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寿命を左右する臓器!? 腎臓ケア&最新情報
近年、腎臓のコンディションが寿命や健康に大きく関わっていることがわかってきました。このトリセツでは腎臓病の中で最も患者数の多い、慢性腎臓病(CKD)の対策ポイントをお伝えします。
そもそも腎臓ってどんな臓器?
腎臓の主な役割は血液の老廃物や毒素をこし取って尿を作ること。腎臓が壊れると人工透析が必要になります。週3回、1回4、5時間かけて血液をろ過しなければなりません。
腎臓の機能低下が他の臓器にも影響する!
近年は、人工透析が必要なほど腎臓が悪化していなくても、わずかな機能低下が心疾患や脳卒中、認知症のリスクになることがわかってきました。慢性的に腎機能が低下している慢性腎臓病の場合、心疾患や脳卒中になるリスクが約3倍、認知症になるリスクが1.7~2.6倍になると言われています。
【トリセツ01 夏に注意!意外なリスク&対策】
Point 脱水で腎臓病に!?
腎機能を悪化させる主な原因は「糖尿病」「高血圧」「肥満」「喫煙」これらに加えて、新たにわかってきたのが脱水による腎機能の低下です。
脱水=腎臓の酸欠
実は、腎臓は血液をろ過して尿を作るときに、大量の酸素を消費するため酸欠になりやすい臓器。脱水状態になると腎臓に流れる血流量が低下。すると血液から運ばれる酸素量も減少してしまいます。ひどい脱水状態が続くことで組織が壊れてろ過機能が低下してしまうのです。
世界各国で報告される脱水の影響!
中央アメリカに位置するエルサルバドルでは、腎臓病を患う事例が数多く報告されています。患者の多くが農業従事者など暑い環境で働く人たち。研究が進められる中で大きな原因の一つが脱水だと考えられており、対策も進められているのです。日本でも夏は特に脱水に注意。慢性腎臓病患者の中には夏に腎機能(eGFR)が急激に低下し、それがきっかけで腎機能の低下が進んでしまう症例が報告されています。
腎臓をいたわる!水分摂取のポイント
Point① 腎臓からのSOSはのどの渇き!
のどの渇きを感じたとき、すでに体は脱水状態になっている可能性が高い。のどの渇きを感じたら放っておかず必ず水分摂取を。お茶など糖分の含まれていない飲み物もOK!(アルコールは×)
Point② 特に注意したいのはこんな人!
● 慢性腎臓病の人 ● 高齢者
● 水分摂取の習慣がない人 ● 熱中症のリスクがある人
慢性腎臓病の診療ガイドラインによると軽度から中程度の慢性腎臓病の人の水分摂取量の目安は1日に1~1.5Lとされている。
*注意* 水分摂取の制限が必要な人
以下の人たちは水分摂取の制限が必要な場合があります。必ずかかりつけ医に相談してください。
● 腎臓病がかなり進行している人
● ネフローゼ症候群という腎臓病の人
● 心臓病 肝硬変
など医師から水分制限の指導を受けている人
【トリセツ02 腎機能低下にいち早く気づく方法】
Point 血液検査で腎機能を見える化!
腎臓ケア2つ目のポイントは腎機能の低下にいち早く気づいて対策すること。ところが、腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状が悪化しても自覚症状がほとんどありません。そこで、健康診断表から自分の腎機能を知るための方法をご紹介します。
eGFRを知ろう!
腎機能を知るために役立つのが血液検査の「eGFR(推定糸球体ろ過量)」の項目。血液をろ過する糸球体の機能が何%残っているかを示す目安。eGFRは、血液検査でわかります。もしも項目が血液検査の結果になくても「クレアチニン値」と「年齢」からでも割り出せます。
※クレアチニンは40歳から74歳が対象の特定健診の推奨項目です。
尿検査も大切に!
検査項目の「尿タンパク」もeGFRとあわせて大事な検査項目の一つ。腎臓病かどうかを知るための検査基準はこのあとまとめで紹介!
eGFRで腎機能の低下に気づくポイント
Point 長い目で推移をチェック!
eGFRは50代、60代から1年でおよそ0.8~1.0低下します。それよりも早く低下している場合は、腎機能が悪化している可能性あり。
eGFRを利用した好事例
▼熊本市
熊本市は2009年からいち早く慢性腎臓病対策を実施。健康診断などで腎機能を調べるときeGFRを出すようにしています。eGFRや尿検査の結果が悪ければ、かかりつけ医が腎臓の専門医へ紹介する仕組みを作り新規透析患者増加を抑えているのです。
▼岐阜県
岐阜県ではeGFRの推移をグラフで「見える化」して患者さんと共有する取り組みを2022年から開始。腎機能の変化が一目でわかることで、患者さんの意識が変わり、自発的に生活習慣を改善しようとする人が増えてきているといいます。
腎臓病 検査と治療まとめ
Point① まずはセルフチェック
以下の項目にあてはまる人はまずはかかりつけ医に相談。診察の結果、腎臓病と診断されたら、腎臓の専門医を紹介してもらい、かかりつけ医と腎臓の専門医が連携して治療を行います。
□ eGFRの値が44以下 (60歳未満の人は59以下) の人
□ 尿タンパクが+、もしくは2年連続±の人
Point② 大事なのは基礎疾患の治療
医師の指導のもと正しく薬を服用し、糖尿病や高血圧などの治療を行います。また、運動や食事など生活習慣の改善も非常に有効です。これらの対策をすることで、腎機能の低下が一因だと言われている心疾患・脳卒中・認知症などの予防にもつながると考えられます。
こちらもオススメ
糖尿病や高血圧などのセルフケアや、腎臓病の詳しい情報はNHK健康チャンネルでも公開しています。ご活用ください。
eGFR早見表
出典:日本腎臓学会 ※18歳以上にのみ適用可能です。小児には使用できません。
早見表の見方
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