震災11年・空から見る津波避難対策施設(2022年3月11日放送)

カメラマン・植村英彦
2022年3月11日 午後8:13 公開

東日本大震災を教訓に静岡県内で整備されてきた津波対策の施設を空からの映像で振り返ります。

【動画】

(静岡局・植村英彦カメラマン)

【整備された津波防災施設】

東日本大震災を教訓に静岡県では津波に備え、さまざま防災施設が整備されてきました。

【早い場所では数分で到達する津波】

静岡県周辺で発生が想定される 巨大地震と津波。早い場所では数分で津波が押し寄せる可能性があります。

【静岡県の被害想定は】

2013年に静岡県は被害想定を見直し最悪の場合、津波による犠牲者は96000人におよぶと想定しています。そうした中、想定される犠牲者を10年間で8割減少を目標に県などが対策を行ってきました。

【浜松市沿岸域防潮堤】

令和2年3月に完成したのは浜松市沿岸域防潮堤。全長17.5km。最も高い場所は15mあります。防潮堤は地震や津波に強い土台で造られています。

【周囲の環境や景観に配慮】

防潮堤は広範囲にわたり場所によって景観や環境に調和するように造られています。防潮堤が通る中田島砂丘では砂で覆われています。

【防潮堤の効果は?】

木造建築が倒壊する目安とされているのは2mの浸水ですが、この防潮堤と接する川の水門が完成すると、想定される最大クラスの津波が押し寄せても、2m浸水する住宅地の9割以上減らすことが出来るとされています。

【整備された津波避難施設】

津波から避難するための施設も沿岸各地に整備されてきました。

袋井市にある海岸から1.3km内陸にある津波避難タワーです。避難スペースの高さは海抜12m。およそ270人が避難できます。

【避難タワー・命山】

袋井市で造られた人工の高台。「命山」とよばれています。

東日本大震災後、地域住民の要望をもとに造られました。避難する場所は海抜10メートル。1300人が避難できます。この施設には夜間の避難に備え 太陽光発電の照明や水や食料、携帯トイレも備蓄されています。

【地域の歴史を語る命山】

こうした命山が、袋井市では4基造られました。命山は長い期間にわたって活用できるのが特徴です。近くには江戸時代に築かれた命山が今も残っています。文化財として地域の歴史を物語る景観のひとつとなっています。近くには江戸時代に築かれた命山が今も残っています。先人も同じ対策を考えてました。文化財として地域の歴史を物語る景観のひとつとなっています。新しい命山も含め後世に引き継いでいく必要があります。

【漁業関係者や観光客も避難へ】

漁港内に作られたタワーもあります。漁業関係者をはじめ、観光客やサーファーなど地域住民でない人も避難できます。この施設は雨風から身を守る避難スペースがあり水や食料の備蓄や、照明用の電源として蓄電池も配備されています。

【道路を有効に活用した施設も】

このほか道路を有効活用した歩道橋型の避難施設もあります。

こうした整備により津波避難施設の空白域はほぼ解消されました。

【日頃の備えを大切に】

津波避難施設には耐震性や高さなど一定の条件を満たした既存の建物が自治体により津波避難ビルに指定されています。こうした取り組みにより県内では令和3年4月の時点でも避難が必要とされる人に対して避難先が100パーセント近く確保されるようになっています。しかし、整備された施設はあくまでも避難開始時刻や避難速度など避難計画上の想定をもとに配置されているものです。実際にはスムーズに避難できるとは限りません。被害想定では津波が数分で到達する所もありますし、また、夜間に突然おしよせる可能性もあります。「想定外は許さない」。東日本大震災を教訓にあらかじめ避難先や避難経路を確認するなどして、日頃から備えておくことが何よりも大切だと思います。