カワイイカルチャーのアイコンとして世界中にファンを持つアーティスト、きゃりーぱみゅぱみゅ。
1993年、東京都田無市(現 西東京市)生まれ。小さい頃は内気だったというが、高校時代に訪れた原宿で、個性あふれるファッションに出会い、運命が大きく変わった。
原宿に通ううちにスナップ写真が度々雑誌に掲載され、人気読者モデルに。2011年、18歳でメジャーデビュー。楽曲「PONPONPON」は23か国で配信され、世界的アーティストから絶賛の声があがった。
そして半年後には、大ヒット曲「つけまつける」を発表。当時流行していた日本発のカワイイブームに乗って、邦楽アーティスト史上最多の73か国で配信。世界中のチャートでトップ10入りを果たした。
しかし、急激な環境の変化に悩んでいたきゃりーは、当時の心境をこう話したこともあった。
「芸能界ってこんなに大変なんだって思って…。外歩くだけでもプライベートのこといろいろ言われたりして、やめたいなとか考えたりしたんですけど…」
きゃりー:今思い返すと、“きゃりーぱみゅぱみゅ”っていう木と、“本名の自分”の木があった時に、きゃりーぱみゅぱみゅの木がばーって成長しちゃって、本名で名前を呼んでくれるのが両親くらいしかいなくなって。地元の友達も「きゃりーイェーイ」みたいな感じになっちゃって。で、「本当の私って何なんだろう」みたいな。どっちも自分ではあるんですけど、本当の自分を愛してくれているのは果たして…みたいな気持ちになっちゃって。
井上:今、“きゃりーぱみゅぱみゅ”と本当の自分に対するストレスは?
きゃりー:今はPerfumeのあ~ちゃんとすごい仲が良くて。で、あ~ちゃんが私のこと本名で呼んでくれるんです。で、そこから派生して、周りの友達もそうなっていったので、今、本名の木と“きゃりーぱみゅぱみゅ”の木が同じぐらいになってて。不思議とすごく心が満たされているというか。その時のモヤモヤは、芸名と本名と分けていたからあったのかなって思いました。本名ですか?
井上:本名ですね。でもアメリカでは本名よりもニックネームのMONSTERって先行して呼ばれるようになってますね。
きゃりー:そうなんですね。
井上:ヘビー級じゃないですし、体も大きくないんで、最初はMONSTERって言われることにすごい嫌だなって。
きゃ:そうなんですね。
井上:MONSTERって言われる試合をしなきゃいけないとか。そのプレッシャーとかはあって、最初はちょっと嫌でしたね。
きゃりー:MONSTERの木と、尚弥の木が大きくなっていく…。
井上:まあでも、自分としてはありがたいなと。そのニックネームが先行して覚えられるようになったんでね。
井上:アーティストとしてのゴールというか。自分は、プロボクサーは35歳までって話しましたけど、きゃりーさんはどういうゴールを。
きゃりー:なんとなくのイメージは「やりたいことをやらなくなったらきゃりーぱみゅぱみゅは死ぬ」と思ってます。
井上:じゃあそこが何歳であろうが、アイデアがなくなったり、やりたいことがなくなったりしたら…。
きゃりー:Dieって感じですね。Dead。それが来年なのか70歳なのか、ホント、自分でも分からないんですけど。結構ファンの方が、(私が)そういうことばっかり言ってるから心配してて。今回結婚したこととかも、「きゃりーちゃん、もうライブやらなくなりますか?」とかすごい聞かれますけど、全然そんなことはなくて。バリバリ楽しくやっていくよ!っていう感じではあるんです。
あ、でも1個戦っていきたい部分があって。18歳でデビューして原宿系というスタートでいると、特に日本って年齢とか劣化みたいな部分に結構厳しくて。「いつまでこのキャラでやるんですか」「もうオワコンでしょ」みたいな声とか本当に、蓋を開けると届くんですよ。ですけど、30歳40歳ここから先、進化していきたいし、女子は若いうちが一番かわいくていいみたいなのを塗り替えていきたい。
井上:貫いてほしいですね!
きゃりー:頑張ります!
2023/7/21 スイッチインタビュー「きゃりーぱみゅぱみゅ×井上尚弥」EP2より