三上丈晴「陰謀論の“意図”を読み取れ!」

NHK
2022年8月15日 午後11:20 公開

日本一アヤシイとも言われる人気雑誌『ムー』のカリスマ編集長、三上丈晴。

UFOや超古代文明など、謎と不思議に満ちたこの世界の“真の姿”を追求している。

古代から続く「陰謀史観や風説」を見つめ続けてきた三上の目に、現代社会に渦巻く、フェイクニュースや陰謀論はどう映っているのだろうか?  

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渡部:今のご時世、いろいろな社会状況がありますけど、安易な陰謀論があふれかえり、信じてしまう方もいる。こうした“安易な陰謀論”というものをムー的に三上さんが見てみるとしたら、どんな考え方で向き合いますか。
 

三上:世の中、陰謀論、陰謀論っていうようになったのはここ数年ですよね。

10年前は陰謀論っていう言い方は騒がれないというか。少なくともテレビのニュース番組や新聞などでダイレクトに「陰謀論の危険性」という風には論じられなかったんですよね。

『ムー』の場合はそれこそ、40年以上も前から陰謀は語っているわけです。普通にフリーメイソンの陰謀とか、イルミナティの陰謀。「今ごろイルミナティ!?もう何周遅れ?」みたいな。

でも、それだけ一般の人が陰謀論、陰謀史観に関して免疫がないということなんですよね。免疫や知識がないから、安易に飛び付いちゃう、安易に信じちゃう、安易にそれを吹聴しちゃうっていうのは、もう変な話、『ムー』を読んでねぇからだよと。笑
 

読んでいればだんだん、リテラシーがつくというか。例えば「この陰謀論が――」って聞いたときに、検証で「ここ違ったな。それ違うじゃねぇか」みたいな、ただ単に肯定だけじゃなくて「検証の結果、これは虚構だ」と(考えることができる)。

「これ、ある種のフェイク、偽情報だね。でもなぜ出してきたんだろう?偽情報を出すということは、明らかに“意図”がある。その意図はなんなんだろう?」と、いろんなフェイクなり、陰謀の論説を個人的に分析、解釈する。そういう分析・解釈がないと、そもそも『ムー』を毎月読めないと思いますよ。そのぐらい毎号違う内容を言っている。
 

例えばUFOの正体について今月は「金星人だ」。次の号は「未来人、UFOはタイムマシーンだ」って言っときながら、次の号では「UFOに乗ってるのは地底人だ」ってね。「どれだよ!どっちだよ!」みたいな。笑

けれど「そういう説がある。でもここはこう。この説明はできるけど、こっちは違う」みたいなリテラシーがあるからこそ、本人の中で楽しめて、読み続けられている。気が付けば、怪しい情報に対する接し方ができてくるんですよね。
 

「陰謀論」は今、一般の人も目にするようになって数年だと思うんですよ。これが10年後、20年後になってくると、一般の人も「陰謀論」に対する接し方っていうのができてくると思うんですよね。
 
 

2022/8/15 スイッチインタビュー「三上丈晴×渡部陽一」EP2より