斎藤司「自分がこだわっていたところと逆の行動をしたら全部好転した」

NHK
2023年5月26日 午後9:59 公開

お笑いコンビ、トレンディエンジェル・斎藤司。

1979年生まれの横浜市出身。大学卒業後にお笑い事務所の養成所に入り、2005年に相方たかしと「トレンディエンジェル」を結成。キレのある自虐ネタで、2015年には若手漫才師日本一に輝く。

印象的な決めゼリフ「斎藤さんだぞ」は流行語大賞にノミネートされ、幼い頃から憧れていたアイドル顔負けの人気に。このセリフが生まれた秘話とは。


ISSA:あれはどういうところから生まれたの?

斎藤:出番の日に、僕がたかしとのネタ合わせの時に言い争いして。たかしが怒ったからムカついて「何やねんこいつ」と思って。
で、いつも、たかしから僕に「ネタ何にする」って聞いてくるんですよ。けどその時、何も言わずに「あん?適当にやるよ」みたいな感じで尖って、舞台上に出て。そしたら途中で、止まっちゃったんですよ。そうしたら、たかしが悪いやつなんで、俺のピンチを喜んで、「どうするの」って笑ってるんですよ。笑

ISSA:いきいきとして。笑

斎藤:ピンチで「どうするの、斎藤さーん」ってたかしが言ったから、俺がその時「うるせえな!どうでもいいんだよ!俺を誰だと思ってるんだ、斎藤さんだぞ」ってやったんですよ、ノープランで。それがドカンってウケて。「斉藤さんだぞ」でそのまま終わって「最悪だったよ」って帰ってきたら、先輩が「めちゃくちゃ面白いぞ。意味わかんないもん」とか言われて。

ISSA:急にね。笑

斎藤:急に。「意味わかんないよ」って言われて生まれたんですよ。だから結局、自分がこだわっていたところや、自分が思っていたものと逆の行動をしたら全部好転した、みたいな。

ISSA:ピンチをうまくチャンスに変えられたんじゃない?

斎藤:そうなんですよね。

2015年、芸人として頂点を極めた斎藤は、売れっ子として様々な番組に呼ばれるように。誰もが羨む生活に見えたが…。


斎藤:なんか…急につまんなくなっちゃったんですよね。今考えたらすごい怠けてたなと思うんですけど、M-1を取るっていう目標を叶えてしまって。

ISSA:芸人さんの中では目標というか。ちょっと燃え尽きじゃないけど。

斎藤:本当にそうだと思います。吉本ってM-1の比重がでかかったんですよ。当時の芸人間でね。だからM-1は漫才、とにかく漫才。取っておけば、とりあえずは一生安泰だ、みたいな。で、M-1出た後で、他の仕事…テレビに呼ばれることを“当たり前”と思ってた自分がどこかにいたんでしょうね。だから、なんとなくしゃべらなくても大丈夫かみたいな。

ISSA:今(ワイプで)抜かれてないんだろうなとか、ここは誰かしゃべっているから今行かなくてもみたいな。

斎藤:もっとネガティブですね。映されていても、「別にそんな面白いこと言わなくても、また呼ばれるんだろうな」みたいなくらいのマインドに1回入っちゃって。当然、そんなわけないじゃないですか。本当に結果を出さなければいけない一番大事なゾーンに、結果的にサボってたんですよ。

ISSA:そうだったんだ。その後いろんな影響はあったの?

斎藤:だからもう、お笑いをやる自信もなくなっちゃって…。

振り返れば、自分は捨て身でスベってもいいやっていう感じで前に出てたんですよ。劇場でも、M-1とかの前だってテレビとかで何もないけど出て、「何もないじゃないか!」(と突っ込まれる)みたいな。

とりあえず前に出ることが大切だと思っていたけど、そのマインドがなくなって「俺はあんまり格好悪いとこ見せない方が良いな」みたいな感じになっちゃって。そしたらどんどん自信なくなって。で、結果的にどんどん「あれ、俺芸人なのかな?」って思っちゃったんですよね。

ISSA:自信を無くしかけてから、今のモチベーションに来るまで、どういう風にマインドを持って行ったの?

斎藤:やっぱ相方たかしの存在がでかくて。たかしって本当に変わらないんですよ。普通に移動で一緒に電車とかも乗るじゃないですか。たかしって、帽子外してゲームをやるんですよ、普通に。みんな「たかしだ、たかしだ」って言うじゃないですか。でも関係ないんですよ。たかしからしたら。

ISSA:自分のスタイルを何も崩さない。

斎藤:たかしは「だから何なの」っていう感じで。そうしてる時に、ツバ広帽子で隠れている自分がすごくカッコ悪く見えて。「何やってんだ俺は。ダセえな。マイケルジャクソンでもないんだから。何してんねん」と思って。そこはちょっとでかかったですね。
 
 

2023/5/26 スイッチインタビュー「ISSA×斎藤司」EP2より