森保一「1次リーグは、心の底から最高のグループに入ったと思いました」

NHK
2024年1月16日 午後4:43 公開

サッカー日本代表監督、森保一。世界が熱狂したFIFA ワールドカップ カタール 2022で、日本はドイツ、スペインというワールドカップ優勝経験もある強豪国を次々撃破。森保は見事、日本をベスト16へと導いた。

芸人・明石家さんまが、森保の世界への熱い思いに迫る。  


さんま: 僕は68になったんですけど、今の日本のサッカーが信じられないんですよね、たまにふと「えっ、日本がここまでやれる?」って脳で今も見てる感じなんですよ。50年前のサッカーと比べてしまうので。

森保: 僕は今、プレイヤーではないですけど、監督として日本のサッカーの成長の中で、あと世界の競争力の中でも互角に戦っていけると感じさせてもらっていますけど、おっしゃるとおり、「自分の脳と選手の脳はちょっと違うな」って思いながら、監督させてもらっています。

さんま: ずれているよね。ちょっといつも驚いているんだ。

森保: はい、驚いています。

さんま: 監督のサッカーも時代によって全然変わってきているでしょう?「あれっ?こんな、ええのか」とか。

森保: 思います。もちろん監督として、選手に与えなければいけないもの、伝えなければいけないもの、戦術的なこととかいろいろありますけど、今の選手たちを見ていたら、「あれっ、脳ちょっと違うよな、すごっ!」と思いながら驚かされること、すごく多いです。

さんま: 要するに「チャンピオンになろう」という気持ち、あるもんね。俺らは「何を言うてんねん、まだ早いぞ」という感じがどうしてもあるんですけれども、すごいレベルが上がってきているのは事実で。
  

2022年、カタールで行われたワールドカップでは、日本は強豪ドイツ・スペインと同じ組になった。  

さんま: ワールドカップって、もう1年前になるんですけれども、ドイツとスペインが入っているときに、わちゃーと思ったことなかった?

森保: いや、そんなことないです。

さんま: うそっ。

森保: ほんとに心の底から、最高のグループに入ったと思いました。

さんま: えええっ、というのはなかった。

森保: ええっ、はないですね。たぶん、そのときの表情あるかどうかちょっとわからないですけど、ドローのときの。もうほんとに最高だと思って。むしろ、「そこに入れ」と思っていましたから。

さんま: ははあ。

森保: なぜかといいますと、まずは選手がもう、普段スペインリーグやドイツのリーグでやっていて、「もちろん相手はすごいけど、俺たちやれるよ」という雰囲気は、もうずっと活動の中で感じさせてもらった中で、勝つチャンスはあると思いながらやっていましたし、仮に勝てなかったとしても、日本が将来ワールドカップで優勝するためには、やっぱり本物を知らないといけない。

さんま: もちろん。

森保: 一流を知らないといけないというのをすごく思っていて、ワールドカップで優勝経験のあるドイツであり、スペインと戦えることが、もちろん勝つために戦いますけど、そうでなかったにしても、自分たちに何が足りなくて、何ができたのかということを、将来的に生かせると考えていました。

現実でいうと、世界のチャンピオンになるためには、学ばなければいけないところはまだまだありますけど、絶対チャンスはあると思っていますし、何よりも選手たちが、ヨーロッパで戦っている選手たちの影響もあって、国内の選手も「えっ、世界でやれるでしょう。もちろん相手は強いけど、俺たち勝つチャンスあるよね」と思いながらほんとにやれていて、選手たちのメンタルはすごいなと思います。
 

ワールドカップベスト8進出を掛けたクロアチア戦。

43分。コーナーキックからのセットプレーで、前田が先制のゴールを奪う。だが、クロアチアも55分、強烈なヘディングで同点に追いついた。

延長でも決まらず勝負はPK戦へ。先攻を取った日本は、1人目の南野、続く三笘、吉田も外した。クロアチアに敗れ、日本のワールドカップは終わった。  

さんま: あのPK戦のときは、順番を間違ったとか思ったんですか。

森保: PKは、挙手制でやったんですね。

さんま: そうかそうか。そんなこと言うてたな。

森保: そうなんですよ。試合終了間際のときにコーチと相談して、順番は決めていたところもあるんですけど、結果、私が決断したのは挙手制で。そこで自分が蹴る自信がある選手に蹴ってもらおうということでやりました。

さんま: そうしよう!と思ったんだ。

森保: 理由は、順番を決めてやるのは、もちろんなんですけど、私の過去の経験で、挙手制でやってきた中で勝っている確率が高かったんですね。

さんま: それまでもチームでやっていたんだ、挙手制を。

森保: そうなんですよ。それで勝っている確率が高かったので、そうしたほうがいいと言って、順番を決めていたのをなくして、選手たちと円陣を組んだときに選手たちに話して決めました。

さんま: 挙手制でいくと。

森保: あとは、PKって勝つか負けるか。もちろん、わからないところはあるじゃないですか。挙手制にすることによって、選手がみんな本音を言うと、失敗したくないから蹴りたくないという選手もいっぱい。笑

さんま: 俺は絶対、手を上げていない。俺の性格からいくと。

森保: さんまさんもサッカーされていたので、ご存じのとおり。

さんま: ええ、ちらっとね。

森保: あの場に立つと、足すくんで、ゴールもほんとに何か大きく見えたのが、とても小っちゃく見えて。

さんま: 監督は何回ぐらい蹴ったことあるんですか。

森保: 私も現役時代、5~6回は蹴ったことありますけど外しています、確率は低かったほうなので。

さんま: 半分ぐらい外している。PKは嫌やもんね。

森保: 究極のプレッシャーの中で、でも、勇気を持って「俺が蹴る」と言ってくれることが、まず今後の成長につながるなと思って。決めても決めなくても。

さんま: ああ、そうかそうか。今じゃなくて今後に。

森保: はい。その勇気を持つことが大切だということを、自分の中で思っていたのでやったんです。

終わってみて今、次、どうするかというと、最終的にはわかりませんけど、でもオーダーはちゃんと決めて、どうやって蹴るという順番や、相手のことを分析してどこに蹴るっていうのは、もっともっと詰めていかなければいけないとは思いますし、今度はたぶん、順番を決めるとは思います。そう思いますけど、あの時点では、過去の自分のデータの中では一番、勝つ確率が高いということと、やっぱり選手の成長ということを、はい。
 
 

2024/1/12 スイッチインタビュー「明石家さんま×森保一」EP2より