「食物アレルギー」のトリセツ

NHK
2023年8月3日 午後7:50 公開

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【トリセツ01 食物アレルギーの原因は触ること!】

大人の食物アレルギー は半数が 野菜と果物

食物アレルギーは子どもに多いというイメージがありますが、近年では大人に増えていると言われています。発症する食物はおよそ半数が果物や野菜。そして何より食物アレルギーになる原因が同じものを食べ続けるなどの「食べること」ではないのです。

Point 原因が意外すぎて気づけない食物アレルギー

納豆アレルギーの患者さんたちは、その原因意外すぎて自分のアレルギーにすぐには気づけませんでした。その原因は、なんとクラゲ刺されたこと!患者さんたちはサーフィンダイビングの愛好者。皆さんクラゲに何度も刺されていました。その毒針にはポリガンマグルタミン酸という物質が含まれますが免疫細胞は肌から侵入した異物と判断、専用の抗体を作ります。一方、納豆のネバネバの主成分もポリガンマグルタミン酸。だから納豆を食べると免疫が反応してアレルギーが起こるのです。大人の食物アレルギーは肌や粘膜からの侵入によるものが多いのです。

Point ほかにも!触ることで食物アレルギー!

触ることで食物アレルギーになる不思議な例はまだまだあります。

  • 犬を飼って牛肉・豚肉アレルギー

★犬を飼う→山で散歩→犬にマダニがつく→人がマダニにかまれる→マダニのだ液のアレルギーになる→牛肉や豚肉にも同様のアレルギー物質(アレルゲン)があり、反応を起こす。

  • インコを飼って卵・鶏肉アレルギー

★インコを飼う→羽毛を吸い込む→羽毛のアレルギーになる→卵や鶏肉にも同様のアレルゲンがあり反応を起こす。

  • ラテックス手袋でバナナアレルギー

★医療従事者がラテックス手袋を使う→手袋に天然ゴムラテックスのアレルゲンが含まれアレルギーに→バナナにも似た形のアレルゲンがあるため反応を起こす。

※現在、医療現場などではラテックス手袋は使われないようになってきています

※これらの原因で必ずアレルギーになるわけではありません

※表記された食べ物は代表的なもので、ほかにもアレルギーを起こすものがあります

Point 花粉症で果物・野菜アレルギーに!

意外な原因でなってしまう食物アレルギー。最も身近で患者数が多いと言われるのが花粉症が原因でなる食物アレルギー。例えばシラカバ(シラカンバ)花粉症リンゴモモなどでアレルギーを起こします。

スギ花粉症では、まれですがトマトのアレルギーになる可能性があります。その原因は花粉果物や野菜のたんぱく質に似た部分があること。免疫が両方に反応してしまうのです。

対策 触らないことでまた食べられるように!

刺される 吸い込むなど肌や粘膜に触ることが原因食物アレルギーはアレルゲンに触らないことで改善が可能!

▼花粉症が原因の食物アレルギー対策

花粉症が原因食物アレルギーは、花粉に触らない吸わないなどで症状を悪化させないことが可能。また現在 食物アレルギーでない人予防することも可能

花粉の時期に部屋の窓を開けっぱなしにしない

きちんとマスクをする

など、当たり前の花粉対策をしっかり実施することが食物アレルギーの対策にもなります。

触りすぎが原因の小麦アレルギー対策

触ることでなってしまう食物アレルギーアレルゲンに触らない生活を続けることで体内の抗体が減り、また食べられるようになる可能性があります。ベーカリーカフェを営んでいた高橋章子さんも小麦の触りすぎが原因と考えられる小麦アレルギーでしたが、3年ほど小麦を触らない生活を続けたところ、またパン食べられるようになりました。

⚠ 症状の改善には個人差があります。必ずアレルギー専門医の指導に従ってください。

【トリセツ02 食べても症状が出ない食物アレルギーがある!】

Point 運動が食物アレルギーのきっかけになる

アレルゲンを含んだ食べ物を食べただけでは症状が出ず、運動すると発症する食物アレルギーがあります。原因は運動すると血行が増してアレルゲンが体中に届くこと。「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と言われ、患者さんは症状が出たり出なかったりするので自分が食物アレルギーなのか判断に困ります

走る検査で診断可能!

自分では気づきにくい運動誘発によるアレルギーですがアレルギー専門医なら検査で診断可能です。ひとつは運動負荷試験。アレルゲンとなる食べ物を食べたあとトレッドミルなどで実際に運動して症状が出るか確認します。ただ応急処置が可能な医師が複数名必要なので実施できる施設は少数です。近年は血液で診断できる検査もあるので、心配な場合はアレルギー専門医へ相談することが大切です。

対策 食事の工夫で症状をコントロール!

運動するか?しないか?で食事を変える!

(小麦アレルギーの人の場合)

★食後に運動する場合→小麦を食べない

★食後に運動しない場合→小麦を食べてOK

※食後2~4時間は運動すると症状が出る場合があります

運動以外でアレルギーを起こしやすくするもの

運動一般的な食物アレルギー起こしやすくする場合がありますさらに、運動以外にも食物アレルギー起こしやすくするものがあります。

⚠ 必ずアレルギー専門医の指導に従ってください

対策 アレルギー専門医の探し方!

食物アレルギーの専門医アレルギーポータルというサイトから検索できます

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検索方法

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