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【トリセツ01 乾燥すると肌がかゆくなる理由とは?体の中であるものが伸びていた!】
■ポイント 乾燥によって伸びる「かゆみ神経」
冬になると乾燥して肌がかゆい。そんな悩みの大きな原因の一つが、皮膚のかゆみ神経が伸びてしまうこと。
普通の肌と乾燥肌を比べてみると、乾燥肌の方に緑色に光るものが多く見られます。これこそがかゆみ神経。皮膚の表面近くまでかゆみ神経が伸びてしまうことで、わずかな刺激でもかゆみを感じやすい状態になってしまうんです。
●かゆみ神経はなぜ伸びる?
皮膚は表面から表皮、その下にある真皮に分かれています。かゆみ神経があるのは通常、真皮の層まで。そもそも、かゆみ神経には伸びようとする性質があります。敏感になることで、虫などの異物を排除しやすくし、体を守るためだと考えられています。その伸びを抑えてくれているのがセマフォリン3Aというたんぱく質。
しかし、乾燥により皮膚から水分とカルシウムイオンが抜け出すとセマフォリン3Aは生み出されなくなります。その結果、かゆみ神経が伸びてしまうんです。
●皮膚は摩擦に弱い!
さらなる悪循環を招くのが、皮膚をかきむしること。皮膚をバリアーのように覆う角層は摩擦にとても弱いんです。
比較してみると、角層がしわくちゃになっているのが分かります。すると水分とカルシウムイオンがさらに減り、セマフォリン3Aもますます減少。さらにかゆみを感じやすい状態になってしまうんです。
※かゆみの原因とメカニズムは多くあります。すべてのかゆみの原因が神経の伸びによるものではありません。
【トリセツ02 かゆみ神経の伸びを抑える!最強の保湿法「3T塗り」】
■ポイント 保湿剤の塗り方3T塗りとは?
かゆみ神経の伸びを抑える方法こそ保湿!今回オススメする保湿の方法が3T塗りです。
ポイントは3つのT!
①量はTappuri(たっぷり)
②塗り方はThirty(30回)
③頻度はTwice(2回)
たっぷりの量の保湿剤を、30回優しく塗り伸ばし、これを1日2回行うという保湿法!
■ポイント かゆみ神経の伸びは保湿で抑えられる
実際に乾燥肌にしたマウスに保湿剤を塗ると、神経の伸びを抑えられることが分かりました。
【3T塗りの詳しいやり方】
▼やり方① 量はたっぷり
目安となるのは、人さし指の第一関節までの量。専門的には1FTU(Finger Tip Unit)と呼ばれています。この量が、手のひら2枚分の面積に塗る適量。
塗ると、ティッシュが貼り付くくらいになるはずです。手のひら2枚分の面積は、おおむね腕のひじから先の部分と同じくらい。
体の各部位に対する塗る量の目安はこちらです。
▼やり方② 塗り方は30回塗り伸ばす
塗り伸ばす回数の目安となるのは30回。皮膚は摩擦に弱いので、ゆっくり優しく塗り伸ばしましょう。
▼やり方③ 頻度は1日2回!
オススメは朝と夜。着替えの時や入浴後など、肌を露出した際についでに塗ると、面倒くささが少し軽減!洗面所やベッド脇など目に付くところに保湿剤を置いて、塗り忘れを防止するのもオススメ!
【3T塗りのパワーとは?】
●塗りムラが減少!
保湿剤を「たっぷり・30回」塗ってもらうと、ふだんの塗り方に比べて塗りムラが減少!
●保湿剤が深く浸透!
番組が行った実験では30回塗り伸ばすことで、保湿剤が約3倍深く浸透することが分かりました。
▲取扱注意事項▲
●保湿剤でかゆみが取れないときは?
保湿剤を塗ってもかゆみが取れないときや、かぶれや湿疹などが起きた場合は、すぐに使用を中止して皮膚科医に相談してください。
●保湿剤の種類による違いや注意点は?
今回データを紹介したのは、ヘパリン類似物質という成分が含まれる保湿剤です。尿素やセラミド類似物質など保湿成分は多くありますが、効果にあまり違いはないと考えられています。
ベタつくのが苦手な人には、液状のローションや泡状のフォームなど、ベタつきにくいタイプの保湿剤もあります。
ヘパリン類似物質には血行促進効果もあるため、それによってかゆみが生じることもあります。
自分に適した保湿剤については皮膚科医に相談してください。
●保湿剤はすべてのかゆみに効果があるの?
かゆみの原因には、
▼腎臓や肝臓など内臓の病気によるもの
▼精神的な原因によるもの
など、さまざまなものがあると考えられています。
保湿剤はすべてのかゆみに効果があるわけではありません。
かゆみが取れない場合は、その原因を特定するためにも皮膚科医に相談を!