インタビュー 川勝知事「ことしの静岡県政は」

記者・井ノ口尚生
2022年1月5日 午後7:00 公開

(2022年1月5日放送)

2021年を表す漢字を「厳」とした静岡県の川勝平太知事。2022年は県政にどう臨むのか。一連の失言問題を受けた政治姿勢や、新型コロナ、熱海土石流、それにリニア中央新幹線といった課題について、NHK静岡の高栁秀平アナウンサーが聞きました。

【失言をどう反省したのか】

まず尋ねたのは、去年の一連の失言問題。川勝知事は去年、選挙の応援演説で御殿場市について「あちらはコシヒカリしかない」などと発言しました。6月の知事選でも女性の学力と容姿を結びつけるような発言をしていたことが明らかに。いずれの発言も謝罪・撤回しました。

(川勝知事)

「学歴とか容姿とかあるいは職業とか、これは普通名詞ですからあるわけですね。それを差別されたと受け取られる方がいるとすれば、言った方に責任があるということで、これは本当に申し訳なかったと思っているわけでます」

(高栁秀平アナウンサー)

「知事は『年末にかけてを猛省の期間とする』と話されていました。具体的に年末はどう過ごされたのでしょうか」

(川勝知事)

「まあそれは、いつも同じですけどね。昔から政務はしなくて、基本的に沈思黙考する時期ということで。応援演説というのは、なんといっても敵味方に分かれるので激しいわけですね。この激しい、言ってみれば戦いの中に入って、一方に味方するわけですから。結果的には一方を選んで他方を選ばないという、そういう分断を生むことになりますね。そこに加担をしたということ。これはもうしないというふうに決めておりますので。決めたとおりにことしはやっていくと」

(高栁アナ)

「一方で、県議会から辞職勧告決議も受けられました。それで知事が職を続行される理由はなぜなんでしょうか」

(川勝知事)

「知事選というのは公費を使うわけですね。税金を使うわけですね。10億ないし15億といわれます。ですからこのお金をどのように使うかがとても大切なことで、4年に1回使うということになっている。今コロナ、特にオミクロン株が流行しているということで、年末年始密が続くでしょ。こうしたときにそれ(選挙)をお願いするというのは間違っていると思いますね。いまは辞職勧告を、言ってみれば十字架のように背負いながら仕事をすると決めております」

【新型コロナ 第6波への備えは】

いまだ収束が見えない新型コロナ。去年は県内でも病床の占有率が一時70%を超えるなど、医療提供体制がひっ迫しました。

(川勝知事)

「1日だけで700人近い感染者が出たわけです。まさに危機的状況でした。まずは検査体制をしっかりすることが大事です。感染症専門の施設を作っていくっていうことで今、検討に入っています。有事のときにはそこが感染症の病院機能も持つ、検査機能と病院機能を持つ、そういうものを作っていこうと。亡くなる方があったことは、もうなくさなくちゃいかんと。そういう体制をとりつつある」

【リニアにはどう向き合う】

続いては、県内工事の行方に関心が集まるリニア中央新幹線。2021年9月には、JR東海の金子社長が初めて、流域の市や町のトップと直接意見交換しました。

しかし川勝知事は、こうした動きが着工に向けたアリバイ作りに使われてはならないと強調します。

(川勝知事)

「丁寧に丁寧に説明をしても掘削してから水を戻して大丈夫ですよと言われても、それで納得しているわけではありませんから。『地元説明会をして、地元に理解していただきました。これで工事をします』ということが日本で時々あります。“地元の理解を得た”と言いわれたら工事ができるわけですから、非常に危険だと思っています」

「これから議論されていくであろう生態系の問題、盛り土の問題、(JR東海との対話が必要な)47項目は、国がJR東海と一緒に全部議論すると約束されたわけですから。ですからこの約束は天下に約束されたわけですから、守らないといけない」

【熱海土石流 復興と再発防止】

そして去年7月、熱海市に甚大な被害をもたらした土石流。地域の復旧・復興については。

(川勝知事)

「上流部に土石土砂がたまっている。それをまず除去することがありますね。そしてそこで上流が崩れないように堰堤をつくると。ありがたいことに国がそれをしてくださっているわけです。この国の堰堤工事が終わりますと、少なくとも中下流域が今まで随分と安全と安心感も高まります。その上で町は一方で、あそこの河川の流量をどうするか、道をどうするか、家をどうするか。これは復興プランを考えていらっしゃるわけですよ。それにも全面的に協力しながら復旧復興していきたい」

また県は、盛り土の規制に特化した条例の制定を進めています。

(川勝知事)

「神奈川県より規制が緩かったというところにつけ込まれてこうしたことが起こったというのはほぼはっきりしていること。これは日本で1番厳しい条例にしないことには、亡くなられた方・被災された方に対して申し訳がたたない。7月1日にはこの条例を施行して、犠牲になられた方たちに対して『こういうことが起きないように、こういう形になりました』と報告したいと思っています」

【ことしの一字】

最後に、2022年の一字を書いてもらいました。

(川勝知事)

「『水』です。水について考えましょうと。水は地球であることの存在証明ですね。水の惑星ですから。一方、日々の生活に必要です。ことしは水を中心に、安全な治山治水を心がけていきたいと県では思っておりますので、みなさんもそれぞれの生活分野で、水についてお考えいただく年にしていただければと思う次第であります」

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