目指すは日本一 牛たちのオリンピックって?

NHK
2022年9月12日 午後7:06 公開

この秋、大注目の「オリンピック」が開かれます。その名も「和牛オリンピック」。こちらの牛が鳥取県代表選手のうちの1人(1頭)です。その大きな体に、鳥取の畜産の未来がかかっています。

(鳥取局記者 吉川綾乃)
  

5年に1度の大舞台 和牛オリンピック

正式名称は「全国和牛能力共進会」。
優秀な牛が全国から集まり、体格や肉質などを競う大会で、ことしで12回目を迎えます。5年に1度しか開かれず、和牛の頂点を決めることから「和牛オリンピック」とも呼ばれています。この大会で好成績を収めることはブランドの知名度に直結し、全国の農家の運命を決めると言っても過言でもない重要な大会です。前回大会には、39道府県から500頭以上の牛が出場しました。
    

3部門に分かれ9種目で競う

10月6日から鹿児島県で開かれる「和牛オリンピック」。
大会は
(1)体格や改良の過程などを審査する「種牛の部」
(2)枝肉の重さや霜降りの具合、脂肪の質などを審査する「肉牛の部」
(3)農業を学ぶ学生が参加する「高校及び農業大学校の部」
の3部門に分かれ、さらに年齢などの条件で「区」に分かれます。
特に注目されているのが「6区」。唯一、部門をまたいでいるのが特徴です。
    

『最優秀の種牛』へ しのぎを削る6区

なぜ6区が注目されるのか。
それは各都道府県が手塩にかけて開発した、エリートお父さん牛「種牛」のトップが決まるからです。
和牛の肉質は遺伝によるところが大きく、優秀な遺伝子を持ったお父さん牛がおいしい和牛を生産するためにはかかせません。
6区には、各都道府県を代表する種牛を父に持つ子牛7頭が出場します。
▽種牛の部 4頭が出場・体格を審査
▽肉牛の部 3頭が出場・お肉になり肉質を審査
7頭の子牛たちは、みんな種牛は同じですが、母牛は違います。
つまり、どの子牛も等しく体格や肉質が高く評価されれば、「いい子牛が生まれやすい」として、父である種牛の能力の評価につながるというわけです。
     

前回のオリンピック 鳥取は2位

前回鳥取県は、この6区に種牛「白鵬85の3」で挑みました。
その結果は…
▽種牛の部 5位
▽肉牛の部 1位
▽総合成績 2位
「白鵬85の3」は優秀で、特に肉質のいい子牛が生まれやすい種牛として、全国に名が知られることになりました。
    

肉質日本一で注目度アップ

大会がきっかけとなり鳥取は和牛産地として注目されるようになりました。県は県外の生産者に対して、県が開発した種牛の精液を販売しないことにしているため、子牛の競りには、「白鵬85の3」の血統を求めて、県外からたくさんの買い付け人が訪れます。令和3年度の子牛1頭の平均単価は80万円あまり。金額の高さは全国トップレベルです。鳥取県もこのチャンスを逃すまいとこのころから「鳥取牛は肉質日本一」とPR活動を強化したのです。
    

“元花江”で目指せ日本一 

今回鳥取県は「元花江」という種牛の子牛たちで6区に挑みます。元花江の子牛の霜降りの入り具合は「白鵬85の3」を上回るとされていて結果が注目されています。
     
県代表に選ばれた牛を育てる農家では、和牛オリンピック本番に向けて最後の調整に入っています。大会はモ~すぐ!活躍に期待しましょう!