一橋桐子の犯罪日記
この番組について
主人公・一橋桐子(松坂慶子)は、哀しみの淵に沈んでいた。年金とパートの収入で暮らしも楽ではない中、唯一の希望であった親友が病で亡くなり、毎日が突然、空虚な日々となったのだ。このままだと自分は孤独死してしまうのでは――生きていくことの困難さが、桐子の心を絞り上げていく。 そんな時、テレビで見たある逮捕者の「世の中に未練はなかった。刑務所に入りたくてやった」という供述に心奪われた桐子は、終の住みかを“刑務所”に設定。「できるだけ人に迷惑をかけずに捕まる道」を模索し始める――。 【原作】 原田ひ香『一橋桐子(76)の犯罪日記』 【脚本】 ふじきみつ彦(『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』) 【音楽】 長谷川智樹 【制作統括】 髙橋練(NHKエンタープライズ) 清水拓哉(NHK) 【プロデューサー】 宇佐川隆史(NHKエンタープライズ) 【演出】 笠浦友愛 黛りんたろう 加地源一郎
出演者・キャストほか
一橋 桐子 (松坂 慶子)
この物語の主人公。3年間同棲していた無二の親友・宮崎知子(由紀さおり)を失い、悲しみのどん底にいる。 身寄りもなく貯金もわずか…と、心が搾り上げられるような日々を過ごしている。そんな時、高齢者が刑務所に入るために万引きをしたというニュースを目にし、「余生を刑務所で送りたい」と“ムショ活”を始める。不器用ながらも一生懸命に犯罪を計画し、様々な人たちを『ムショ活』に巻き込こんでいく…。俳句を趣味とし、知子とは句会で出会った。
久遠 樹 (岩田 剛典)
桐子がパートを勤めるパチンコ店の上司。ミスが多い桐子を年齢関係なく叱る一方、そのプライベートは謎に満ちており、刑務所に服役していたという話も…。そんな久遠に対し、桐子は「犯罪に詳しいのでは」と思い、思い切って接触。次第に、桐子の“ムショ活”のアドバイザーとなっていく。
榎本 雪菜 (長澤 樹)
17歳の女子高生。スーパーでバイト中に“ワケありげな桐子”を目撃。桐子の“ムショ活”を知り、世代をこえた友達になっていく。桐子と同じく、雪菜も夢を持ち頑張っているが、父親からは反対されている。
友岡 明子 (片桐 はいり)
桐子が通う句会の世話人。俳句を愛し、句の言葉から人々の心情を思い図ろうとする。特に最近では、知子を亡くし落ち込む桐子のことを気にかけている。
寺田 一男 (宇崎 竜童)
桐子のパート先のパチンコ店にいる常連客。雑居ビルで“隠れ闇金”を営む怪しい男。色々な人にフレンドリーに声をかけ、広く金を貸している。そんな姿を見て、桐子は“悪党に違いない”と判断、あることを仕掛けていく…。
小池 ゆかり(またの名を斉藤 薫子) (木村 多江)
桐子の前に突如立ちふさがる、謎の女性。
宮崎 知子 (由紀 さおり)
主人公・一橋桐子の親友。桐子とは3年前に句会で出会い、その場で意気投合。以来桐子と同棲していた。娘を育てあげ、夫を看取った過去を持つ知子は、桐子からすると家庭的で明るく、あこがれの人物。お金を貯め、いつか二人で故郷の瀬戸内へと旅しようと夢みていたが、急な病により他界してしまう。そして知子の死後桐子は、知子が生前“ある秘密”を抱えていたことを知る…。
三笠 隆 (草刈 正雄)
桐子と知子が通う句会のメンバーであり、桐子の憧れの人。元プロテニスプレイヤーで、かつては世界でも活躍していた。そのため、時おり会話や俳句の中に英語が混じることも。人に頼られるとつい何とかしようとする、“いい恰好しい”の一面も。
松本奈穂美 (戸田菜穂)
桐子の親友・宮崎知子の娘。知子が亡くなったことを機に、桐子と交流が生まれる。桐子も知らない“知子の秘密”を唯一知っている存在で…。
坂井春奈 (富田望生)
桐子のパート先であるパチンコ店の同僚。芸人の卵で、現在はボケとツッコミの両方を修行中。桐子を“パート中の相方”としてとらえている。
相田準一 (神田伸一郎・ハマカーン)
桐子の住む街の不動産屋。桐子に新しい住まいを紹介するほか、ムショ活のきっかけとなったニュースを一緒に見たりと、桐子にとって節目となる時によく一緒にいる。
鶴野好子 (竹原芳子)
桐子の新しい住まいである“たそがれ荘”の住人。「(桐子が新しく住む)202号はフ・キ・ツ!」と言って脅かすが、これは彼女なりの“歓迎の挨拶”。
巡査 (中村靖日)
桐子が住む街の交番に勤務する巡査。色白の優男として、住民から親しまれている。
榎本和也 (神尾佑)
雪菜の父。刑事。 母を亡くした一人娘の雪菜を男手一つで育てており、つい雪菜には厳しく接してしまう。 犯人に対して吠えたことはあるが、太陽に向かって吠えたことはない。
姫野里子 (遊井亮子)
元受刑者。桐子に女子刑務所での様子を教える。刑務所で美容師の資格をとり、現在は美容師。 過去の犯罪では、図らずも久遠を巻き込んでしまった形に。そのことを今でも後悔している。
木嶋浩子 (内田慈)
雪菜の担任。生徒思いで、反抗心の強い雪菜のことも理解しようと努力しているが、 生活指導の学年担当でもあるため、つい茶髪への注意が先に来てしまう。