2021年11月14日放送「新人議員と若手論客 これからの日本政治は」①

NHK
2021年12月20日 午後0:53 公開

先の衆議院議員選挙を受け、国会は新たな顔ぶれでスタートしました。社会が変化する中、政治のあり方にも改革を求める声があがっています。国会の議論やこれからの政治はどう変わるのか。若手の専門家と、若者の政治参加を呼びかけている団体の代表が、3人の新人議員に迫りました。前半は、どのような国会議員を目指すか、そして選挙で見えた日本政治の課題について議論していただきました。

出演者

衆議院議員(自由民主党)     鈴木英敬  さん

衆議院議員(立憲民主党)   本庄知史  さん

衆議院議員(日本維新の会)  池下 卓  さん

東京理科大学講師       松本朋子  さん

NO YOUTH NO JAPAN代表    能條桃子  さん

<新人議員に何を求めるか/どのような国会議員を目指すか>

能條:

わたしは今回、投票率を上げたいと思って活動しながら選挙を見ていましたが、若い世代を中心に、政治について考える時間的余裕や精神的余裕がないという状況があるのではないかと思いました。それはもちろん教育の問題等もあると思いますが、政治の中で自己責任、自分のことは自分でしてくださいというメッセージが強く出てきたからこそ、そのような若い世代を社会が育ててきたのかなと思っています。まず時間的にも精神的にも余裕を持てる、そういう社会をつくっていただきたいと思っています。そのためには、豊かさの定義が変わっていく必要があるのかなと思います。この選挙中でも、分配と成長というところで、結局は成長がないと何も始まらないというような話がどの政党も全体としてあったと思いますが、では実際、豊かさとは何なのか、本当に豊かな社会のためには何が必要なのか、というところにどう取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。

鈴木:

私は知事時代の経験をしっかり生かしたいと思っていますが、知事時代、実際に「新しい豊かさ」というビジョンを掲げ、そのうちの1つに、社会のシステムやつながりの豊かさというのを掲げました。先ほどの余裕という話とも関係があると思いますが、そういうような観点で、徹底した地方目線、現場目線、そういう国会議員としてやっていきたいと思います。あと私は日本人の心のふるさとといわれる伊勢神宮を擁する選挙区から選出されていますので、この日本人の誇り、あるいは寛容さ、そういうものを大切にする、尊敬され信頼される日本になるように貢献していきたいと思います。それから、もう1つは遠回りのように見えるかもしれませんが、子どもたちに親しまれる政治家になりたいと思います。将来、なりたい職業ランキングトップテンに政治家が入るぐらいに。それが多様な人材に門戸を開いていく、多様な人材に関心を持ってもらうということに関係してくると思いますので。子どもたちにも親しまれる、そんな政治家になりたいなと思いますね。

本庄:

私は今回の選挙戦を通じて、向き合う政治ということをずっと掲げてきました。この意味は2つあります。1つは政治、そして政治家が国民の皆さんや有権者の皆さんに、しっかりと自分の考えや政策を説明していく。これは国会でも記者会見でも、そして各地域でもそういうことです。同時にみなさんの声をしっかりと聴いていく。そして現場に足を運んでいく。もう1つは、国や社会が抱えている厳しい課題、困難な課題、こういったことにきちっと向き合っていくと。こういう意味での向き合う姿勢です。特に子どもたちの未来に関わるような中長期的な課題、気候変動問題や人口の減少とか、格差の拡大とか、財政とか、こういった問題について、いま政治がしっかりと取り組んでいくことが非常に必要だし、私はそういう政治家になりたいというふうに考えています。

池下:

私は豊かさを追求していくためには、まず有権者の皆様に理解していただけるような政治、政治家を目指していきたいと考えています。われわれ維新の会は、まずは政治家が身を切る改革ということで、国会議員、地方議員に限らず議員の給与いわゆる歳費のカット、そして文書交通滞在費といわれる経費をできるだけわかりやすく情報公開というのをしています。ただ今回、議員になって初めて10月31日に、ならせていただいたのですが、この文書交通滞在費、これ税金で出ているのですが、任期たった1日で100万円出るという、世間の常識では考えられないようなことがありました。こういうことからしっかりと変えていかないと、豊かさというのも当然皆さんの税金なわけですから、追求できないのかなと考えています。

松本:

お話を伺いまして、現場目線という言葉、向き合う政治という言葉、そして国民の理解が得られる政治、どれも素敵な目標だと思っています。この1年半、やはりコロナに支配された部分が多かったのではないかと思います。コロナの中で私が実感したことは、世の中に完璧な政策などないということです。コロナの変異がいつ起こるか分からない、そしてその先に国民の命も大切で、でも生活も大切にしなくてはいけない、そこに正解はないのだと思います。では正解がない中で、国民に政治家はどうやったら信頼を勝ち取ることができるか。ヒントはコロナにあるかなと思います。1つはデータに基づいて政策を立案し、検証し、その中で改善を続けていくこと。そしてもう1つは国民の目線に立って、ありのままに丁寧に説明することだと思います。この政治家は万能ではない、でも着実な一歩を進めてくれる、そういう信じられる政治だという社会が広がっていけばいいと思っています。

<低投票率 政治と有権者の距離は>

今回の衆議院選挙の投票率は55.93%。前回を2ポイントあまり上回ったものの、戦後3番目の低さでした。

選挙後に行ったNHKの世論調査で、低い投票率の理由を聞いたところ、政治への無関心が30%、政治への信頼の低さが25%、明確な争点がなかったからが18%、今の投票の仕組みが14%でした。

本庄:

民主主義、そして選挙という観点から大きな問題だと認識しています。半分の方しか選挙に行かない。そしてその中で半分を得票すれば選ばれる。私は「4分の1民主主義」と言っているのですが、4分の1の得票で国会議員が誕生しているというのが現実だと思います。大きくは、全く関心のない人と、関心はあるけど選挙に行かない人の2種類がいて、行かない人の中には、行っても変わらないという人と、よく分からないという人がいると思います。この変わらないと言っている人たちに対しては、やっぱり政治がしっかりと訴えかけていく必要があって、例えば公園でミニ集会を開いたり、地域に足を運んで直接話をしていくということを心がけてきました。分からないという人については、1対1の選挙の構図を作ったことは、投票率を上げるきっかけになったかなと。私の選挙区でも5ポイントほど投票率は上がりましたので、そういったわかりやすさというのもある程度必要だと思います。

池下:

私の選挙区では投票率は逆に上がった状況になってきているのですが、投票率が低い理由の1つには、やはり政治とカネの問題があると思っています。そこが政治不信の原因の1つと考えています。いわゆる企業団体献金というのを一旦廃止させていただいて、一部の企業や団体に対する政治ではなく、普通の国民の皆さんのための政治というものを取り戻していくべきだと考えていますし、もう1つは我々も情報発信をしっかりしていく。今はSNSなり何なりとありますので、私も地方議員をやらせていただきましたが、1つ1つ歩きながら地域の皆さん、有権者の皆さんの声を拾い上げて、それを政策実現していくことが、これからの投票率の低下を防いでいくことになると考えています。

松本:

低い投票率という問題については、大きく考えると国民の政治の不信があると思います。2016年のISSPという国際調査によりますと、国会議員が選挙中に約束した公約を守ろうと努力している、そう思う国民は実は9.1%しかいないそうなんです。10人中9人は努力をするとは思えないと言っている。つまり政治家が国民との約束を守ってくれないという不信感は、おそらく政治は変わらないという問題になり、そして政治の無関心につながると思います。国民の政治に対する無関心という問題は、政治側の問題にもあるのではないでしょうか。若い世代に、政治は確かに社会を変えるものだと思ってもらえるようにするということ。そのための信頼感を取り戻すということが、大きな課題かなと思います。

鈴木:

私の選挙区も、前回よりも前々回よりも投票率は上がりました。今回、全体的に見て争点がなかったということに加え、政策の差異を示すのはいいのですが、批判合戦みたいなものに辟易とするというのもあるのではないかと思うので、わが陣営はとにかく相手の悪口を言わないと。相手の政党の悪口を言わないと。自分たちの思いを訴えるということを重視してやってきました。それから知事をやっていて、私は去年コロナの間で、278回記者会見をやりましたが、議員活動の見える化というのが、国会議員は難しいなと思うので、そういうところを克服していく努力をしていかないといけないと思います。それから、松本先生がおっしゃったことと関係するのですが、今回のコロナで、例えば各県の知事の対応を見ていて、政治は誰がやっても同じだということはない、ということが分かっていただいたと思うので、それを伝える努力をしっかりしていくということが大事ではないかと思いました。

本庄:

我々の陣営も悪口は言わないということでやっていました。ただ野党がいつも批判ばかりしているという誤解もあって、実際には国会では4分の1は反対するのですが4分の3は賛成していますよ、というような説明を丁寧にしていますと、ああそうなのかと皆さん新鮮な驚きをいただきます。若者の皆さんは政策テーマの一つひとつに関心を持たれる傾向があると思っていまして、例えば2016年の参院選のときは安保法制が大きなテーマになりました。今回はコロナですね。こういうときは投票率が上がる傾向があるので、政局的な観点よりも、政策テーマを掲げて若者の皆さんに政策を訴えていく。あとは例えば20代の皆さんに向けた政策とか、学生さんとか、そういった細かい政策の発信が必要なのかなと考えています。

能條:

やはり候補者、国会議員の多様性が重要なのではないかと思っています。今回当選された議員の方の平均年齢は55歳で、女性の割合は10%を切っていて、前回より下がるという結果になっています。自分と同じような人がいない中で、どう自分を投影して、この人にお願いしたいと思えるのだろうかというのは疑問に思いますし、やはりまずは多様性というものが必要だと思います。そのためには、1人の議員が、皆さん選挙される中で多くの人に支えられていると思うんですよね。その人たちのサポートというものが、年齢だったり性別だったり地域だったりによって、受けやすい、受けづらいみたいなものが起きてしまっている。そこが変わる必要があると思います。

<国会議員を目指す上での“壁”は>

先月の衆議院選挙で初めて当選した新人議員は97人。4年前の前回の選挙に比べると増加しましたが、2012年の政権交代時に比べると半減しています。

そして当選者全体の平均年齢は、今回55.5歳、年代別では50代が最も多く34.4%。次いで40代と60代が25.8%となっています。そして30代の割合は4.7%と減少が続き、20代は僅か1人です。

松本:

国会議員の年齢層が高いという現象は万国共通の問題です。また議院内閣制においては、特に首相に政治経験を問う声が大きいので、どうしても年齢が高くなるという傾向があります。でも新しい風もあるんです。例えば同じ議院内閣制のニュージーランドでは、アーダーン首相という若い女性の議員が首相になり、高い支持率のもと政治運営をしています。若い立候補者が出ると若者の投票意欲が増すというのは、いま能條さんの話もありましたが、本当にデータが示すところなのです。既存の概念にとらわれず、多様な社会を反映する国会をつくり、そして多様な人々を政治に参加させる。その意味で若い人たちを議員に、そして閣僚にというのは大切だと思っております。

池下:

選挙をやるというのは、お金もかかりますし、組織も人員が必要になってくる。われわれ維新の会以外の多くの政党がそうなのですが、企業団体であったり、労働組合であったり、そういうところからの資金やスタッフのサポートというのが多くあるのかなと考えています。だからこそ組織に頼らない選挙戦、これを通じて当選するということが若者の皆様にも新たなチャンスを与えられると思っています。あとは、例えば小選挙区の衆議院の選挙区でも、供託金は300万、比例代表は300万、合計600万かかるわけですから、年齢に応じて出やすい環境、供託金の仕組みを含めて、新たな仕組みを作る必要があると考えています。

本庄:

さっきの若者の関係で、私が常々思っていて、ぜひ鈴木さんと池下さんにもご提案したいのですが、被選挙権の年齢がずっと変わってないのですね。選挙権は18歳になったのですが、衆議院25歳、参議院30歳。ちょっと高すぎると思います。少なくとも20歳、できれば18歳まで被選挙権を引き下げていくべきだと考えていますので、こういうことをぜひ我々の世代でやっていきたいと思います。国会議員になるのは大変ですし、勇気は必要です。清水の舞台から飛び降りると言いますけど、多分それ以上高いし、まあ命があってよかったなと思いますが、ただ私も公募でゼロからスタートしました。大変ですけど、それだけのやりがいのある、そして乗り越えていかなければいけない仕事でもありますので、ハードルが高いのは、ある程度しかたがないと思います。ただ野党より与党のほうが有利、そして新人より現職のほうが有利、こういう制度上の問題もありますので、新規参入が難しい。そういうところはしっかりと制度改正に取り組んでいく必要があると思っています。

鈴木:

先ほど本庄さんからご指摘いただいた被選挙権の年齢引き下げは、私も今日提案をしようと思っていましたので、後で申し上げたいと思います。与党から(選挙に)出るのはやはり選挙区調整が難しいですね。現職優勢の中で、新人が選挙区を獲得するチャンスを得るのがなかなか難しいというのがあります。それからハードルとしましては、私は落選経験があって、借金もたくさんありましたし、家族の人生も左右しましたから。やっぱり家族の理解というのは難しいと思うし、そういう状況から家族の皆さんが躊躇するというのもあると思います。幸い私は家族が一生懸命応援してくれたので、大変助かりましたけど。そういう意味では、小選挙区制では政党が公認を立てて戦うわけですから、再チャレンジも含めて、落選者のサポートをもっと政党としてきっちりやっていくっていう仕組みをつくってくことが大事かなと。それが多様な人材を生んでくることになると思いますし、私自身は幸いサポートしていただいて、知事選にも出させていただいたので。そういう仕組み自体をつくっていくことも大ことかなと思いますね。

能條:

お話を聞いていて、立候補しようと思うまでの壁と、立候補したいと思ってからの壁、そして受かる壁と。壁がたくさんあるんだなというふうに思いました。私はこういう活動をしていますが、候補者のところに行ったりはしないので、そういう目線から見ると、立候補しようと思うまでの壁もすごく高く感じています。具体的に言うと、今回の選挙でも、皆さん朝早く起きて駅前に立って、夜も遅くまで活動してという、“どぶ板選挙”と言われるようなもの、あとは街宣車で、うるさいうるさいと言われながらも自分の名前を言い続けなければいけない。そういうことをやるのって少しハードルが高いし、それで日本社会が良くなるのかなというふうに思ってしまって、やはり選挙のやり方自体が変わっていかないと、なりたいと思う人は増えないのではないかと思っています。

(被選挙権の引き下げは)

能條:

私もこの選挙期間中、候補者の方に会ったら、それはやってほしいですという話をしていました。私はこの活動を始めるきっかけとなったのがデンマークに留学したことなのですが、21歳で留学していた時に、21歳の大学生が国会議員になったり、EU議会議員になったりしている様子を見て、友達や、友達の友達が政治家になったよ、みたいな話をしていて、こういう社会になったら少しずつ変わっていくのではないかと思っています。被選挙権の引き下げ、そして供託金の話もありましたけど、ハードルを下げるという意味でも、金銭的なハードルも下げていく必要があるのではないかと思っています。

鈴木:

被選挙権の年齢引き下げはやるべきだと思っています。先ほど松本先生がおっしゃった、ニュージーランドのアーダーン首相、今回コロナ対策で大変共感を生みました。彼女は37歳で首相になりましたし、ニュージーランドは18歳が被選挙権です。またフィンランドのサンナ・マリン首相も34歳で首相になられ、そのフィンランドの被選挙権も18歳。さらにはフィンランドの2019年の国政選挙の投票率は72%ということですから、まさに若者の共感、信頼、関心を生むという意味でも被選挙権の年齢引き下げは必要だと思っています。

池下:

私も18歳までは被選挙権の年齢引き下げはやるべきだと考えています。これまでも日本維新の会で学生局という組織がありまして、その中で大学生中心、そして高校生、早くは中学生から、こういう所に入ってきて、選挙に興味がある、そしてどうしていきたいという声をじかに聞いてきました。その中で、確かにこの被選挙権を引き下げてほしいという声はたくさんありましたので、これはぜひ実現していかなければならないと考えています。

本庄:

衆議院と参議院も年齢が違いますように、投票することと、選ばれることは別だという根強い考え方があるのかなと思います。それから実際に、若い人たちからの声が必ずしも上がってこなかった部分もあると思うんですけども、今は能條さんもおっしゃったように、多くの声をいただいています。同世代の人が選挙に出てるぞ、ということは、若い人たちには大きなインパクトを与えることだろうと思いますから、投票率とか、政治参加という意味でも大きな意義があるのかなと私は考えています。

<女性議員 どう増やす>

今回当選した465人のうち、女性は45人。9点7%にとどまっています。衆議院選挙での女性当選者の割合は、この20年余り10パーセント前後と低い水準で推移しています。

松本:

全く同じプロフィールの候補者を男性と女性で並べたときに、どちらに投票するかという実験がありまして、そうするとやはり男性が勝つというところがある。女性に対する、つまり偏見があるということは1つにあると思うんですが、もう1つの大きな要素としてあるのが、先ほど能條さんがおっしゃっていたように、政治家という仕事は大変な激務であるというところがあると思います。現代の社会においては少子高齢化、そして労働人口をいかに確保するかというのが喫緊の課題であると思います。それをなんとかする国会には、子育て世代の男性女性両方が参画するということが必然なんだと思います。ぜひ、子育て議員の先生方におかれましては、日常の中で、どうやって政治という仕事と、子育て・家事という仕事をやっているかということを、広く、特に若い世代に伝えることによって、政治家になるということは家庭と両立が可能な仕事なんだと、いわゆる労働環境を変えていく1つのモデルだというところを示していただけたらと願っています。

本庄:

さっき能條さんからもお話がありましたように、確かに政治活動、そして選挙というのは、普通の方から見ると相当変わったことをやっているという状況だと思います。365日24時間、時間の制限がありませんので、やればやるほど成果は出るのかもしれませんが、逆に家庭だとか子供だとか、そういったことはどうしても後回しになりがちだと思います。選挙は最後は勝ち負けの部分がどうしてもあるので、みんな一生懸命やってしまうのですが、例えば政党のほうは比例できちっと女性を入れて、当選しやすいような形に持っていくとか、私はそういったことで仕事と政治の両立を図っていく、そういう取り組みは可能なのかなと思っています。

鈴木:

3つポイントがあると思います。今回あるネット調査によって、期待する政党というのは自民党が58.2%になりましたと。その理由を述べている方の1つに、総裁選で女性が2人出たことが期待を持てるというものがありました。3つのポイントの1つ目は、まず当選された女性議員の方がしっかり活躍できる、そういう環境をつくっていくということがまず1つ。2つ目は、当選するためにはやっぱり候補者の方々が増えてこないといけないので、女性の候補者を増やしていくという努力。それから3つ目は先ほど松本先生おっしゃっていた、そもそもの男女の固定的な役割分担をはじめとした、社会環境の構造を直していく。そういう意味では3つあるのですが、まず当選されている議員の方々の活躍の場をつくっていくというのは、すぐにでもできることだと思うので、それをしっかりやっていくということが大事なことだと思います。今回、岸田政権で森まさこ先生が、女性の活躍担当補佐官になりましたが、そういう環境づくりが必要だと思います。

能條:

いろいろ理由はあると思いますが、私は女性議員が増えない問題も、被選挙権が下げられない理由も、結局根本のところ、いま直近やらなくてもいいか、いつかできればいいか、と思っているからなのではないかと思います。被選挙権の話も、今年の衆院選のときに各候補者にアンケートを一緒にとらせていただいて、その結果を見ると、自民党の候補者の方だけが賛成が2割程度しかいなくて、あとの政党はだいたい8割くらいは賛成しているという状況でした。公約には18歳に下げます、何歳か下げますと書いているのにもかかわらず増えない。そして女性議員のほうも、法律ができて、努力はすると政党は言っていますが、候補者を見ると女性は増えてない。クオータ制もなかなか議論が進まないというところで、いつかできればいい、でも今じゃなくていい、と思っているのではないかと感じてしまいます。

池下:

女性議員はまだまだ少ないと考えています。まず1つは、女性が手を挙げやすい環境をつくっていかなければならないと思っていまして、議員の生活、そして候補者の生活をしていきますと、地域に回ったり、朝から晩までご挨拶に回ったり、政策をつくったりということで、本当に時間が大変かかる仕事です。そんな中で、私も2人の子どもがいますが、もっと男性女性共同で子育てできるような仕組み、働ける環境をつくっていくことが、手を挙げやすい環境になりますし、さらに議員になった時にも、政党であったり、議会の条例なりで、女性が政治参加できるような、議員として活動しやすいような仕組みをつくっていくことが必要だと考えています。