ことしデビュー16年目を迎えるKAT-TUNの亀梨和也は、アイドルや俳優と、第一線でマルチに活躍している。約12年前、亀梨が過密なスケジュールの中で癒されていたのが、漫画家でイラストレーターのわたせせいぞうが描く漫画『ハートカクテル』。わたせの絵を自宅に飾り、毎日寝る前に眺めるほどの大ファンだ。
わたせは、サラリーマンとして働きながら38歳で『ハートカクテル』の連載をスタート。2年後、人気に火が付くと脱サラし、漫画家として独立した。
40歳にして大きな決断をしたわたせに、36歳の亀梨が聞いてみたいこととは…
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亀梨:最近すごく思うのが、若いころ、10代20代って今より失うものも築き上げているものは全然無いなと。年々歳を重ねて今、36歳なんですけど、ちょうどその難しさ、イケイケだけではない自分の弱さも少しずつわかってきて。
わたせさんは、自分の年代ごとのモチベーションや心のコントロールをどのようにされていましたか?
わたせ:僕は常に、年初の言葉が“チャレンジ”なんですよ。毎日チャレンジ、挑戦するってことを人生で決めてるんですね、
挑戦する気持ち、闘争心がなくなったらダメだと思います。「これでいいや」は絶対ダメ、そうなったら僕はもうペンを置く。毎日チャレンジですよ。
亀梨:これまで満足というものはないですか?
わたせ:その時は最高のものだと思います。でも次の日は「昨日よりいいものを描こう」と思う。それの積み重ねなんですね。
僕は亀梨さん、すごくバランスいい方だと思います。
亀梨さんの色んな記事を読んで「パリが好き」っておっしゃってましたよね。パリも好きだけども日本の和が好きというところ。
それから亭主関白がっていいなって言いつつ、ジェントルマンでありたいところ。
亀梨:そうですね。真逆なんですよね。
わたせ:僕、いい男というのは“東京のような男”だと思うんです。
東京というのはとても清潔で、真面目で正義な部分と、それから悪しき猥雑(わいざつ)なところがある、両極端ですよね。二つを持ってる、それが東京の魅力だと思うんですよ。
亀梨さんは両極を持ってる。話を聞いてると「亀梨くんって東京だ」と思ったんですね。僕の憧れた東京。
亀梨:うれしい…。そう言っていただけてすごく僕の中で救われた部分が。アイドルというところからスタートさせていただいて、俳優業もスポーツもやらせていただいて、わかりやすく言うと“器用貧乏”という言葉もある中、年々「どこかでもっと絞っていかなければいけないのかな自分」と考えて。とはいえ、自分っぽいなっていう感じもあるんですよね。
それを「バランスがいい」と言っていただけたので救われました。
わたせ:まぁ艶男(つやおとこ)ですから。
亀梨:ありがとうございます。笑
2022/6/13 スイッチインタビュー「亀梨和也×わたせせいぞう」EP1より