大河ドラマ「どうする家康」放送開始に前後して、多くの出演者が静岡県内を訪れ、盛り上がっていますね。その中で12月から1月にかけて3度も県内を訪れているのが、浜松の武将・井伊直政を演じる板垣李光人(いたがき・りひと)さんです。
家康の再側近「徳川四天王」の1人となる重要な役を担う板垣さん。年末に久能山東照宮を訪問したときに撮影した「たっぷり静岡」独占インタビュー、未放送の部分も含めてじっくりご覧ください!
※文末にインタビュー動画があります。
インタビュアー:後藤康之、安川侑希(「たっぷり静岡」キャスター)/取材・構成:三浦佑一(NHK静岡 記者)
(キャスター)
静岡っていかがでしょう?プライベートも含めていらしたことはありますか?
(板垣李光人さん)
そうですね。御殿場とかはよく行きますね。
(キャスター)
お買い物ですか?
(板垣さん)
そうです。
僕、地元が山梨なんですが、富士山をいつも山梨側から見ていたので。さっき、広いところで富士山を改めて見て、やっぱり表情が全然違って。すごくいいなと思いました。
あと、冬でちょうどおでんが食べたい季節。静岡おでんがすごく好きです。
(キャスター)
控え室に、みかんといちごを用意しました。召し上がりましたか?
(板垣さん)
むしゃむしゃむしゃむしゃ食べていました。お昼ごはん、みかんといちごでいいかなというぐらい(笑)。
いちごもここ(久能山東照宮)の下のところで作られているんですよね?
(キャスター)
そうですね。久能山の下の、石垣いちご。
(板垣さん)
めちゃくちゃ大きいですね。びっくりしました。
(キャスター)
うれしいです。味わっていただけて。
(板垣さん)
東京のスーパーとかでは見ることのないサイズだったので。すごくもう、堪能させてもらいました。
板垣さんはこの日、久能山東照宮の祭事に松本潤さんや杉野遥亮さんと参列し、玉串を捧げました。
(板垣さん)
参拝に行くまでの道中もそうでしたが、式が始まってからのあの空気にエネルギーを感じました。直政、僕自身の撮影は本当にいよいよこれからという段階なので、身が引き締まる思いです。このタイミングでここに伺えたのは、何か運命的なものを感じました。
殿に仕える者としてごあいさつができたのは、すごくよかったですね。
板垣さんが演じる井伊直政は、今の浜松市に生まれ、大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公・井伊直虎に育てられました。
「井伊の赤備え」と呼ばれる部隊を率いて名をはせた武将です。
(板垣さん)
幼くして自分の使命みたいなものを感じていて。劇中でも結構、上から物を言ったり、不遜な態度をとったりというところはあるんです。それは元々の彼の人間性もあるのでしょうが、やっぱり自分が強くあらねばというところもすごくあると思うんです。その強さはすごく大切にして行きたいなと思います。
(キャスター)
ドラマのホームページの登場人物紹介では『女性にモテて、プライドが高く、不遜な物言いでトラブルを起こす』なんて書かれていますけれども。
(板垣さん)
そうですね・・・。実際、劇中でもこう、はべらせているようなところもあったりするんですけれども(笑)。
そこの上にある繊細さ、カリスマ性みたいなものや、頭のよさ。猛々しさの中にある繊細なところも、ちゃんと芝居の中で描写していけたらいいなあって思っています。
(キャスター)
板垣さんから見て、直政が支える主君・家康って、どんなところが魅力ですか?
(板垣さん)
周りの人間たちの支えがあって、自分の周りの人達がいてこそっていうことをすごくわかっている。当時の戦国の世ではなかなかない柔らかさ・優しさがある人だなと思います。だからこそ信頼もされるし。
その瞳の奥に燃えている青い炎のようなものも感じて、すごくかっこいいなと思います。
板垣さんはおととしの大河ドラマ「青天を衝(つ)け」で、徳川慶喜の弟・昭武(あきたけ)を演じました。
撮影現場の雰囲気は、違ったものだといいます。
(板垣さん)
大河ドラマって独特の緊張感というか、常にピンとした糸を張っているような空気があるんです。「青天を衝け」は役柄もあったかもしれないのですが。民部公子(昭武)はずっと「スン」としていたので。
今回は本当にリラックスしてというか、柔らかい空気感。でも締めるところは締めて。それは全部松本さんがやってくださっていて。杉野遥亮さん、山田裕貴さん、音尾琢真さん、本当に和気あいあいとした空気感で。これからの撮影がどういう感じになっていくのか、楽しみな現場ですね。
役自体もすごく遊びがある役というか。松本さんも「全部好きにやっていいよ」「やりすぎたら俺が言うから、とにかく好きなようにやっていいよ」って言ってくださっています。だから毎回毎回、自分自身がどういうふうに直政を描いていくのか、描いていけるのかが楽しみですね。
(キャスター)
松本潤さんは、どんな人ですか?
(板垣さん)
「自由にやっていいよ」って任せてもらうことって、楽な部分もあるし、プレッシャーに感じる部分もあるんですよね。その中でも松本さんがいろいろコミュニケーションを取って下さって。メールを頂いたり、優しい言葉を下さったり。お芝居している中でも「ここをもうちょっとこういうふうに」、「2人のこの掛け合いの中で、こういうふうにしようか」とか言ってくださるので。本当に安心できます。
突っかかるシーンも多いのですが、松本さんだからこそ遠慮なくできるというか。すごくありがたいですし、助かっています。
(キャスター)
途中から撮影現場に入っていく難しさはなかったですか?
(板垣さん)
そこは実際のところ(演技)とリンクしているといいますか。すでにある程度、家臣団と殿の関係が出来上がっている中で、1人若い子がポンと入っていく。撮影現場でチームとして1つ出来上がっているところに僕が入っていくということと重なります。そこは変に気負わずにやっています。その違和感みたいなものも、実際のお芝居で出ればいいなと思っています。
僕は人を分析するようなところがあるんですが、彼(直政)も多分、そういうところがあるんだろうなと思います。台本を読みながら共通項を見つけていって、そこを引っ張り出して自分とつなげてということをしています。
あとはビジュアル的な、立ち方だったり構え方だったり歩き方だったり。そういう端々に、井伊直政という人物を感じられるようなお芝居をして行きたいなと思っています。細かいところにも気を配りながら作っています。
「どうする家康」をきっかけに、板垣さんと静岡県の縁は深まっています。
今月は静岡市で開催された東京ガールズコレクションで、大久保忠世役の小手伸也さんとランウェイを歩きました。
さらに、浜松の大河ドラマ館プレオープンでは、パネルにサインも。
(キャスター)
直政を含めたチーム家康の活躍を心から期待している静岡県のみなさんに、メッセージをお願いできますでしょうか。
(板垣さん)
静岡の皆様、井伊直政役をあずからせていただきます。直政の登場は放送始まってから少し後にはなりますが、自分でしか描けないような直政公をこのドラマの中で表現できたらいいなと思っております。作品全体としても、今までの大河ドラマと違った、家康らしい感じのドラマになってるんじゃないかなと僕は台本を読んでいてすごく思うので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。
井伊直政、「おんな城主直虎」では菅田将暉さんが情熱的で野心あふれる演技をして、終盤の準主役のような人物になっていましたよね。確かに菅田さんの演技と、板垣さんが「青天を衝け」や民放のドラマで見せる姿は正反対のような印象もあって、今回はどんな直政になるのか、気になりますね。
板垣さん演じる井伊直政の登場は少し先ということですが、楽しみに待ちましょう!
大河ドラマ「どうする家康」は毎週日曜、総合テレビでは午後8時からです。
【インタビュー動画】
撮影:鎌田隆宏、高林正義、柴田雄一/音声:浦山典之、三浦暢子/照明:小池英一/編集:福井菜実子
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