から放送まで」の、ふだんは表に出ることのない制作過程をご紹介させていただきます。
 
 

1)最初の出演者を決定

企画は、制作会社から募集します。年間を通じて20~30社から提案があり、その中から依頼する出演者を決定します。
 

プロデューサーK「これだけ多くの制作会社と一緒にひとつの番組を作るのは実は、珍しいことなんです。それぞれの会社が得意とする分野の、多種多様な出演者をお迎えすることを心がけています」    

2)対話の相手は?

1人目の出演者に“会いたい人の候補”を聞き、その中で面白い“化学反応”が起きそうな人を探して、出演を依頼します。

すんなり決まる場合もあれば、実現までに2年近くかかる場合もあるんです…。
 

プロデューサーN「基本的に“一番会って話してみたい相手”をお聞きしますが、“元々親しい間柄の人”や“業界が近すぎる人”は避けていただくようお願いしています。“全く異なる人生を歩んできた2人の、新鮮な対話”で生まれる化学反応を、番組を見ている方にもリアルに共有し楽しんでいただくためです」
 

3)放送約2~3か月前 制作開始!

出演者の生い立ちや実績を伝える映像などを集めます。対談に向けた日程調整とそれぞれのゆかりの場所の取材・選定には時間がかかることも。
 

プロデューサーK「出演する方がリラックスして相手に本音を語れるところ、という”場“の力も大切にしているので収録場所をしっかり吟味します。対談日程とお借りしたい場所のスケジュールが合わず、複雑なパズルになることも多いです」
 

4)放送1か月半前 収録!

2022年4月からはEP1とEP2で29分ずつの番組にリニューアル。収録は各60~90分を目安としていますが、話が盛り上がって大幅に超えることもあります。

番組の構成として、聞き手と話し手を“スイッチ”するため、収録は場所を変えて2回行います。
 

プロデューサーK「話の流れだけ決めた簡単な台本はありますが、そのとおり進むことはまずありません。こちらの予想を超えてくる場合のほうが面白いので、できるだけ自由に話してもらっています。どんな展開になるかは、その時次第!だから制作する側も緊張の連続です。笑  対話するおふたりの距離や体の向き、ロケーションなど、ちょっとしたことで話す内容や雰囲気は変わります。コロナ禍以降は感染予防に努めつつ、本人たちがのびのびと話せるよう常に気を配っています」

 

5)放送約1か月前 編集・ナレーション入れ

現場の空気感や出演者の個性が伝わるよう、細かい編集が行われます。仕上げにナレーションを添えることで最後の“1ピース”がはまるのです。
 

プロデューサーN「長時間お話しいただいた内容を30分にまとめるにあたり、“現場の空気感”が最大限に伝わるよう意識しています。お互いにどこをリスペクトしているのか、何に感銘を受けているのか。また、台本にはなかった“化学反応”的な部分がキモでもあるので、話題が発展していく様、互いに高揚していく様を過不足なくお伝えできるよう、インサートVTRやナレーションで捕捉していくイメージです」
 

番組当初のナレーターは俳優の六角精児さんと吉田羊さん、そして2019年から平岩紙さんが。現在は満島ひかりさん岡田将生さんに担当いただいています。
 

6)放送約1週間前 完成!

最終調整をしつつ、番組が完成!
 

7)いよいよ放送!

ネットの評判を見たり、放送後に寄せられるメールを見たりして、より良い番組へのイメージを膨らませていきます。
 

プロデューサーN「聞き手がスイッチするのが番組の一番の醍醐味。“片方の人目当てで見始めたけれど、お相手のファンになってしまった”との声も多くいただきます。偶然の出会いで人生が変わったり潤ったりすることは多いですが、スイッチインタビューをご覧いただくことで、視聴者の方にも楽しい偶然を感じていただけたらうれしいです!」
 

NHKプラスでも配信をしていますので、今まで以上に幅広いタイミングでご覧いただけます。うっかり見逃した方はネットでぜひご覧ください!

スイッチインタビュー 見逃し配信(NHKプラス)


2013年と言えば大河ドラマは『八重の桜』、朝ドラは『あまちゃん』『ごちそうさん』でした。懐かしいと思うか、あっという間と思うか…。

これだけ番組が長く続けられるのも皆様の応援があってこそ。これからもどうぞよろしくお願いします!
 

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※こちらのブログは雑誌『NHKウイークリーステラ』(2021年12月24/31日号)に掲載された記事の一部をリニューアルして掲載させていただきました。