小田切ヒロ「自分が悲観的に思っていればいるほど、めちゃくちゃチャンス」

NHK
2022年12月26日 午後11:19 公開

美容をテーマにした動画で注目のヘア&メイクアップアーティスト・小田切ヒロ。フォロワー数は2年で50万人を突破するほどの人気だ。

バズった理由は、個性を生かして美しく変身させるメイクアップ術に加え、愛と毒舌の塩梅が絶妙のキャラクター。小田切のファンで、YouTubeチャンネルをよく見るという俳優・高畑充希が、“小田切語録”の源を聞く。

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高畑:私、関西人だから、身近な人を…言い方難しい。ちょっといじったり、ディスったりして、信頼を深める文化なんですよ。だから、ちょっと毒がある人の方が信用できる節があって。
 

小田切:なるほどね~。
 

高畑:小田切さんの“毒”の塩梅は考えてやってらっしゃるのか、自然と?
 

小田切:実は、自然です。
 

高畑:そうなんですね。
 

小田切:そう。私も、自分がお話したYouTubeをもう1回見直したり、チェックしたりするんですけど、なんで自分がこのテンションでしゃべっているのかわからないんですよ。
 

高畑:はははは!笑
 

小田切:本当に。もちろん台本があるときもあれば、計算してるときもあるんですけれども、その言葉のセレクト自体は結構、自然に出てきている。そのときの気分とテンションと、今までの生い立ちだと思います。
 

高畑:なるほど。
 

小田切:例えば、お料理でもそうですけれど、なんでも甘ければいいってものでもなく。そのお料理の中にちょっとしたスパイスとか、ちょっとした辛味とか、そういうものがあることによってコクがあって深みが出るのと一緒で。YouTubeもそうなんですけれども、言葉選びもいいことばかり言っていると、なんだかぬるくなってくるというか、だらけてきてしまう。ちょっとしたスパイスや毒を入れることが、全体のその深みや味になる。で、その毒の使い方は、私の今までの人生だと思います。いじめられていた経験、辛かった、どん底だった経験が、今のその1割の毒を入れる、いい塩梅にもってけるスキル。
 

高畑:全部が糧になって。
 

小田切:糧になっていると思いますね。ただ生きているだけでも、もちろん幸せ。けれども、人間なりに深みとか味、そしてメイクアップでいう“色気”。色気は、その人の経験値。山あり谷ありの人生経験の中で、自分の痛みや人の痛みにも共感できるスキル、それがとても重要だと思う。

そういうことがどんどんどんどん積み重なっていくと、その味とか仕草とか、色気になってくると思います
 

高畑:やっぱり色気大事ですか?
 

小田切:色気大事よ~!そうよ~!
 

高畑:あはは!笑
 

小田切:やっぱり、輝いている人ほど、どこかちょっと影があったり、毒があったり。そこが引き付けられる秘けつだと思うので、自分もそういう人間であったらいいなって。自分の欠点、ネガティブや毒な部分、そこを活かさないともったいないって思ったときから、言葉にするようになりましたね。
 

高畑:今、見てる人もきっと多分、勇気をもらえる。
 

小田切:うれしい〜。
 

高畑:ちょっと小田切さんに叱られたい!みたいなところがありますよね。
 

小田切:本当ですか?なんでもそうだと思いますけど、プラスとマイナスをうまく使い分けるというのがとても魅力なんじゃないかなって思うんです。

ご視聴してくださっている方の中にも、美容にネガティブに思ってらっしゃる方もいると思うんです。「私がやっても意味ないわ」とか、「高畑さんだからキレイなんでしょ」って思ってらっしゃる方もいると思うんですけども、その中にもちょっとでも光って絶対にあるんですよ。絶対、いいところがあります。
 

高畑:うん。
 

小田切:それを引き出せたとき、ネガティブに思っている感情が絶対にバネになるんですよ。だから、自分が悲観的にマイナスに思っていればいるほど、めちゃくちゃチャンスなんですね。
 

高畑:この言葉、みんな、すごく力になっているはず。
 

小田切:本当?うれしい~。
 
 

2022/12/26 スイッチインタビュー「高畑充希×小田切ヒロ」EP2より