江戸の花形の仕事・町火消。中でも注目されたのが「まとい持ち」。燃える建物の風下に立ち、命がけで、まといを振って「ここで火を食い止める」という合図送る。仲間たちはそれを目印に、建物を破壊し、火事を食い止めた。

大火事で何度も焼けた江戸。町人たちを火の手から守ったのは、鳶（とび）たち。当時、消火活動は、燃えるものを破壊して火を鎮める「破壊消防」が中心。建物の構造に詳しい鳶たちが、火事の時には消防士として活躍した。「自分達の街は自分達の手で守れ！」

江戸随一の大店、呉服屋の三井越後屋。店内には複数の売り場があり、それぞれ担当の奉公人が配置されていた。奉公人は１２、３歳から見習いとして住み込みで働き始め、４０歳ごろまで独身を貫いた。修行を重ねて目指したのは「独立」だ。

長屋の暮らしをユーモラスに描いた子ども用の浮世絵。長屋には棒手振りと呼ばれる行商人たちが、魚や野菜などの商品を売りに来た。食材の他にも、要らなくなった紙、古着、金物などを買い取りに来る商人も。江戸っ子たちはニーズを巧みにキャッチして、新しい商売を生み出した。