ファッションデザイナーの細川雄太は大阪生まれの40歳。
代表的なアイテムは、使い古しのミリタリー素材を利用した、すべて手作りで一点ものカバンやジャケットなどだ。
アメリカで人気に火がつき、ブラッド・ピット、ナオミ・キャンベル、オジー・オズボーンなど、海外のセレブリティが愛用。多くの有名アーティストとコラボ作品も発表している。
新作はすぐに売れ切れてしまうという、今、世界で注目を浴びるトップデザイナーが語る“アイデア”とは?
細川:僕、古いものを見るのが好きで、そこからのアイデアとか多いんです。
木梨:古いものの素晴らしさね。
細川:そうなんです。昔の人って手を動かして物を作っていたんだなってすごい思います。今は機械で流れるように、数多く作ったりする方が多分、もうかるんやろうなって。
木梨:そういう風に(手を動かして)作れる人たちが近くの人たちがいて、もし誰もやってないんだったら、俺やっちゃおうって。
細川:そうなんすよ。
木梨:アートだよ、これ。これ作品だよ。
細川:それもすごいんですよ。7時間ぐらいかけて1着できる胸の刺しゅうなんですけど、こんな細かく(柄を)出せないですよね。そういう職人さんたちが周りにいてくれて、本当に助けられて。何回もやり直して、ああだこうだ言いながら。
木梨:これジャンバー欲しいつって伝票きた時届かない訳だよ。なかなか待ってんだよ、(こっちは)ずーっと!笑。「職人の人まだかなあ~?」って。
細川:笑。でも、僕はこう出来上がった瞬間、一緒に仕事していた人とか買ってくれた人に驚いてほしいとか、「いいやんこれ」っていう顔が見たいから、それを原動力でやっているんですよね。
木梨:いい話するなあ~。今の(言葉は放送に)使われていますよ。笑。
木梨 :次から次へこうしようああしようっていうアイデアは?
細川:考えすぎても、迷子になりすぎたデザインになることもあるんですよね。
木梨:気持ちよく分かりますが、迷子はどの辺?
ワンポイントが迷子なのか、全体なのか。この線なのか、この生地なのか、どこが迷子になるの?
細川:細かいことで言ったらステッチ1本でも迷子になるし…全部ですね。ポケットの形も、首の開き具合とかも。全部、迷子になるっす。笑
木梨:納得いかなくなっちゃうと、結局迷子だらけになって「一回無し!」って。
細川:「こんなん作りたい」っていうのが50%ぐらいまでは前に進むときもあったり、後は曇っていて、とりあえず置いといて違うできるやつをやったりとか、そんな感じなんですよね。
1か月2か月考えて「やっとできた」より、パッて3秒ぐらいで考えて「こんなのでいいんじゃない」って作ったやつの方が売れるとか。笑
木梨:そうなんですよ!だから面白いんですよ!かといって、こっちはいい加減にやったわけじゃないし。練って練ったものと、パン!と思いついてひらめいたものと、それがこうダブルであると。
細川:そうなんですよね。
木梨:迷子って何でなるんだろうね。何にも発想なくいくからかな
細川:考えるからじゃないですか。笑
木梨:考えたら迷子になる!
細川:そうですそうです。
木梨:考えなきゃ迷子にならない!カーッなるほど!今日いい言葉ありがとうございます!
2022/12/5スイッチインタビュー「木梨憲武×細川雄太」EP1より