2022/4/18の『平野啓一郎×ryuchell』に出演いただいた、タレントryuchell(りゅうちぇる)さん。
ryuchellさんが語った「心に残る言葉」をご紹介します!
ryuchell:僕の本の帯で「割り切る、逃げる、闘わない、諦める」という言葉をいっぱい書いているんですけど、平野さんの世代って、勝手なイメージですけど「諦めるな、逃げるな、闘え」。
平野:そうですよ。もう根性論ですから。
ryuchell:そうですよね。でも僕の本、30代40代の方がすごく手に取ってくださっていて、たぶんその世代の方からしたら帯の表現って一瞬ネガティブに聞こえる。でも読んでみたら「ポジティブなんだ、こういう見方があるんだ」って思ってくださる方がいて。逆に若い子が読んだら「分かる」で終わるんですよ。
平野:なるほどね。
ryuchell:それこそ今、根性論っておっしゃいましたけど、世代間のギャップってありますよね。僕は平成7年生まれの、“Theゆとり”で生きてきたので、「諦める、割り切る、逃げる」はもともと得意なんですけど笑、それが社会に出ると、いろんな世代の方と交わって仕事するわけです。その時にはいくらゆとりでも頑張るときは頑張るし、やらなきゃいけない壁にはぶち当たるんです。
ちょっと極論かもしれないんですけど、夢は逆に持たなくていいぐらい、僕は流れて生きてきたので。ていうか僕、夢を持ったことさえないんですね。夢をかなえようと思うと、一本道しか通れないじゃないですか。でも僕、夢がない分、いろんな遠回りもしてきてあまり決め付け過ぎない。で、僕の中で柔らかい大人になりたいってずっと。夢としたらそれかなと思うんです。
平野:夢を持ってそれに向かっていく人生に慣れ過ぎちゃうと、夢の実現に必要ないものをそぎ落とし過ぎちゃうんじゃないかって気がするんですよね。
ryuchell:分かります。
平野:今、ryuchellさんがおっしゃったみたいに、いろんな経験をすることが結局は将来の自分を豊かにしていきますね。
ryuchell:めちゃくちゃ分かります。1日で考えたら効率って大事だけど、人生に効率なんて考えてないです。無駄な出会いもご縁ですし、絶対自分にいきる。結局、無駄な経験や本当に思い出したくないことってあるけど、悔しいけどそれがいきることはありますよね、今の自分に。
後半(EP2)は平野啓一郎さんの人気作家の創作の秘密に、ryuchellさんが迫ります。