「呼吸」のトリセツ

NHK
2022年7月7日 午後7:55 公開

「呼吸のトリセツ(取扱説明書)」ダウンロードはこちら

http://www.nhk.or.jp/program/torisetsu-show/2022_kokyuu.pdf

【トリセツ01 心身ともに健康になる呼吸のヒミツとは?呼吸を深くして、その数を減らすこと】

■ポイント 不調を抱える人の多くは 肺を十分に使えていなかった!

不安や肩こり、冷え症などのプチ不調を抱える人たち28人の肺を調査したところ、22人が実年齢より“老いた肺”を持っていることが判明!指標としたのが「機能的残気量」。これが多い=老いた肺だというんです。一体どういうことでしょうか?

■機能的残気量と呼吸の数の関係

「機能的残気量」とは、息を吐いたとき肺の中に残る空気の量のこと。これが多いと、新しく吸える空気の量が減るので、“肺を十分に使えていない”ことになります。

「機能的残気量」は、老いるほど増えていく傾向にあり、老いた肺ほど、浅く速い(回数の多い)呼吸になる傾向があります。逆に「機能的残気量」の少ない、若い肺ほど、深くゆっくりした(回数の少ない)呼吸になります。老いた肺と若い肺の違いは呼吸の数にあらわれるのです。

【呼吸数を減らしてプチ不調改善、そのメカニズム】

では、心身の不調と呼吸数はどんな関係があるのでしょうか?カギを握るのが、呼吸と脳、そして体のつながりです。

まず老いた肺の速い呼吸。速い呼吸をすると、呼吸に関連する脳の扁桃(へんとう)体が興奮。すると交感神経を通じて、心拍数上昇・血管収縮が起こります。その結果、血流が悪くなりコリや冷え症の原因となると考えられるのです。

一方、若い肺のゆっくりした呼吸の場合は扁桃(へんとう)体が鎮静。すると副交感神経を通じて、心拍数低下・血管拡張が起こります。その結果、血流がよくなりコリや冷え症が解消すると考えられるのです。

また、扁桃(へんとう)体は、怒りや恐怖などの感情もつかさどっています。そのため、呼吸数を減らすことによってもたらされる扁桃(へんとう)体の鎮静化により、不安感やストレスの解消が期待できるのです。

※不安やプチ不調にはさまざまな原因があり、呼吸の数を減らすことでこれらが必ず改善するわけではありません。

【トリセツ02 超カンタン 誰でもできる 自然に呼吸を減らす方法】

■ポイント 呼吸ストレッチでAlways(常に)深い呼吸に!

一口に呼吸回数を減らす、と言っても24時間深呼吸をし続けるのは無理。そこでオススメなのが、呼吸ストレッチ1回5分で常に深い呼吸が期待できます。

“呼吸筋”を柔らかくして深い呼吸に

実は、肺は自力では伸び縮みできないただの“空気袋”のようなもの。肺を伸縮させているのは、約15種類の呼吸筋と呼ばれる筋肉たちです。これらが硬くこわばってしまうことが、深い呼吸ができない原因。呼吸ストレッチは呼吸筋を柔らかくし、意識せずとも、自然に深くゆっくりした呼吸ができるようになる手助けをします。