養生所に妊婦のおえい(ついひじ杏奈)が現れる。その母・おかねは堕胎を迫る。おえいの行動を不審に思う赤ひげ(船越英一郎)は、保本登(中村蒼)におえいを預ける。ある夜、ちょうちんを持ち脱走するおえいの行動に保本は疑問を抱き問い正すと、おえいは真実を告白。ばかなふりは母に利用されないための芝居だという。子を産みたいと懇願するおえいに、保本は母からおえいを守るため行動に出る。
二代目大家の松次郎(石垣佑磨)は店子たちに立ち退きを通告。店子たちは先代から、ここに住むことを約束されていると抵抗するが証文はない。その上、唯一当時を知る角三(内田朝陽)の父・多助(綾田俊樹)は痴ほうが進んで何も覚えていない。追いつめられる角三たちの前で、多助は、「おくめ殺し」と口にした。多助の言葉に引っ掛かった赤ひげ(船越英一郎)は、森半太夫(古舘佑太郎)に調査を依頼。
極貧生活を送る夫婦と三人の子供。夫は頭を打ってから発作のため働くことが出来なくなり、家計は妻・おふみ(星野真里)の内職で得るわずかな給金に頼るのみ。家族を助けようと長男が盗みを働いてしまう。生きていく希望を失ったおふみは一家心中を謀る。養生所に運び込まれた一家は虫の息。赤ひげ(船越英一郎)たちの懸命な治療にもかかわらず、夫が、幼い娘が、目の前で事切れていく…。
肺病の芸者が養生所へ逃げてきた。原因確認のため、赤ひげ(船越英一郎)と保本登(中村蒼)が岡場所へ乗り込む。しかし、病人などはいないとおかみは一蹴。帰り道、赤ひげと保本は何者かに襲われる。しかし、赤ひげの強さに暴漢は退散、その際、一味の男・栄二(小柳友)にけがをさせてしまう。連れ帰り手当てをする中、心を開いた栄二は、赤ひげたちを襲った訳を話す。
兄弟のように育った藤吉(駿河太郎)と猪之助(木村了)。二人は共に腕ききの大工。藤吉が所帯を持った頃から猪之助に変化が現れた。女を好きになってはうまくいきそうになると振ってしまう。そんなことを繰り返し、次第に仕事も手につかなくなったという。猪之助の治療を始め、保本登(中村蒼)や森(古舘佑太郎)には、猪之助が怠けているだけのように映るが、赤ひげ(船越英一郎)の見立ては違っていた。
労咳を患う佐八(鶴見辰吾)は、誰に頼まれた訳でもないのに長屋の修理をするなど周囲から仏様のような人と言われていた。そんな、佐八を見て、赤ひげ(船越英一郎)は何か理由があるはずと疑問を抱く。そして、保本登(中村蒼)と森半太夫(古舘佑太郎)に佐八の治療を任せる。保本たちの思いと裏腹に、佐八は病気を治そうとしなかった。いよいよという時、佐八は恋女房・おなか(宮本真希)との切ない物語を話し出す。
素性のわからない老人(山本學)が養生所に運び込まれた。一方、長屋に住むおくに(田畑智子)は盗みを働いた亭主を更正させようと奉行所に訴え出るが、逆に収監されてしまう。おくには、子供たちを別れた父の宿泊先に向かわせるが、宿主(村松利史)はそのような人は居ないと一蹴。赤ひげ(船越英一郎)と保本登(中村蒼)は宿主の話から、養生所にいる老人がおくにの父と確信。おくに救出へと向かう。
三年間オランダ医学を学び江戸に戻った保本登(中村蒼)は、幕府のお目見え医になるはずだったが「赤ひげ」こと新出去定(船越英一郎)が医長の貧困者の為(ため)の医療所「小石川養生所」で働くこととなった。保本は、養生所で働き始めると初日から医者らしからぬ赤ひげの傲慢な態度に不快感を感じる。そんな中、医療所に、おゆみ(宮澤美保)といううつ病患者が閉じ込められて居ることを知る。