「頭痛」のトリセツ

NHK
2023年2月16日 午後7:50 公開

「頭痛のトリセツ(取扱説明書)」ダウンロードはこちら👇

https://www.nhk.or.jp/program/torisetsu-show/2022_zutsuuheadache.pdf

【トリセツ01 つらい頭痛は我慢しないで 医療機関での治療を選択肢に!】

■日本人は頭痛で病院に行かない!?

頭痛に悩んでいる人でも「頭痛なんかで病院に行けない」と思う方は多いのでは?ある研究では、片頭痛で医療機関に行く日本人はおよそ20%という報告もあり、国際的にみても低いのが現状。理由の一つに、我慢強い国民性がある可能性が指摘されています

■我慢し過ぎは要注意!悩んだら医師に相談を!

頭痛とつきあって生活する上で心強い味方が、市販の鎮痛薬。しかし、用法・用量を守って使わないと、逆に頭痛を悪化させてしまう場合も。月に10日以上(薬の種類によっては15日以上)薬を服用していると、逆に頭痛が悪化する「薬剤の使用過多による頭痛(通称MOH)」になる可能性が。このMOH、医療関係者ですら73.5%しか知らなかったという調査結果も…。なかなか知られていないのが現状なんです。

■医療機関の受診がオススメなのはこんな方!

                   ※監修 北里大学 客員教授 五十嵐久佳博士

自分は病院に行くべき?行ってもいいの?という人も多いかも。以下のような方は、医療機関の受診を検討してみてください。

✅週に2日以上、市販の鎮痛薬を服用している場合

⇒月に10日以上鎮痛薬を服用している場合は、既にMOHになっている可能性が高いとのこと。また、週に2日以上市販薬を服用している場合もMOH予備軍の可能性があるそうなので、要注意!

✅そもそも自分の頭痛が何かわからない

⇒頭痛は見分けるのが難しい病気。例えば、緊張型頭痛は主に肩こりが原因で起きるとされていますが、片頭痛でも7~8割は肩こり(首のこりなども含む)があるという研究結果も。頭痛によって対策も異なってくるため、つらい症状にお悩みの方は安易に自己判断せず、専門家に診断してもらいましょう。

✅ ふだんと違う頭痛、痛みの激しい頭痛が起きた場合

くも膜下出血など命に関わる病気の場合も。早急に医療機関を受診しましょう。

✅ その他 頭痛で悩みを抱えている場合

⇒頭痛で生活に支障が出ている場合は、重症度にかかわらず治療の対象になります。悩みがあれば一度医療機関へ相談を!

■例えば片頭痛だとこんな薬が!

頭痛の中でも片頭痛は、WHOの調査で日常生活への障害が大きい病気の第2位とされており、多くの人が悩んでいます。しかし、近年は片頭痛の薬が次々に開発されているため、自分にあった薬が見つかれば、生活の改善も見込めます。つらい頭痛にお悩みの方は、医療機関受診の検討を。

✅頭が痛くなったら飲む片頭痛用の薬

例えばある薬の場合…

・頭痛が消失したり、24時間以内に頭痛が再発しない確率が一般的な鎮痛薬の1.3倍

・のどをしめつけられるような感覚やだるさなどの軽い副作用が起きる確率が1.6倍(重篤な副作用については鎮痛薬と同じ)

・費用は診察料など込みで約1,100円ほどが目安

✅片頭痛の予防薬

頭痛の有無にかかわらず毎日飲んで、片頭痛の頻度を減らしていく薬。薬の種類が多く、効果、副作用は多岐にわたります。中には妊婦は使えないなど使用上の制限がある薬も。費用は診察料・処方料など込みで約700円~1,400円ほどが目安。(効果は高いが1万円以上する高価な予防薬もあります)

※費用はあくまで目安です。診察内容によって金額は異なります。

✅片頭痛ではない頭痛の場合も、それぞれに応じた薬の処方などの治療が行われますのでご安心を。

【トリセツ02 薬以外に医療機関を受けるメリットは?】

■頭痛の原因を探る!

頭痛が起きる原因は光や音、低気圧から女性ホルモンなど人によってさまざま。医療機関では主に2つの方法で原因を徹底追求。まずは医師による問診。細かく質問し、ちょっとした生活の中の手がかりから、原因を見つけていきます。もう1つが頭痛ダイアリーの活用。毎日の頭痛の症状や行動などを記録し、より正確に、自分の頭痛の原因が一体何なのかを把握していくのです。

■頭痛の改善を目指し生活習慣の指導も!

頭痛の改善に欠かせないのが、生活習慣も改善すること。頭痛の原因がわかれば、その原因をできるだけ避けるのが重要に。また、大事なのが運動習慣。人によっては、医師から運動・ストレッチを勧められることも。ただし、いつ運動すればいいかは、症状によってさまざま。必ず医師と相談した上で、実践してください。

■頭痛専門医の探し方は?

どんな医療機関を受ければいいの?という人も多いのでは?実は「頭痛専門医」という、日本頭痛学会が認めた頭痛の知識が豊富な医師も。参考までに、その専門家の探し方を紹介します。

✅頭痛専門医は、日本頭痛学会のHPから探せます!

日本頭痛学会のHPには、日本中の頭痛専門医が県ごとに一覧としてまとめられています。

✅近くに頭痛専門医がいない!という方は、身近な脳神経内科医に相談するのがオススメ。

■周囲の理解も大切!

頭痛の痛みは周りからはわかりにくく、周囲から理解が得られにくいもの。国際頭痛学会は日本の企業と合同で、頭痛への理解を促進するプログラムを開発するなど啓発活動に取り組んでいます。頭痛の治療やQOLの向上には周囲の理解が不可欠。頭痛の経験がない方も、これを機会に頭痛への理解を深めてみませんか。

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