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#2 食欲のトリセツ(2021年10月11日放送)

NHK
2021年10月11日 午後8:00 公開

★2021年10月11日放送「食欲のトリセツ」

PDFでもダウンロードできます。
https://www.nhk.or.jp/program/torisetsu-show/torisetsu_syokuyoku2021.pdf

◆取扱上のご注意

食欲は、生きるために大事な能力です。ダイエットや健康のためだからといって、食べる量を減らしすぎると、脂肪だけでなく体や心までも崩壊する可能性があります。

 戦争時の食糧危機に備え、かつてアメリカでおこなわれた「ミネソタ飢餓実験」によると、食べる量を減らした生活を続けることで、以下のような症状がみられました。

  • 会話や読書の内容が、食べ物のことばかりに。
  • 体重は、平均17キログラム減少。
  • 心臓が小さくなる。
  • 性欲減衰・抑うつ・疲労感・心拍数低下など

※実験は、摂取カロリーを以前の半分程度とし、半年間にわたり続けられました。

◆各部名称

「食欲」は、胃や腸、脂肪細胞など全身のさまざまな部位がメッセージを出し合うことで、精緻にコントロールされています。

※脳にある、いわば「食欲の天秤」へと、体中からメッセージが届く

「胃」:何も食べない状態が続くと、空腹感に関わる「グレリン」とい物質を分泌し、食欲を促します。

「腸」「すい臓」「脂肪細胞」:おなかいっぱい食べると、「GLP-1」「インスリン」「レプチン」などの物質を分泌し、満腹状態を伝えます。

「快感」がもたらす食欲:おなかいっぱい食べたはずなのに、どうしても我慢できなくなる食欲。その原因の一つは「快感」への誘惑です。おいしいものに囲まれ、食の楽しみを知った現代人は、その味を思い出すだけで食欲がわきあがってしまうのです。

◆食欲とのつきあい方①

~食欲を我慢せず ダイエット&健康になるには

▽ポイントは「空腹時間」をしっかり作ること

 カロリーのことを気にせず、おなかいっぱい食欲を満たして、ダイエット&健康になりたい!近年、その方法の一つとして期待されているのが、空腹時間をしっかり作る食事法です。1日の間に16~18時間の空腹時間を作ることで、残りの時間は食べる量を意識して変えなくても、体重減少や、血圧低下などの健康効果が期待されています。

16時間は何も食べないとはいえ、

 □残り8時間はたっぷり食欲を満たせる。

 □慣れると空腹感を感じにくくなる。

 □空腹時間には睡眠時間も含む。

などの理由から、従来のカロリー制限法などに比べ、挫折しにくい方法として期待されています。

※番組での実験に参加した5人も、1か月で体重が平均2.2キログラム減!高血圧が気になると言っていた3人も、全員で数値が低下!

▽「空腹時間」に体内で何が起きる?

▽マトソン教授おすすめ空腹タイムの作り方

 アメリカの国立衛生研究所も、この食事法の世界的権威と認める、ジョンズホプキンス大学医学部の、マーク・マトソン教授がすすめる空腹タイムの作り方です。

【食欲は我慢しなくてかまいません】

 1日あたり6~8時間は、これまで通りに食べてかまいません。ただし、栄養バランスと食べすぎには、十分気をつけてください。

【空腹時間は16~18時間】

 1日あたり、16~18時間の食べない時間をもうけてください(睡眠時間を含む)。また、その間は、水やコーヒーなど、カロリーのほとんどない飲み物だけにしてください。

【注意点】

 この食事法は、主に肥満の解消を目的とした食事療法の一つとして期待され、様々な研究と実践が行われていますが、研究途上の面も多いため、以下の方は医師の指導のもと以外では行わないでください。

□糖尿病や腎臓病などの持病のある方

□高血圧の方

□すでに痩せている方

□高齢で健康に不安を抱えている方

(取材協力: 金沢医科大学 北田宗弘 准教授)

◆食欲との付き合い方②

~発見!超簡単 食欲コントロール術

▽どうしても我慢できなくなったときに!

 飲んだ後、ついつい食べたくなる〆(しめ)のラーメン。どうしても我慢できなくなる甘いスイーツ。ついつい食べ過ぎてしまうこと、ありますよね?そんな食欲の暴走を止める「食欲コントロール術」はないのか?20人の食いしん坊たちの検証データを元に、おススメの食欲コントロール術ランキングを作成しました。(全7種を総合評価のスコア順にランキング)

【第1位!最強の食欲コントロール術!?マインドフル・イーティングのやり方】(取材協力:ブラウン大学・マインドフルネスセンター ボブ・スタール博士)

 20人の検証で総合評価が1位に輝いたのは、「マインドフル・イーティング」という方法でした。マインドフル・イーティングとは、五感を使って、食べ物をじっくり味わい、満腹感を得る手法です。今回の検証実験でも、レーズン1粒で空腹を紛らわせたり、食べすぎを防いだりする効果が報告されました。

(準備するもの)

・レーズン ・・・・・・・・・1粒 

※レーズン以外でも好きなものを使って構いません

(やり方])

 まず、あなたは他の惑星から初めて地球に来たと想像してください。そして、誰かにレーズンをもらったと仮定し、以下を行ってください。

① 「視覚」を使って、色や形を観察します。
   ※もりあがりとへこみがあり、いびつな形をしているなど

② 「触覚」を使って、表面の凹凸や弾力を観察します。
   ※ひんやりしてなめらかなど

③ 「嗅覚」を使って、においを観察します。
   ※甘い香りがするなど

④ 「聴覚」を使って、音がするか観察します
   ※何も聞こえないかもしれませんが観察することが大切です。

⑤ 最後に、「口」に入れてじっくり味わいます
   ※かみ始めるときも意識してかみ、飲み込むときにも意識して向き合います。

●ぜひ普段の食事にも取り入れてみてください(菓子パン・きゅうりなどでも構いません)
●これまでの研究から、食べすぎを防ぐ効果も示され始めており、 過食や肥満などの治療にも応用が期待されているそうです。

【2位~7位】

 2位にランクインしたのは、「歯みがき」。口の中をキレイにした爽快感から、食べるのを控えたくなってしまうようです。続く3位は、「青色めがね」。青色には食欲を抑える効果が報告されており、めがねをかけるだけでも一定の効果は期待できるようですが、「食事が楽しくなくなる」といった声もありました。一方、最下位のホラー動画は、苦手な人にとっては、食欲以外の体力や気力が削られてしまうというデメリットも大きく、5項目の全ての面で低い評価となりました。これらのデータを参考に、ご自身にあった食欲コントロール術を見つけてみてはいかがでしょうか?

  ※このランキングは、被験者20人を対象に番組独自で行った評価実験の結果をまとめたものです。